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           Q&A   NO.6

Q8.年中と年長の子供たちを扱っている幼稚園です。今年年中に入ってきた子どもたちの中に独り言を言い続けながらひとりで遊んでいる子がいます。どのように対処すればよいでしょうか。

A.保育所の子どもたちを観察していますと、1才〜3才児で一人で座り込んで遠くの誰かに大声で指示をだし、その子(先生)が動かないので泣き叫んでいる子どもがよくいます。
他者の意志を自分の思考意識で支配しようとする脳性麻痺を持っているのですが、体の麻痺を起こすLD(脳内微細障害)は起こらなかった子供たちなのです。
この因子を持った子どもが、年中や年長や小学校1年生に入った当初に、Q8のような状態が起こります。

しかし、これは、幼稚園や保育所と家庭が連携して取り組めば殆ど治癒することができるのです。

T行為や行動の特徴

 @他の子供たちと一緒にいるときに自分のことばかりしている。
 A甲高い声を出す。―声を頭から発声しているように聞こえる
 B遊びに集中できない、興味が移ろっているように見える。
 C他者に〜をさせようとする。
 Dお昼寝をしない、又はお昼寝が浅い(保育所出身の子供たちはお昼寝の習慣ができることが多いのですが、一般家庭ではお昼寝の重要性にまだ気づいていないために、夜泣きがおさまってしまうと、眠りが浅いことが障害を現していることに気づけない状態になるのです)

U身体的特徴

 普通

V治療と対策

一般教育の方法(意識への働きかけ)としては次のように順番を追って取り組みます

1.導入

  このタイプの子どもは、先生が子供たちを集めるときには集まるのですが、自分の思いが起こりますと早く列から離れたり、勝手な行動をしようとしがちになります。

  保母はその子を叱らないようにします。
  叱りますと、その子に、悲しみと苦しみの情動が起こります。

  自由遊びをしているときに観察していますと、その子の体が喜んでやっていることと苦しんでやっていることの差が分かりますので、喜んでやっていることはほめ、苦しんでやっていることは無視します。

2.聴覚を開く

  @自分の喜びを意識できるようにする
    わらべうたでは    ジージーバー(緑と青の布を使う…赤とだいだい色に対するアレルギーを取る)
    絵本では       おひさまあはは  前川かずお  こぐま社、   ははははは  五味太郎  偕成社、
                 どいてどいて  長谷川摂子・井上洋介  福音館書店こどものとも012(1998年1月号)、

  Aお友達の喜びを意識できるようにする
    わらべうたでは    いちばちとまった、ひらいたひらいた、等
    絵本では       どどどどど  五味太郎  偕成社、    まるまる   中辻悦子  福音館書店

3.視覚を開く

  @環境を意識できるようにする
   わらべうたでは    ひとやまこえて、ももやももや、たけのこいっぽん、おちやをのみにきてください、等
    絵本では       ラチとらいおん  マレーク  福音館書店
、   ぐりとぐら  中川利枝子・山脇ゆりこ  福音館書店
                 みんなうんち  五味太郎  福音館書店

    キミ子方式では   色づくり

  A自分と他者の区別を意識できるようにする
    わらべうたでは    えんやらもものき、等
    絵本では、      キャベツくん  長新太  文研出版、    しろくまちゃんのほっとけーき  わかやまけん  こぐま社
    キミ子方式では   にんじん
    詩では       こんにちは  のはらうたUより  工藤直子  童話屋、

  B他者に対する自分の気持ちをまとめられるようにする
    わらべうたでは    かりかりわたれ、まめっちょ、等
    絵本では       おかえし  村山桂子・織茂恭子  福音館書店、  どろんこおそうじ  さとうわきこ  福音館書店、
                 やさいでぺったん  よしだきみまろ  福音館書店
    キミ子方式では、  イカ    
    詩では        せっけんさんがすべった  めのまどあけろより  谷川俊太郎  福音館書店

