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王国の海

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「あーーー、ゾロとサンジ!!!
そんなとこにいたのか!!」
ルフィに呼びとめられ、
ゾロとサンジは彼等のとった獲物を見た。
ちゃんと狩りをしていたらしい。
何頭かのケモノが狩られていた。

「このウソップさまが仕留めたのさ!!!
なぜならば、オレは天下一の射撃手にして天才・・・そして!!」
取り残されているのに気づかず、喋り続けるウソップ。
 
 
 
 
 
 

狩り場の入り口までようやく帰ってくると、
そこにはあの一団がいた。

「あーーーゴールド・ロジャーだ!!」
ルフィが叫び駆けよっていく。
ゾロはいつものことながら感心した。
まったくあの親にしてあの息子。
すでに足が震えているウソップもじりじりとそちらに近寄っていく。

「おお、すげえ獲物だ!!」
感心するルフィを冷静な精鋭が取り囲む。
おそらく子供の頃からこういう光景だったのだろう。

捕った獲物は早速料理されるべく作業が始まっているようだ。

ゴールド・ロジャーはルフィを見た。
それからゾロを見た。
ゾロと視線が合うが、無言のままだ。
さっきのことはもう終わったのだ。
ウソップも見た。
ウソップは緊張のあまり、足が震えている。
それからサンジを見た。

「料理しろ」
そう言って、獲物をサンジに示す。

サンジは固い表情ながらも包丁を受け取り、
料理を始めた。

何故か誰もしゃべらない。
重い空気がその場を包む。
 
 
 
 
 
 
 

「あー、もう料理してるのか!!」
重い雰囲気をあっさりとやぶってシャンクスがやってきた。

「ゴールド・ロジャー、
オレの分も頼むわ!!
おー、ルフィ久しぶり!!
ウソップ元気か!!
ゾロじゃねーか!!」

やがて酒が配られ、
料理が配られる。

「あーー、ゴールド・ロジャー!!
あいかわらず地味な宴会だな!!
大体こいつらがイカン!!」
ぐるりと取り囲む精鋭を指差して平気でシャンクスは酒を飲む。

ゴールド・ロジャーは無言だ。
無言で酒を飲み、
料理を食う。
 
 
 
 

ゾロは隣を見て驚いた。
・・・?
いつもは機嫌のいいルフィがすねている。
完全にすねて、不機嫌だ。
どうしたってんだ・・・・一体?

「ルフィ、まあ飲め飲め!!」
シャンクスがやってきて、
ルフィにどんどん飲ましている。
ルフィはやけのように酒をガブガブ飲み、
あっという間に寝てしまった。

「1ばーーーん!!!
キャプテン、ウソーーーップ!!
行きまーーーーす!!
オレのふるさとーにーーはーーーーよーーーー」
ウソップは急に歌を歌いはじめ、
ヤソップがあわてて止めに走る。

サンジは、
料理が終わったのか、
隅の方にぽつんと腰掛けていた。
ゾロは酔った頭で考えた。
あれ・・・、
アイツの作った料理、
オレ食ったか?
食ってねえ。
・・・んじゃ、
ダレが食ったんだ?

考えていると、あちこちから声がかかり、
ゾロはそちらの方に向きなおった。
「ロロノア君、よく帰った!!
君のうわさはかねがね聞いておるよ!!」
つぎつぎに盃をすすめられ、
そのたびに飲み干していく。

サンジのことがひっかかる。
何かが。
オレはあいつのこと何もしらねえから。

こんなことをしていていいのだろうか。

「もっと飲みたまえ」
そうだ、
飲めばいい。
飲んでいれば、
このもやもやも消えるはず。



 
 
 
 
 
 
 
 

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