ここの背景画像はまりまりさんの「いろいろ素材」からお借りしました。
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●人に歴史あり ● 「ギャラリー」
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フェルセンはウィーンの宮廷でマリー・テレーズに会った時、その母の面影を見て、震えたそうです。私の手元にあるマリー・テレーズの肖像画はどれひとつとってもマリー・アントワネットに似ているとは思えません。子供の時の写真もあまり似ているようには思えませんし、大人になってからの肖像画は一枚しか知りませんが、それは随分太ってしまい、目つきも悪く、美人の誉れ高いマリー・アントワネットの娘だと思ってみていても、「人違いではないだろうか」と思ってしまうようなものです。
フェルセンが会った時のマリー・テレーズは人格が変わってしまうほどの辛酸を舐めた後でした。にこりともせず、頑固であまり人からは好かれていなかったようです。フェルセンとマリー・アントワネットの愛は、若い頃に始まりましたが、深まって真実のものとなっていったのは革命後のことです。つまり、マリー・アントワネットが若い頃の陽気さ、軽佻浮薄さを失い、逃れようのない運命に弄ばれ強く賢くなっていった時です。
その気丈さ、染みついてしまった「不幸」が母と同じだったのでしょうか。それとも、愛する者にしかわからない、ちょっとした仕草や匂い等が似ていたのでしょうか。いずれにせよ、マリー・アントワネットは母と同じように、「幸福」を約束されながら果たされなかった女性でした。
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