序章 ―旅立つ者たち―



 「最後の鍵の守護者」 それは魔界への扉を開くことができるほどの強い魂を持つ者。
そして、先の皇帝が開けてしまった扉を封印することの出来る者。


 魔道を封印し、国に平和をもたらさんと立ち上がる少女。
揺るぎない信念と燃え盛る勇気を胸に秘めし戦士・セティ。

 果てしなき戦場へ赴かんとする姉を援け、支える少女。
無限の愛を惜しみなく振りまく優しきセティの妹・シャロル。

 魔族により滅ぼされし帝国の貴族の娘。
魔王を倒し帝国の再建と家族の仇を取らんとする少女・エル。

 幼き頃よりエルを守ってきた使用人の少年。
何よりもエルのことを気に掛け、彼女を守りぬかんと剣を取る戦士・ガライ。

 失われし召喚術の使い手を父に持つ少年。
十数年前魔道に赴いたまま帰らぬ父を捜すエルフ・セロカ。

 魔族の襲撃により滅ぼされた村の、たった一人の生き残り。
晴れることのない絶望を背負ったまま、魔道を彷徨う少年・アイーク。


 魔道の底で魔王は待つ。「最後の鍵の守護者」の訪れを。
 魔道の底で魔王は笑う。「最後の鍵の守護者」の破滅を企みて。


 正義の剣を振るい、闇を切り裂く神の使徒。
人々に希望と安らぎを与え、世に光をもたらす選ばれし勇者。

 志半ばに斃れし者の無念を継ぎ、復讐を果たす冥界の使い。
仇成す者に絶望と恐怖を与え、終わりなき闇へ突き落とす復讐者。


 光と闇の交わるところに「最後の鍵」は眠る。
 引き裂かれし半身が出会うところに、「最後の鍵」は現れる。


 そして、今日も魔道は口を開ける…

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