ー終焉を前に―



世界を巡って、秩序と混沌が争っていた。

秩序の神の一柱、邪神シャスは
己の魔力を込めた神器「ダークマスク」を作り出し、それを被った人間をどんどん支配下においていった。
このまま己の信者を増やし、世界を掌握しようと企んだのだ。

邪神の下僕であり、ダークマスクの犠牲者第一号であるダークマスク教(ダークマスク連盟ともいう)司教の活動により、
世界は徐々にダークマスクと邪神シャスに染められつつあった。

しかし、世界にはそれに抗う混沌の勢力も存在した。

混沌の勢力には、具体的な神や指導者はいない。
なぜなら、彼らひとりひとりが神には及ばなくとも人間の範疇をはるかに超えた力を所持しているため、
強大な存在を崇め力を分けてもらう必要がなかったからだ。

彼らには、具体的な目的はない。
別に自分たちが世界を支配しようという野心もない。
ただ、世界がたったひとつの秩序によって支配されることを阻止するためだけに集い、行動している。

彼らは、今まで様子を伺ってきた。
ダークマスクがどれほどの力の持ち主か、見極めようとしていた。
そして、彼らは決断を下した。
……ダークマスクは危険だ。このままでは、世界は悪しき秩序に染められてしまう。

しかし、ダークマスクを阻止するには、彼らはバラバラすぎた。
結果、効果的な抑止策を打ち出すことが出来ないまま、世界は徐々に黒く染められていった。

両者の争いは、このままダークマスクの勝利に終わるかと思われた。
しかし……世界そのものが寿命を迎え、滅びようとしていることが判明したとき、事態は急変した。

世界の掌握より先に滅びを迎えてしまうことを恐れたダークマスクは、ひとつの強硬手段に訴えた。
……高い素質を秘めた人間を生贄にし、邪神を世界に降臨させる。

邪神の力を目の当たりにした人間は、マスクという媒体なしでもたやすくその支配下に入れることが出来る。
邪神降臨の儀式が成功すれば、世界の滅亡より先に邪神が世界を支配することが出来る。
そうすれば、例え世界が滅びても、その世界に存在していたモノ全てが邪神の所有物となる。
司教は生贄となる人間を見繕い始めた。
そして、平民服とダガーをこよなく愛するひとりの少年に狙いを定めた。

程なくして、混沌の勢力も動き始めた。
生贄とされるべく見出されてしまった哀れな少年を邪神の魔の手から守るため。
そして、あわよくば自分たちの勢力に引き込むため。
混沌の勢力は「ゲテモノ」の異名を持つひとりの悪魔を送り込んだ。


果たして、どちらが少年を手中にするのか。
渦中の少年は、己を待ち受ける残酷な運命にどう立ち向かうのか。


……その答えは、この先に。



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