静的フォルム治療に戻る

Z 足骨・股関節のフォルム治療(筋肉・骨格の脳性麻痺、リューマチ、痛風、)

1.足骨・股関節の治療法

(1)  足指の治療

足指の第1第2関節は、4つの運動を持っています。
1.前後傾斜  
2.内側、外側への横傾斜  
3.右回旋、左回旋  
4.関節の弾力

 片方の手で患者の関節の上側を固定し、もう片方の手で下側を2〜5gの圧で握り、 前方と後方に0.5 〜1.0mm 位やさしく、ゆっくりと動かして、その動きがあるか、ないかを調べる。
  次に、左横方向と、右横方向に0.5 〜1.0mm 位やさしく、ゆっくりと動かして、その動きがあるか、ないかを調べる。
  その次に、左回旋と、右回旋を0.5 〜1.0mm 位やさしく、ゆっくりと動かして、その動きがあるか、ないかを調べる。
  その次に、下側の骨から上側の骨を押し、下側の骨から上側の骨を引っ張ります。
  この8つの動きのうち、最も動きのない方向を選び、その反対方向に0.5 〜1.0mm 位動かし、そのまま数秒か数分間おくと、両方に動くようになります。 聴覚が発達すると、この8つの動きの内の一番の患部の動きをしたときに、気の噴出感や指のしびれを感じますので、そのまま0.5 〜1.0mm 位動かし、気の噴出感や指のしびれが無くなるまで待ちます。

(2)指の付け根・中足骨間関節の治療

聴覚が発達した治療者が行うときには、指関節の治療法に準じて行います。

1.前後傾斜
2.内側、外側への横傾斜
3.右回旋、左回旋
4.関節の弾力

 この8つの動きのうちの一番の患部の動きをしたときに、気の噴出感や指のしびれを感じますので、そのまま0.5 〜1.0mm 位動かし、気の噴出感や指のしびれが無くなるまで待ちます。

(3)中足骨、楔状骨、立方骨、舟状骨、踵骨、距骨の治療

それぞれの二つの骨の関係を、12通りの方向から調べます。

たとえば、第2楔状骨と舟状骨の関係を調べるには、
 まず、舟状骨を固定し、第2楔状骨側の右回旋、左回旋、足裏へのずれ、足甲へのずれ、舟状骨へのずれ、舟状骨からのずれ、を調べ、
 次に、第2楔状骨を固定し、舟状骨側の右回旋、左回旋、足裏へのずれ、足甲へのずれ、第2楔状骨へのずれ、第2楔状骨からのずれ、を調べます。
 これで12通りになります。

  この12の動きのうちの一番の患部の動きをしたときに、気の噴出感や指のしびれを感じますので、そのままかるく圧力をかけ、気の噴出感や指のしびれが無くなるまで待ちます。

(4)距腿関節の治療

 

 聴覚が発達した治療者が行うときには、それぞれの二つの骨の関係を、14通りの方向から調べます。

 距骨から脛骨への動きは6通りあり、脛骨から距骨への動きは8通りあります。

 距骨から脛骨への動きを調べるには、
 脛骨を固定し、距骨を右回旋、左回旋、内側へ押す、外側へ押す、脛骨の方向に押す、脛骨から引っ張るの6通りの動きをしてみます。

 脛骨から距骨への動きを調べるには、
 距骨を固定し、脛骨を右回旋、左回旋、内側へ押す、外側へ押す、前へ押す、後ろへ押す、距骨の方向へ押す、距骨から引っ張るの8通りの動きをしてみます。

  この14の動きのうちの一番の患部の動きをしたときに、気の噴出感や指のしびれを感じますので、そのままかるく圧力をかけ、気の噴出感や指のしびれが無くなるまで待ちます。

(5)膝関節の治療

聴覚が発達した治療者が行うときには、三つの骨の関係を、16通りの方向から調べます。

 脛骨から大腿骨への動きは6通りあり、腓骨から大腿骨への動きは2通りあり、大腿骨から脛骨と腓骨への動きは8通りあります。

 脛骨から大腿骨への動きを調べるには、
大腿骨を固定し、脛骨を軽く左方向、右方向前後、右回旋、左回旋、の6通りの動きをしてみます。

 腓骨から大腿骨への動きを調べるには、
大腿骨を固定し、腓骨を軽く右回旋、左回旋、の2通りの動きをしてみます。

 大腿骨から脛骨と腓骨への動きを調べるには、
 脛骨と腓骨を固定し、大腿骨を軽く右旋回、左旋回、前方、後方、左方向、右方向、 脛骨の方向に押す、脛骨から引っ張る、の8通りの動きをしてみます。

  この16の動きのうちの一番の患部の動きをしたときに、気の噴出感や指のしびれを感じますので、そのままかるく圧力をかけ、気の噴出感や指のしびれが無くなるまで待ちます。

( 6)股関節の治療

A)

股関節内転障害と外転障害

患者の膝をいっぱいに折り曲げて、片方の手で膝関節を持ち、他方の手で足首を握って、股関節を内転回と外転回してみますと、
外転障害……外転回しやすいが内転回しにくい
内転障害……内転回しやすいが外転回しにくい
の2つの状態が起こっています。
 両足ともに外転障害がある場合が一番多いケースですが、両足ともに内転障害がある場合、片足が外転障害でもう片足が内転障害である場合もあります。

