罪と罰


*2*
 
 
 
 
 

サンジはぐったりした身体を起こす。
そして料理をする。
朝が来て、昼が来て、夜が来て。
繰り返される時間。

コックとして必要とされている間は立っていられる。
存在価値があるから。

でも、料理の時間が終わると、また気分が落ち込んでいく。
原因は何か。
ビビちゃんを守れなかったから。
ナミさんを救えなかったから。

きっかけは何か。
もうどうだっていいけれど。
 
 
 
 

また夜が来る。
長い長い夜。
悪夢を見るのは嫌だ。

タバコがまずい。
酒もまずい。

「ゾロ・・・」
ゾロはいつものように酒を飲んでいた。
「やろうぜ」
 
 
 
 
 

ゾロは眉をひそめてサンジが服を脱いでいく様子を見た。
毎日。
サンジは来る。
思いつめたような顔をして。
立っているのがやっとという顔をして。

服を脱いだサンジの身体。
明かりのついた部屋の中、はっきりとわかる情事の後。
全部オレがつけた。

「なあ、明かり・・・」
サンジは明かりを消そうとした。

「だめだ。今日はつけとく」
ゾロはそういうとサンジを見た。
サンジはちょっと困ったような顔をした。

「なあ、欲しいんだろ。自分でヤってみせろよ」
ゾロの言葉にサンジは驚いた。
今まではそんなことはなかった。
こんな突き放すようなことは。

「上手くやれたら、オレのを入れてやるから」
サンジは唇を噛みしめてたが、自分の身体に手をはわしはじめた。

もう、オレは壊れている。
もう、捨てるもんもないし、ゾロが相手にしてくれなかったら、どうなる?
オレはゾロじゃないと、嫌だ。
他の誰でも無い。
たった一人だけの特別な存在。
オレはコイツが欲しい。
何も考えられなくしてくれるのは、コイツだけ。
好き。
そんな簡単な言葉でいいあらわせない感情。

サンジはゾロの視線を感じる。
視線を感じただけで、欲情してくる。
ゾロが見てる。
目を閉じて、自分の敏感な部分をなぞる。
すでにイキそうに昂っている雄をゆっくりと扱くと、もう喘ぎが止まらない。

「入れろよ」
ゾロは自分がかつてなく興奮しているのを感じていた。
目の前で自慰にふけるサンジ。
足を大きくひろげ、後ろに指を入れている。
もう、イキそうだ。
ヤリてえ。

「ゾ・・・ロ・・・」
サンジは涙のたまった瞳をゾロに向ける。
オレ、自分の指なんか入れて・・・。
でもすっげえキモチいい。
でも、ゾロがいい。
ゾロにヤられてえ。
見られてて感じるなんて・・・。

「イけよ。サンジ」
いきなり手を掴まれ、サンジの身体の中に強く押し込まれる。
「ああ・・・っっっっっ」
サンジは自らの手に感じすぎて、激しく精液を飛び散らせた。

「オイ・・・舐めろよ」
ゾロの顔にまで飛び散ったものを舐める。
それが深い口付けに代わり、お互いに舌を絡めあう。
淫らな口付けを交わしながら、お互いの身体に手を這わす。

早く、ゾロが欲しい。
サンジの身体はゾロを欲しがってヒクついている。

オレには今しかない。
だって、ゾロはいつかはオレから離れてしまう。
いつもオレたちは知らないところで戦っている。

知らない間に大怪我をしてるゾロ。
ゾロは後悔なんかしないだろう。

剣士である以上。
剣に生きる。
いつかは、剣に死ぬ。
それはさだめだ。
剣士を選んだゾロの。

そんなゾロだからオレは惹かれた。
だけど、いつかその生き方で命を落とすだろう。

いつか来る日。
それまで。
その時まで。
オレはゾロと一緒にいたい。
たった一人で道を突き進む剣士。

ゾロを愛した罪。
ゾロを愛した罰。
その日はいつか来る。
たがいの道を分かつ日。
それは生なのか、死なのか。
 
 
 
 

だからその日まで。
オレは身体でゾロを覚えておきたい。
ゾロの全部をオレに。
 

ゾロがオレの身体に入ってくる。
歓喜して迎えるオレの身体。
ゾロは身体をオレにくれてる。
ゾロの精液は全部オレの身体にそそがれる。
オレはもう狂ってるのか。
それが心地よいなんて。
これで十分だ。
これ以上望むことはない。

ゾロを手に入れるためならなんだってする。
今は餌はオレの身体だけだけど。
オレの身体がゾロは好きみてえ。
それだけは嘘なんかじゃねえ。

誰かを自分だけのものにしたいと思うことは罪なのか。
ゾロをオレのものにすることが罪ならば。
オレは罰をうけてもしかたない。
 
 
 

*3*



ありなさんの20000リク、「サンジがゾロを好きで離れない」「精神的にヘン」なゾロサンです。
どん底に落ちてて必死でゾロを求めてるサンジ。
困りつつサンジを抱くと加減できないゾロ。
今回、ただの淫乱。
 

またしても、続く。
 

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