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秩序とフォルムと色・意識障害と言語障害

「クレヨンによる画面分割」を指導することによって、「たくさんの色づくり」や「クレヨンによるさくらの枝」を描くときに表面化されてきた、「意識障害」と「言語障害」を治療することができるのです。

無意識・肉体から意識・脳、意識・脳から言語・肉体への情報の伝達は知覚神経系・運動神経系・交感神経系・副交感神経系によって行われているわけですが、この神経系の伝達の形式は「フォルムと色と方向」で行われているのです。

人間の意識は脳だけにあるわけではありません、脳の機能とは、いわばコンピュータのCPU・演算機能とデイスプレイの機能であり、肉体の機能とは、CPU付きの記憶装置であると考えた方がよいのです。神経系統はCPU・演算機能と各記憶装置を結ぶ通信網であるわけです。

さて、神経系統・通信網に特有な障害がおこります。
本来フォルムと方向と色は、3つが一組となって情報の基礎単位となっているわけですが、この関係が失われてしまう場合(アルツハイマー)に知恵遅れが起こります。
これが言語障害なのです。

脳も肉体もともに意識を持っています。
脳も、肉体も、それぞれに情報の基礎単位である 「フォルムと色と方向」を総合したり分解したりしながら、刻々と判断を下しているのです。
この 「フォルムと色と方向」を総合するときに特有の障害が起こります。
部分的に繰り返しが起こったり(分裂病)、関係が失われたり(アルツハイマー)、関係を造りだしたり(老衰)してしまうからです。これにより知恵遅れが起こります。
これが意識障害なのです。

「クレヨンによる画面分割」では、
@色を選び
Aフォルムと方向を選び
Bそのフォルムの画面での位置を確認し
画面を分割した後に、
Cフォルムで区切られた空間を色で塗りつぶしています。

指導の工程
教育の目的 治療の目的
@色を選び
Aフォルムと方向を選び
言葉の肯定・外界の音声を楽しく聴く力を育てる 言語障害・意識障害
Bそのフォルムの画面での位置を確認し
Cフォルムで区切られた空間を色で塗りつぶす
物語を造る・他者と自分の意識を正確にまとめる力を育てる 意識障害

 

言語障害・意識障害と絵画への現れ

1言語障害

1. 神経系統でフォルムが色を失っているケース

「たくさんの色づくり」で「中心から外へ向かって渦巻きを描こう」と指導しているが、縦や横のふにゃふにゃの線を書いてしまう。

激しい知恵遅れを起こしているケースが多い。
体がふにゃふにゃしている肢体不自由な子どもなど、

2. 神経系統で方向がフォルムを失っているケース

「たくさんの色づくり」で「中心から外へ向かって渦巻きを描こう」と指導しているが、しつように外から内側に向けて書こうとする。

健常児の中にも多数います。
自分や他者を一定の方向に在らせようとする脳性麻痺がありますと、そのために言語障害が起こる場合が多いようです。
同じ思い違いを繰り返すなど、

2.意識障害

1. 意識がフォルムと方向と色をまとめるときに、フォルム又は方向を繰り返してしまう
   すると、フォルムと方向が一致しなくなり、概念を重ねてしまう

「たくさんの色づくり」で、せっかく描いた色の上から別な色で塗りつぶしてしまう。

算数ができなくなるケースが多い

2. 意識がフォルムと方向と色をまとめるときに、方向を繰り返してしまう
   すると、自分の意識している真実の語彙・空間・クロノスの上に、別の語彙・空間・クロノスを造りだしてしまい、その宇宙を思いこみ・罪してしまう

「たくさんの色づくり」で、右利きの子には右回り、左利きの子には左回りを指導しているが、執拗に右利きの子は左回り、左利きの子は右回りに書こうとする

健常児の10〜20%、こだわりがある、

3. 意識がフォルムと方向と色をまとめるときに、構造が方向を失ってしまう

「たくさんの色づくり」で「中心から外へ向かって渦巻きを描こう」と指導しているが、三角や長方形やハート型を書き込んでしまう。
または、茎は地面から上に向かって伸びているのにも関わらず、上から下に描く。

後者を含めると健常児の60%、
演繹的思考をするとそれを真実だと思いこんでしまう。
演繹的思考と現実のギャップを感覚していてもそれを見逃してしまいます。すると、世間一般の思考に従おうとします。

4. 意識がフォルムと方向と色をまとめるときに、フォルム又は色を繰り返してしまう
   すると、フォルム又は色が強調されてしまい構造が概念の方向と筋道・時間・カイロスを失ってしまう

「クレヨンによるさくらの枝」を指導すると、枝をジグザグに塗ってしまい、同じ方向に塗り重ねることができない。

算数ができなくなるケースが多い

5. 意識がフォルムと方向と色をまとめるときに、フォルムが色との関係を失ってしまう
   すると、色を構造に合一させてしまう

「クレヨンによるさくらの枝」を指導すると、枝が幹から離れてしまう。

国語ができなくなるケースが多い
体制に順応してしまう

6. 意識が特定の単語を筋道・時間・カイロスにかぶせてしまう

絵を描くときに、必ず特定のマークや人物(おともだち)を描く。

他者や自分の気持ちに特定の感情を繰り返し持たせてしまう。
わだかまりの繰り返し。

7. 語彙が意味・色を失う

絵を描くときに、形をふちどる

自分と他者との関係・語彙を意識すると、他者の感情・意味・色を理解できなくなる。(自分の感情で他者の感情を決めつける)
健常児の80%

8. 意識がフォルムと方向と色をまとめるときに、方向がフォルムと色との関係を失ってしまう
   すると、概念を構造に重ねてしまう

絵を描くときに、形をふちどり意味なく塗りつぶす

重箱の隅ばかりつつき回す、
帰納法的思考を繰り返すが、全体を俯瞰することができない。
健常児の70%

 

2000年4月15日

 

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