ruffy  * sanji 

愛しさを悟られぬことが最大の防御となりうるか

*3*
 
 
 
 
 
 

最近のサンジは情緒不安の様子。
やけに機嫌がいいかと思うと、急にキレたり。
原因は分かってる。
あいつのせいだ。
ルフィと顔を合わせにくい。
2人きりになると緊張する。
身構えていると、拍子ぬけするくらい、いつも通り。

ふり回されてる。
あのゴム野郎に。
クソムカツク。

今日はいい天気だ。
昼下がりの午後。
皆思い思いに過ごしている。
ナミは海図をひろげ、ゾロは昼寝。
ウソップは熱心に絵を描いている。

ルフィはあくびをすると立ちあがった。
サンジはどこだ。
おやつが食いたい。
サンジ・・
おやつ・・
サンジ・・

あちこち探してゆくと影になるひんやりしたところでサンジが寝ていた。
ルフィは思わず寝顔を覗き込んだ。
あれ?
泣いてる・・・
頬をつたう涙のあと。

ルフィはじっとサンジを見た。
それからやっくりサンジに手をのばす。
自分もサンジの隣で向い合わせに横になる。
そっと自分の胸元に頭を引き寄せる。

やわらかい髪。
頬の涙をそっと手ですくう。
細いうなじにそっと触れる。

やっぱキモチいいじゃん、こいつ。
 
 
 
 

サンジは夢を見ていた。
あの島にジジイと二人でとりのこされてた。
オレはジジイの袋に包丁をつきたてた。
中からは食料があらわれた。
だが、ジジイが消えてしまった。
誰もいない。
食料はある。
サンジには分かった。
この食料はジジイだ。
ジジイがカラダ全部くれた。
なんで。
クソジジイ、なんてことをした。
オレは、なんてことをした。
 

泣いているオレを誰かがやさしく抱きしめる。
やさしく頭をなでる。
オレを許してくれるのか。
オレはそいつにすりよった。
誰かはオレをぎゅっと抱きしめてくれた。
許されていいのか。
オレは、安心した。
ここにいれば大丈夫。
安らかだ。
 
 

ルフィはサンジをぎゅっと抱きしめた。
何かが不安なんだ。
でも、大丈夫。
オレがついてるから。
おまえはオレについてくれば大丈夫。
わかるだろ、サンジ。

オレはおまえを離す気はないから。

たばこの香りがする。
でも、なんかいい気分。
オレも眠くなってきたなあ。
 
 
 

ウソップは絵を完成させた。
「よっしゃあああ」
まずナミに見せる。
「へえ、海の絵か。うまいじゃない」
次はルフィかサンジに見せよう。
そう思って探していた。

ガボーン!!!
ウソップが見たものは・・・

幸せそうにサンジを抱いて眠るルフィ。
幸せそうにルフィに抱かれて眠るサンジ。

ドコッ。
思わず絵をとり落とす。
「たたた、大変だ!!!  ナナナナ、ミ、大変だ!!!」
「うるさいわねえ、何よ!!」
「あいつらが!!!あいつらがーーーーー!!!」
「泣いてちゃ分かんないわよ・・・」

げっ。

ナミが見たものも・・・

幸せそうにサンジを抱いて眠るルフィ。
幸せそうにルフィに抱かれて眠るサンジ。

ナニ、コレ?
どういうコト?

ナミの頭も一瞬ぐらつく。
こいつらデキてたの?
全然気がつかなかったわ。
偶然にしちゃ雰囲気よすぎ。
もうけったくそ悪い程、ラブラブっぽいもんねえ。

「見たわね。ウソップ」
「見・・・・見た・・・見たくねえけど」
「ねえ、見てないことにして、しばらくこいつらで遊んでみない?」

は?
固まるウソップ。
「ちょうど退屈してたとこなのよ」
うふふふふ。
ナミは心の底から楽しそうに笑った。
鬼や・・・
あんたは鬼や・・・
ウソップの流れ落ちる涙は止まらない。
 
 
 
 
 
 

*4*



お昼寝ルサンが書きたかったのです。
しかし、ナミが・・・
どうなるこの後。
後はあるかも、ないかも。
 
 

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クソショウセツ