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 この方法で「ひらいたひらいた」を歌いますと、前進し体を小さくするときに、胸郭が収縮し、後退し体が立ちそりぎみになると、胸郭が拡大します。
 したがって、自然に呼吸することを教えることができるのです。

 また、この歌が、呼吸のリズム(鼓動のリズムの2倍の早さです)と一致しているために、肉体的な呼吸とともに、「他者の気持ちが自分の心に入り、それに対する自分の気持ちが自分の心に入る」という心の呼吸が起こるのです。

 鬱病を持っている子どもにとっては、お友達や先生や両親の「苦しみや悲しみ」は、心に流入しやすいのですが、「喜び」が流入しにくい傾向があります。
 神経症を持っている子どもにとっては、お友達や先生や両親の「苦しみや緊張」は、心に流入しやすいのですが、「喜び」が流入しにくい傾向があります。
 他者の喜びが流入するようになりますと、これらの子ども達が自分で自分を慰めることができるようになるのです。

 鬱病、神経症を持つ前の子どもたちには、他者の「苦しみや悲しみ」が完全には流入していない、という現実があります。
 そのために、自分の感情で相手の気持ちを推し量ってしまうために、誤解を起こしやすいのです。
 これらの子ども達も、「ひらいたひらいた」を歌いますと、だんだん素直になってきます。

 いずれにせよ、「ひらいたひらいた」によって、心の呼吸を教えることの大きな意味をご理解いただければ幸せです。