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王国の海

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最近のゾロは王国の師範代として過ごしていた。
毎日剣の稽古をつける。
修業もする。
もっと強くならねば。
あの王を守る男たちの強さはハンパじゃない。
見ただけで感じる。
オレもまだまだだ。
もっと強く。

「最近、王を倒そうとする一派が侵入しているらしい」
いつもある情報がまた流れる。
狙うのは王。
だがとても手が出せない。
だから、周辺を狙う。
例えば王子とか。
エースやルフィ。
だめなら、その側にいるものまでが。

「・・・うう、狙われんのかオレたち」
ウソップが怯えた顔で言う。
「一応ね。だから、一人一人に専属の護衛をつけてくれるらしいわよ」
ナミの言葉にルフィが反論する。

「護衛なんていらない!!」
最近のルフィはイライラしている。
なぜなのか。
オレには分からない。
 
 
 
 
 
 

久しぶりに館に行くと、
なぜかその日はサンジしかいなかった。
「ルフィとウソップは工場に行った。
何か食うか?」
最初は食ってるだけだったが、
そのうち酒を飲みはじめた。
そのうちどちらがたくさん飲めるかという話になった。
「オレが強い!!」
「いいや、オレだ!!」
どうして必ずいい合いになるのか。

片っ端から酒を飲んで、
気づくとサンジは酔いつぶれていた。
「あー、オレが勝つんだよ!!
てめえはオレの言葉を素直に聞いてりゃいいんだよ」
・・・そうだ、
この前みたいに、
素直にしてりゃいいんだよ。

でも、それもよくねえか。
なんか妙なキモチになるからな。

眠っているサンジの髪に手を触れる。
あー、やわらけえ髪。
頬に手を触れる。
それから・・・。
 
 
 
 
 

「サンジさんっっ!!」
あー、いいとこなのによ。
最近サンジの護衛と称してついてくるギンがとびこんできた。

「アンタ、何考えてんだ!!
こんなに飲ませて!!」
「あんだと、コラ!!
コイツが勝手に飲んだんだぞ!!
こいつが弱ええのが悪いんだろが」
ギンはサンジを抱きかかえると、
サンジの寝室に連れていった。

ゾロはそれでもその場でちびちび酒を飲みつづけた。
・・・ギンとかいったな。
最近、いつもサンジのまわりをちょろちょろしてやがる。
えれえ、腰の低いヤツだ。
ウソップの護衛の方が、よっぽど強そうだったぜ・・・。
ヘンな奴がサンジの護衛についてるな。
 
 
 
 
 
 

ギンは幸せそうに眠るサンジの体をそっと横たえた。
「まいったな。
どうすりゃいいんだ」
無防備な寝顔をさらしたまま、
眠り続けるサンジ。

サンジさん、
これ以上は、ダメだ。
これ以上やるともう止められなくなる。
止まらなくなる。
 
 
 

ロロノア・ゾロも。
あんたも。
そしてあの人も。



 
 
 
 
 
 
 
 

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