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王国の海

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暗殺集団、
バロックワークス。
そいつらが王国をゆるがす仕事を請け負った。
そういう情報が流れ、
関係者の間では緊張が走る。
 
 
 
 
 
 

だが、ルフィたちの日常には何ら変わりはない。

「うおおおおお!!」
泳げないくせに、
ルフィは何度も波乗りにチャレンジしている。
「ウソーーーップドライブの3!!」
妙なかけ声をかけながらなんとか波に乗るウソップ。

ナミはビーチサイドに寝転び本を読んでいる。
じわじわと押し寄せる緊張感。
海の水のように満ちてはひくの繰り返し。

サンジは海岸にしゃがみずっと海を見ていた。
落ちる夕日。
もうすぐ一日が終わる。

青い、青い、海。
その向こうには、もうない国がある。
 
 
 
 
 
 

「飲むか」
サンジは目の前にさしだされた酒瓶を見た。
サンジの横にゾロが腰を降ろす。
黙ってサンジは瓶をうけとった。

たがいに無言だった。
でも、側にいるだけで、
心が癒される。
側にいるだけで、
心がざわめく。
側にいるだけなのに。

サンジはたてた膝で顔を隠した。
今、自分はどんな顔をしているのだろう。

ゾロといるのは好きだ。
ただいるだけなのに。
ケンカしてないと、どうしていいかわからないのに。
・・・だけど、
側にいるだけで安心する。
何も言わないから。
何も求めないから。

多分、初めて桜の木の下であった時から、
忘れられない。
きっと2度と会えなくても、
忘れられない。
そう思った。

知らないふりをしているけれど、
ゾロは何も言わないから、
覚えているのかどうかもわからない。
・・・幻だと思えばいい。

過ぎた望みは持たぬこと。
そんなことわかってる。
わかってる。
わかってるのに・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 

ナミは厳しい目をして立っているギンを見た。
いいの?
無言の問い。
あなたの役目は?
ギンは無言のままだ。
 
 

オレの役目は、
サンジさん、
あんたを守ること。
ここでは王に仕えているけれど、
今は無きバラティエの国王ゼフと約束した。
オレの「プリンス」を守ると。
本当はそんな必要なんて無かったのに。
あんたが幸せになってくれるなら、
オレはそれでいいんだ。
そのためなら、
なんだってする。



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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