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王国の海

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それから、
全ては元通りになった。
ただ、ゾロがいなくなっただけ。
サンジを狙っていた男の黒幕も割れ、
王の寵愛を欲しがる側近が逮捕された。

世間には、相変わらず、
王の寵愛の相手は謎のままだ。

「はーーー、ゾロがいなくなってからもうすぐ一年か。
オレまさかそんなことになってたとは知らなかった」
ウソップは咲き始めた桜を見ながら、
こっそりナミに囁いた。

「知らないほうが幸せってこともあるでしょ。
あっ、サンジ君が来たわよ」
桜の下の昼御飯ということで色々な品を手にしている。
ルフィが手伝いながら、
色々とつまみ食いをしていた。

「これで、いいのよ」
サンジは・・・。
あれ以来、昼だけやってきて、
話をし、料理をし、
時々共に出かける。

サンジはゾロを信じているのだ。
生きてても、死んでても。

海崖島の処刑では死体が見つかったことはない。
だから、信じるのか。
生きてると信じてるのか。
それとも死んでても信じるのか。

・・・そう、
死んでも信じられる。
そうよね、ベルメールさん。
命をかけることの意味を教えてくれた人。

生きるために意味なんていらない。
ただ毎日を生きたらいいだけ。
過去を信じてもいい、
未来を信じてもいい。
だってわたしたちが知ってるのは今しかない。
だからその中でせいいっぱい生きればいい。

私はベルメールさんの愛に守られている。
ゲンさんの愛にも。
ノジコの愛にも。

サンジ君もそうよ。
ゼフの愛に守られている。
ギンに守られて、
ゴールド・ロジャーにも愛されてる。

そして、
誰よりも貴男の愛するゾロの愛に守られている。

あなたは不幸なんかじゃない。
だから、
ここで笑いましょう。
共に明日を信じましょう。


 
 
 
 
 
 
 
 
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