折り鶴蘭の描き方に戻る

 

近いものを濃く遠いものを薄く

 キミ子方式で絵を描く場合には、遠いものを薄く、近いものを濃く描き、遠いものの上に近いものを重ねて描きます。

 すると、子ども達は、背景を塗りつぶさなければならないという、強迫観念から開放されることができます。

 また、近くの好きなものを、後から書き込むことができます。

 鉢の方向  鉢は、植物にとって、大地という意味と、根という意味を持っています。
 大地は横へひろがっていますので、横へのフォルムを持っています。
 根は地面から下へ伸びていきますので、上から下へのフォルムを持っています。

 したがって、最初鉢の上部を横の線で太く描き、真ん中から下へ背骨を描き、横へ横へ下へのフォルムを重ねて、鉢を表現することで、大地と根を感覚することができるのです。

  鉢の色  鉢は、大地の色を感覚したいので、できれば、茶色の素焼きの鉢を描くのが、いちばん適当です。

 

折り鶴蘭の葉

 葉には、細長い葉と、丸い葉があります。

 葉脈を観察すると、細長い葉の葉脈は平行に走っており、丸い葉の葉脈は網の目になっています。

 これは、感覚の向かう方向が、細長い葉は葉先へ一つの方向を向いており、丸い葉は網のように色々な方向を向いていることを現しています。

  植物の葉の描き方を指導する場合、先ず感覚がひとつの方向を向いている状態を、経験すること、また、その感覚が他者に向かって投げかけられている様態を感じることが、大切なのです。

 根元からゆっくり払うこと、2色めを1色めに添わせて描くこと、で自分の感覚が他者へ向かっていることを意識し認識できるようになるからです。

  そのために、細い葉をもち、2色の色を持つ折り鶴蘭が、課題として最適なものとなるのです。

 

折り鶴蘭の葉と前後、上、横、右回り、左回り、のフォルム。

 鉢には、横のフォルムと下へのフォルムがありましたが、絵に描く場合、折り鶴蘭の葉には、前後、上、横、右回り、左回り、のフォルムがあります。

 フォルムとは、それが集まって形を形成する物質の流れです。

 植物は、存在の思いによって現実化しています。

 ですから、折り鶴蘭の葉を描くことは、存在の「思い」の持つ前後、上、横、右回り、左回り、のフォルムを、自分の心で聴くための準備になるのです。

 

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