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王国の海

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「で、何が知りたいわけ?」
ナミがニヤリと笑う。
ゾロはなけなしの金をナミにさしだす。
「てめえ、金とりすぎだ」
「あーら、有名な剣豪のロロノアさんが言うことなの、それ!!
もっとノシつけて出しなさいよ!!」
・・・頭がいてえ。
ルフィはこの女のどこがいいんだか。

「この国のことだ」
「あいかわらず王は何をしてるか分からないってこと?
ルフィやエースが反乱をしずめて活躍してるってことくらい、
アンタでも知ってるでしょ。
王国は安泰よ
さらに領土も広がったし」

「ドラム王国も征伐したし、
バラティエ王国も属国にしたし、
向かうところ敵なしよ
まあ革命や反乱を目論む輩がいるのは相変わらずよ
だから、わたしたちしかルフィの側にはいられないんでしょ」

「あの、サンジってのは?」
「・・・バラティエの王子だったの、彼。
まあ、捕虜みたいなもんじゃない?」
ナミは皮肉な笑顔を浮かべた。
元々、この国の属領の主ミホークを父にもつゾロにはその感情は分からない。

バラティエの戦いは、
ゾロは全てが終わってから、
風のたよりに聞いた。

ゴールド・ロジャー自らが出陣しての戦い。
イーストブルー1との誉れ高い国王ゼフとの一騎討ち。
ゼフは片足を失い、
ゴールド・ロジャーは勝利した。
いつか、自分もそのような戦いの場に行く。
武者修業の途中の
煤けた田舎の片隅で、
ゾロは燃えるような闘志を感じた。

あいつは、
その戦いを見たのか。
それとも、
見なかったのか。

より高みを目ざすものは何かを切り捨てなければならない。
負けた者には残酷な結果しか残っていない。
それでもオレはそれを目ざす。
勝って全てを手に入れる。



 
 
 
 
 
 
 
 

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