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 No.Nichit.Non.という使われ方をするように、Nという音声は否定の感情と結びついています。
 しかし、本来のNの音声は、自分の意識が外界・実存界を感覚するときに起きる「認識の感覚」なのです。
 それが、自分に起こった認識を、外界・実存界の事象に当てはめたり、他者の気持ちに当てはめてしまうと、「No.Nicht.Non」のように、否定の感情と結びつき、現実をかえって見えなくしたり、他者とのいがみあいを起こしてしまったりしてしまったのです。

 この歌でNのオィリュトミーをしますと、伸びやかになります。

 Uは、母音の中でも肉体の感情を形成する音です。
 Uのポジションは、上、中、下、と3ポジションあり、下のUは、実存界の自分の肉体を形成し、上のUは、内界の自分の肉体を形成し、中のポジションのUは、他者の肉体を形成します。
 したがって、他者のために自分の体が動いていると、「中のポジションのU」が、いきいきとしてくるのです。
 「他者のために自分の体を動かそう」と努力している状態ですと、「中のポジションのU」を動くのがきつくなります。

 この歌でUのオィリュトミーをしますと、他者に対し自由になり神経症が治ってきます。

 Eは、母音の中でも、肉体の感覚を形成する音です。
 Eには、A.腕を交差させた状態から腕を開く、B.腕を開いた状態から交差させるの、2つのポジションがあります。
 「A.腕を交差させた状態から開く」は、「他者の感覚が自分の肉体の感覚に浸透してくる:自分が他者を感覚している」状態を現し、「B.腕を開いた状態から交差させる」は、「他者の感覚を自分の意識にまとめている」状態を現しています。
 つまり、Eは、意識の呼吸を現しているのです。

 この歌で、Eのオィリュトミーをしますと、他者の気持ちを聴くことができるようになります。

 Aは、母音の中でも、聴覚を現す音です。
 Aには、上、中、下、の3つのポジションがあり、中は、世間の感覚を聴く、下は、主の感情を聴く、という意味があり、上のポジションは、他者の感情を聴くという意味を現しているのです。

 この歌で、Aのオィリュトミーをしますと、他者の感情に対して素直になってくるのです。

 

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