  C他者に起こる恐怖や怯えを自分の気持ちから切り離すことができるようにする
    わらべうた・オィリュトミーでは   ねこのおいしゃさん、等
    絵本では       すてきな三にんぐみ  アンゲラー  偕成社、    めっきらもっきらとおんどん  長谷川摂子・ふりやなな  福音館書店
    キミ子方式では   
クレヨンによる画面分割

    詩では        みず のはらうたTより  工藤直子  童話屋、

体への働きかけは次のようにします

1.導入

  その子が自分のそばに甘えてくるまではじっと我慢します。

2.マッサージ

  その子が自分のそばに甘えてくるようになったならば、「幼児のためのマッサージ」を繰り返し行います。
  その子のお母さんが自分にその子について相談してきたときに、「幼児のためのマッサージ」をお母さんに伝え、お昼寝の前と夜寝る前に必ず行ってもらうようにはします。
  お母さんには、お昼寝の重要性を繰り返し伝えましょう。

3.オステオパシー

  @胸椎と腰椎のオステオパシー

   患者のひとつひとつの胸椎と腰椎を、左右に少しずらしてみます、左右のずれに差がある場合はずれの大きい方向に少し力を加え数分間静止します。つぎに、 ひとつひとつの胸椎を、斜めに引っ張ってみます、そしてずれの大きい方向に少し力を加え数分間静止します。

   特に、第4胸椎と第8胸椎は斜め右上と斜め左下を引っ張り、第1腰椎と第4腰椎は、左にずらしたときにずれが大きいはずです。

  A蝶形骨大翼のオステオパシー
    仰臥位の患者の左右の蝶形骨大翼に、皮膚に触れるだけの厚で両拇指を添えます。  そのまま、屈曲回旋と伸展回旋をし、伸びの少ない方の回旋運動を助けながら少しずつ大きくなぞっていくと、両方ともにバランスがとれてきます。

  B後頭骨のオステオパシー
   仰臥位の患者の頭部に座り、拇指を除く全部の指を環椎と後頭骨の接点にあてて、後頭骨全体を指 の上に乗せ、そのままで数分間おきます。 数分間で何回か脊柱管の方へ引っ張られる圧力を感じますが、そのまま我慢して時間を起きますと圧力が収まってきます。

  C側頭骨のオステオパシー
   仰臥位の患者の頭部に座り、両手の拇指で、患者の乳状突起を下から上に軽く0.5mm 〜1.0mm 位持ち上げて動きがあるかどうかを見、動きの在る方の指をそのまま固定し、動きの無い方の指をアステリオンに移動し固定し数分間おきます。

  D頸椎のオステオパシー
   仰臥位の患者の環椎の横突起を拇指と人差し指か中指ではさんで持って、右旋回し患者の耳を真上になるまで回して止めます 。
    このとき、気の噴出感や指のしびれを感じれば、右旋回に障害があることが分かります。
   今度は、左旋回し患者の耳を真上になるまで回して止めます。
   このとき、気の噴出感や指のしびれを感じれば、左旋回に障害があることが分かります。
   この方法で自分の手指一本ずつ下へ下がって行くと、第2、第3、第4、第5、第6、第7頸椎までの全部の頸椎の検査と治療ができます。

   特に第4頸椎の右回旋と、第6頸椎の左回旋が曲がりやすく障害があるはずです。

  E仙骨のオステオパシー
   うつ伏せの患者のS1〜S6の仙骨をひとつずつ触りながら足を引き寄せます。

   特にS3を触りながら左足を引き寄せたときに障害があるはずです。

他者の意志を支配しようとする脳性麻痺の因子は、蝶形骨の外回旋として記憶されています。
胎児の形成とともに、蝶形骨に記憶された因子は、第4腰椎と後頭骨を形成し、
第4腰椎の因子が第2頸椎と第7頸椎と第1腰椎を形成し、後頭骨の因子が第3頸椎と第4頸椎と第5頸椎と第6頸椎を形成します。
新生児として生まれますと、外界への緊張が起こり蝶形骨に記憶された因子から側頭骨と仙骨と胸椎に障害が起きます。

 

2000年5月6日

 

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