両足ともに外転障害または内転障害がある場合の治療
ねじれた仙骨の治療法その2の形から、手のひらを膝の上、足首に移動させ、術者の手の重みだけをかけ数分間静止します。
これを両足に行った後、回りやすい方向に両足を4回回転させ、そのあと、大腿部を丹念にマッサージします。
次に、患者を立たせ正面を変えずに、縦方向に、右回りの前の円・左回りの後ろの円の8の字と、左回りの前の円・右回りの後ろの円の8の字を交互に歩行させます。
次に再び患者を寝かせ、 回りやすい方向に両足を4回回転させます。

左足が外転障害で、右足が内転障害である場合の治療
ねじれた仙骨の治療法その2の形から、手のひらを膝の上、足首に移動させ、術者の手の重みだけをかけ数分間静止します。
これを両足に行った後、片足ずつ回りやすい方向に4回ずつ回転させ、そのあと、大腿部を丹念にマッサージします。
次に、患者を立たせ正面を変えずに、縦方向に、右回りの前の円・左回りの後ろの円の8の字と、左回りの前の円・右回りの後ろの円の8の字と、横方向に左回りの左の円・右回りの右の円の8の字を交互に歩行させます。
次に再び患者を寝かせ、 片足ずつ回りやすい方向に4回回転させます。

右足が外転障害で、左足が内転障害である場合の治療
ねじれた仙骨の治療法その2の形から、手のひらを膝の上、足首に移動させ、術者の手の重みだけをかけ数分間静止します。
これを両足に行った後、片足ずつ回りやすい方向に4回ずつ回転させ、そのあと、大腿部を丹念にマッサージします。
次に、患者を立たせ正面を変えずに、縦方向に、右回りの前の円・左回りの後ろの円の8の字と、左回りの前の円・右回りの後ろの円の8の字と、横方向に右回りの左の円・左回りの右の円の8の字を交互に歩行させます。
次に再び患者を寝かせ、 片足ずつ回りやすい方向に4回回転させます。

B)

 腸骨と大腿骨の関係を10通りの方向から調べます。

 大腿骨から腸骨への動きは6通りあり、腸骨から大腿骨への動きは4通りあります。

 大腿骨の動きを調べるには、患者を椅子に座らせ、腰を浮かした状態で、ふとももを両手で支え軽く圧力を加えます。

 大腿骨から腸骨へは、右回旋、左回旋、前へ、後ろへ、内側へ、外側への6つの動きがあります。

 腸骨の動きを調べるには、患者をうつ伏せの状態にして、AとCは触診し、Bは軽く前と後ろに押してみます。

 Aには下へ向かう動きがあり、Cには上へ向かう動きがあり、Bには前と後ろへ向かう動きがあるのです。

  この10の動きのうちの一番の患部の動きをしたときに、気の噴出感や指のしびれを感じますので、そのままかるく圧力をかけ、気の噴出感や指のしびれが無くなるまで待ちます。

  腸骨の前上方変位は、大腿骨の左回旋と、腸骨の下へ向かう動きと後ろへ向かう動きが合成されて起こります。

  腸骨の後上方変位は、大腿骨の右回旋と、腸骨の上へ向かう動きと後ろへ向かう動きが合成されて起こります。

 股関節の外転障害は、大腿骨の左回旋と後ろへの動きと、腸骨の前へ向かう動きが合成されて起こります。

  股関節の内転障害は、大腿骨の右回旋と前への動きと、腸骨の後ろへ向かう動きが合成されて起こります。

 股関節脱臼は、大腿骨の左回旋と内側への動きと前への動きが合成されて起こります。

 

2.足・股関節から起こるコミュニケーション障害と体の病気

 足、股関節は運動感覚と存在体の中枢を形成するための情報を担っています。

 運動感覚は大脳を中心に形成されます。

 大脳に思考が起こりますと、運動感覚が歪み、足・股関節が歪み……次の生で足・股関節が歪んで形成され、大脳に思考が起こり、運動感覚が歪み、足・股関節が歪み……

という負のサイクルを人間は繰り返してきたのです。

 運動感覚とは、空間認識をつかさどる器官であり、出会った人間存在同士の関係を空間の座標の中で纏める働きをしているのです。

 ですから、大脳も物質的空間認識を纏めるべく、視覚野、聴覚野、といった大脳生理学的に理解できる機能を持っているわけです。

 しかし、本当の人間の意識は間脳にあり、そこで、筋肉、内臓、内分泌系、リンパ系、血液系、神経系、骨格系、各脳、の意識を纏めて意識するのが本来の姿なのです。

 大脳の思考意識が自分の表の意識であると思い込んでしまうと(罪)、間脳に起こっている真の意識が意識できなくなってしまうのです。

 存在体は、ひとの現在の形姿の全体を形づくる機能で、筋肉、内臓、内分泌系、リンパ系、血液系、神経系、骨格系、各脳、に係わっています。

 存在体が歪むことによって、人間存在には骨格系と筋肉系に脳性麻痺が起こり、偏った性格形成と起こり、偏った人間関係が起こったのです。

 

 足・股関節には、リューマチ、痛風が起こります。

 幼児のときから、足・股関節のマッサージをつづけ、リューマチ、痛風を予防しつつけることが、運動感覚・大脳の思考、存在体の歪みを解決していく道につながるのです。

 

2002年7月10日

千葉義行

ページ先頭へ戻る