hamaPatchでのモデリング方法ですが、基本的には次のような方法がメインになると思います。
輪郭を作る段階で悩むことはあまりないのですが、その両端を塞ぐ段階ではいろいろなコツが必要となってきます。
そこで、今回は両端の塞ぎ方を中心に話を進めます。
一点に集中させて塞ぐ方法は、塞ぐ面が平面のときには比較的有効な方法で、頂点の数やカーブの繋がりなどを気にしないで塞ぐことができ、いろいろな応用ができます。
基本的な手順としては、まず縁の頂点を【Extrude】したあとメニューの「モデル」-「頂点を揃える」で一点に集めます。
その後、縁の頂点から集めた点を結ぶカーブを選択し、【Peak】で鋭角にします。
これでこの面はきれいな平面になります。
この方法の欠点は、一点に集中させたといっても複数の点の集まりでしかないため、その頂点でのカーブの調整が困難であることがあげられます。
応用としては、下のような凹凸で塞ぐときに重宝します。
手順は次の通り。
縁を【Extrude】で押し出す→【Scale】→【Extrude】→【Translate】→【Extrude】→頂点を揃える
ちなみに、フロント視点で両端をX=0に揃えてから回転体で作ったオブジェクトは、塞がっているように見えてこの一点集中と同じく複数の頂点の集まりでできています。
縁の頂点を結んでいく手順は次の通り。
[A]で頂点追加→右クリックで頂点を縁の頂点に溶接→もう一方の頂点を縁の頂点に溶接
この無造作に縁の頂点を線で繋いでいく方法は簡単なようですが、実際に曲面を制御することが難しく、また予期せぬ面が内部に生じたり、面が生成されないといったことが起きることがあります。
簡単な例として下の図を見てください。
このオブジェクトの上下を塞いでいくと、塞いだ面が歪な形状となり、内部に余計な面が生成される場合があります。
頂点を結ぶ順番を変えると、また異なった形状になり、内部に面ができたりできなかったりします。
このように無造作に塞いでいく方法は、作業自体は簡単ですがその後の制御が困難ですので注意が必要です。
塞ぐ面の縁を鋭角にするときに注意しなければいけないことがあります。
普通に頂点を溶接した場合、下図のように曲線となります。
これを鋭角にしようとしたとき、頂点を選択した状態で【Peak】にすると、輪郭線のカーブも鋭角になってしまいます。
そこで、鋭角にしたい方向のカーブを選択してから【Peak】にすると、輪郭線は曲線のままになります。
溶接してから鋭角にするのは非常に面倒なので、鋭角にしてから溶接するという方法が便利です。
塞ぐ面の頂点の数にあわせて骨組みのようなパッチを作っておきます。
これを移動して縁の頂点に溶接していくことで面が張られて塞ぐことができます。
塞ぐ面を平面にする場合、あらかじめ頂点を鋭角にしてから溶接していくとよいでしょう。
以上のような方法で作ったいくつかのパーツを接合して一つのパーツにするときの注意点を説明します。
まず、パーツとパーツを接合するときは、すでに面を作っている頂点どうしを接合するのは避けてください。
ポリゴンモデラーの場合、頂点と頂点を結ぶ線は直線のみ一本しかありえないのですが、スプラインモデラーの場合は曲線で結ばれるため無数に存在します。
そのため以下のように面と面の間に新たな面や隙間が生じてしまうからです。
パーツとパーツを接合する場合は、繋ぎたい頂点どうしを新たなカーブで繋いでいく方法をとることにしましょう。
接合するときに新しく面ができることになりますが、その面は可能な限り四角形になるようにしましょう。
三角形が生じると、そこでシワができやすいためです。
2002年2月9日に、hamaPatch は Version2.4 から Version2.5 にバージョンアップしました。
そこで追加された新機能がのうち、モデリングに関するものが
選択したカーブを通るカーブを鋭角にする
選択したカーブを通るカーブを鈍角にする
の二つです。
カーブを選択してから、「メニュー」-「モデル」から選択します。
この機能を図示すると、下のようになります。
これは便利ですね。
これまでは頂点一つ一つを選択してカーブを選んでから鋭角にしていかないといけませんでしたからね。
以上でhamaPatchでもモデリングの基本的な部分の解説を終わります。
次回からはマテリアルの設定方法について解説します。