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王国の海

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「・・・だろ」
ゾロはルフィを探していた。
広い館だ。
すぐ見つかるとは限らない。
この館に常時住んでいるのはルフィとウソップとサンジとナミとチョッパー。
あとは使用人と、
最近護衛と称する者が増えたが、
それだけだ。

案の定、
声は厨房の方から漏れている。
「サンジ・・・」
ルフィの声だ。
いつものルフィの声と違う様子に、
ふと足を止める。

「・・・ダメだ」
「何で・・?」
ゾロは見てしまった。
その膝に乗って、サンジにキスするルフィを。
ルフィにキスされるサンジを。

頭の中が真っ白になる。

クソ!!
やり場のない怒りが体中を駆け抜ける。

道場にかけ込むと、
狂ったように剣を振るう。
すさまじいゾロの姿に、
みなが恐れをなす中、
いつまでもゾロは剣を振りつづけた。
もう体が動かなくなっても、
脳裏に焼き付いたルフィとサンジの姿は消えない。
それからサンジの姿が蘇る。
桜の下のサンジ。
木の下のサンジ。
キスした時のサンジ。
手をにぎった感触。
髪の手触り。
機嫌のいい顔。
機嫌のわるい顔。
バカにしたように笑う顔。
うつむいた顔。
黙ってすわってる顔。

・・・同じだ。
オレとルフィは多分。
サンジが全部欲しいんだ。

アレをしたかったのは、オレだ。



 
 
 
 
 
 
 
 
 

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