最適なタイミングに最適な燃料を、そして点火。
コンピュータの導入によって、こまやかなエンジン制御を行うことが実現できる。
エレクトロニック・コントロール・ユニット(ECU)には、まだまだ可能性が秘められている。
この10数年で、格段の進歩を遂げたコンピュータだが、自動車制御の面から見てみれば、ハチロク時代のECUも捨てたもんじゃない。
低価格で人気のフルコン「フリーダムコンピュータ」もとりあげてみる。



コンピュータセッティングは、エンジン性能を更に引き出すチューニングだが、エンジンのもつ性能以上の性能を発揮することはできない。
まずは、メインとなるエンジン、そして、補器類が正常に動作していることが必要条件となる。

自分が、コンピュータセッティングに手を出したのは、自分のハチロクがTOOLBOXのコンプリートエンジンに載せ替えたばかりなのに、載せ替えたとたんに原因不明の突然のエンジンストールや、ハンチング、トルク不足に悩まされていたからだった。
自分の場合は、いきなりECUに手を出してしまったが故に遠回りする結果となってしまったが、本来なら、スロットルポジションセンサーの位置であるとか、バルブタイミングであるとか、基本となるエンジン自体に問題がないか、そういう部分のセッティングを見直すことが先決となる。

エンジンを組んだ TOOLBOXでは、このコンプリートエンジンの調子が悪いため、何度か対応してもらったが、結局、原因はわからずじまいだった。
後日、ガレージアネックスで見てもらった際、スロットルポジションセンサーの位置がずれていたことが判明したが、これは、ストールやハンチングといった症状を改善させるために、TOOLBOXでいろいろと調整した結果だったのかもしれない。(もちろん、最初は、正規のポジションにセッティングされていたのだろう、という意)
ガレージアネックスにも、エンジンの復調を期待していたが、ECUをテクトムの追加基盤から、ノーマルECUに変更されてしまったため、本当の意味での改善には至らなかった。
アネックスでも、さすがにバルタイまでは疑っていなかったようで、「ここまでが精一杯」ということで引き上げざるを得なかった。

TOOLBOXでは、コンプリートエンジンには、IN側264度、EX側264度のハイカムが組み込まれてあり、1mmのガスケットによるプチハイコンプエンジン、という仕様。
コンピュータはもちろんTOOLBOXオリジナル品が存在していたが、ノーマルECUでも問題ないとのことで、ノーマルECUを使用していた。(参考までに、オリジナル品−おそらく追加基盤タイプ−を借用して試してみたが、症状は改善されなかった)
点火時期は、デスビ本体を進角させる方向にまわし、全体的に早めるようなセッティングを行っていた。
この調整方法は、ハイオクガソリンを使用する前提であれば、さほど影響をおよぼすとは思えないが、あまり好ましいセッティングであるとは考えづらい。
スロットルポジションセンサーであれ、点火時期であれ、ノーマルを0地点としてしっかり調整した後で、ECUによるセッティングを行うべきであったと思う。

結論から言ってしまえば、このコンプリートエンジンは、「バルブタイミングがあり得ない数値だった」ために諸処の問題が発生していたことが、後のコシミズモータースポーツ(KMS)の診断で判明した。
いくらECUでセッティングしようとしても、基本のエンジンセッティングがしっかりしていなければ、ダメなのである。

今回のケースでは、ECUチューニングに付随して、いろいろと勉強した。
バルブタイミングがくさいナ、と感じたのも「バルブタイミング(グランプリ出版)」という本を読んだからだった。
自分で散々あがいていたが、もう手に負えないと半ば投げやり状態になり、車を降りる覚悟で、KMSにバルタイがあやしい事を告げ、4スロ化を依頼。付随して、フリーダムコンピュータのリセッティングを依頼した結果、改善した。

エンジンが好調(というか普通の状態)を取り戻すまでに要した時間はおいておくとして、使用したコンピュータは、以下のようになる。

 1.ノーマルコンピュータ(10数枚)
 2.CUSCO EFEコンピュータ(1枚)
 3.テクトム 追加基盤コンピュータ(5枚)
 4.E&Eシステム フリーダムコンピュータ(FC-03〜FC-03Kまで、オプション様々)(5枚)

このうち、項番2〜4において、気づいたことを記載していきたいと思う。


01 CUSCO MFEコンピュータ
02 テクトム追加基盤
03 フリーダムコンピュータ



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