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           Q&A   NO.7

Q9.年中と年長の子供たちを扱っている幼稚園です。今年年中に入ってきた子どもたちの中に突然他の子に手を出す子がいます。どのように対処すればよいでしょうか。

A.保育所の子どもたちを観察していますと、1才〜3才児で他の子に噛みついたり、たたいたり、他の子の持っているものを取り返したりするこどもがいます。
これは、自分の怯えや他者の怯えや神経症が意識に上ってきますと、自分の身体を守るために他者に一定の意識や行為を持たせようとするために起こる防衛的行為であり、行為障害と呼ぶべきものなのです。

行為障害がありますと、他者に怯えや神経症がありますと、他者の楽しい気持ちやしっかりと生活している気持ちが聞こえなくなりむかつきが起こり、他者に一定の意識をもべきだと要求したり、手を出したりしてしまうのです。
いじめを行う子供たちの多数には行為障害が起こっています、また、いじめをされた子供たちの多数にも行為障害が起こっているのです。(残念ながら日本の教師の30%は行為障害が深いと考えられます)

しかし、これは、幼稚園や保育所と家庭が連携して取り組めば殆ど治癒することができるのです。

T行為や行動の特徴

 @噛みつく、たたく、ける、怒る。
 A他者に〜をさせようとする。自分で仕切って遊ぶが一定の除外者を作り出す。
 Bある意味で正義感が強い。(他者の正義感を理解できていない部分がある)
 Cお昼寝をしない、又はお昼寝が浅い、場合は障害が深いと考える必要があります。(保育所出身の子供たちはお昼寝の習慣ができることが多いのですが、一般家庭ではお昼寝の重要性にまだ気づいていないために、夜泣きがおさまってしまうと、眠りが浅いことが障害を現していることに気づけない状態になるのです)

U身体的特徴

 背中が丸まっている(胸椎と頸椎に前傾が強い)

V治療と対策

一般教育の方法(意識への働きかけ)としては次のように順番を追って取り組みます

1.導入

  このタイプの子どもは、先生が子供たちを集めるときには集まるのですが、先生の感情の中に怯えを見つけますと、自分勝手に騒ぎ始めたりして収拾がつかなくなったりします。。

  保母はその子を叱らないようにし、常に正面からその子の目を見て話すようにします。
  叱ったり、目をそらしたりしますと、その子は先生の恐怖と怯えを見抜いてしまい、先生を馬鹿にするようになります。

  自由遊びをしているときに観察していますと、その子の体が喜んでやっていることと苦しんでやっていることの差が分かりますので、喜んでやっていることはほめ、苦しんでやっていることは無視します。

2.聴覚を開く

  @自分の喜びを意識できるようにする
    わらべうたでは    いちばちとまった、ジージーバー(黄色の布を使う・紫に対するアレルギーを取り除く)
    絵本では       コロちゃんのおさんぽ  エリック・ヒル  評論社、   でてこいでてこい  林明子  福音館書店、

  Aお友達の喜びを意識できるようにする
    わらべうたでは    いっぴきちゅう、ひらいたひらいた、等
    絵本では       もこもこもこ  谷川俊太郎・元永定正  文研出版、    まるまる   中辻悦子  福音館書店、
                てんてんてん  和歌山静子  福音館書店、

3.視覚を開く

  @環境を意識できるようにする
   わらべうたでは    たけのこいっぽん、チュウリップシャーリップ、おちやをのみにきてください、等
    絵本では       おーいおーい  さとうわきこ  福音館書店
、   キャベツくん  長新太  文研出版、
    キミ子方式では   色づくり

  A自分と他者の区別を意識できるようにする
    わらべうたでは    えんやらもものき、等
    絵本では、      どろんこおそうじ  さとうわきこ  福音館書店、    おかえし  村山桂子・織茂恭子  福音館書店、
    キミ子方式では   にんじん
    詩では       めのまどあけろ  谷川俊太郎  福音館書店、

  B他者に対する自分の気持ちをまとめられるようにする
    わらべうたでは    たんぽぽ、なみなみわんわちゃくり、等
    絵本では       のせてのせて  松谷みよ子・東光寺啓  童心社、  14ひきのあさごはん、
    キミ子方式では、  イカ    
    詩では        せっけんさんがすべった  めのまどあけろより  谷川俊太郎  福音館書店

  C他者に起こる恐怖や怯えを自分の気持ちから切り離すことができるようにする
    わらべうた・オィリュトミーでは   ねこのおいしゃさん、等
    絵本では       めっきらもっきらとおんどん  長谷川摂子・ふりやなな  福音館書店
    キミ子方式では   
クレヨンによる画面分割

    詩では        おやすみ のはらうたUより  工藤直子  童話屋、

体への働きかけは次のようにします

1.導入

  その子が自分のそばに甘えてくるまではじっと我慢します。

2.マッサージ

  その子が自分のそばに甘えてくるようになったならば、「幼児のためのマッサージ」を繰り返し行います。
  その子のお母さんが自分にその子について相談してきたときに、「幼児のためのマッサージ」をお母さんに伝え、お昼寝の前と夜寝る前に必ず行ってもらうようにはします。
  お母さんには、お昼寝の重要性を繰り返し伝えましょう。

3.オステオパシー

  @腰椎のオステオパシー
   患者のひとつひとつの腰椎を、左右に少しずらしてみます、左右のずれに差がある場合はずれの大きい方向に少し力を加え数分間静止します。つぎに、 ひとつひとつの胸椎を、斜めに引っ張ってみます、そしてずれの大きい方向に少し力を加え数分間静止します。

   特に、第2腰椎斜め右上と斜め左下を引っ張り、第1腰椎と第5腰椎は、右にずらしたときにずれが大きいはずです。

  A側頭骨のオステオパシー
   仰臥位の患者の頭部に座り、両手の拇指で、患者の乳状突起を下から上に軽く0.5mm 〜1.0mm 位持ち上げて動きがあるかどうかを見、動きの在る方の指をそのまま固定し、動きの無い方の指をアステリオンに移動し固定し数分間おきます。

  B後頭骨のオステオパシー
   仰臥位の患者の頭部に座り、拇指を除く全部の指を環椎と後頭骨の接点にあてて、後頭骨全体を指 の上に乗せ、そのままで数分間おきます。 数分間で何回か脊柱管の方へ引っ張られる圧力を感じますが、そのまま我慢して時間を起きますと圧力が収まってきます。

  C肋骨のオステオパシー
   患者の肘をとり、肩に平行に前後に動かし、上方と下方に動かしながら、ひとつひとつの脊椎骨と肋骨をゆっくり触っていきますと、肋骨の歪みが治ります。

怯えから自分を防御しようとする行為障害の因子は、側頭骨に記憶されています。
胎児の形成とともに、側頭骨に記憶された因子は、第4肋骨と第9肋骨と第11肋骨を形成し、
第4肋骨の因子が第2腰椎を形成し、第9肋骨の因子が第1腰椎を形成し、第11肋骨の因子が第5腰椎を形成します。
新生児として生まれますと、外界への緊張が起こり側頭骨に記憶された因子から後頭骨に障害が起きます。

第2腰椎と第1腰椎と第5腰椎から胸椎と頸椎の前傾の指令がでます。

思考意識としての行為障害は、後頭骨の障害から小脳と腸骨に歪みが起こり、小脳と腸骨から思考意識への情動として起こります。

 

2000年5月7日

 

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