ゲッコーの鳴く夜に..。
タイ南部、シャム湾に浮かぶサムイ島はビーチリゾートにはもってこいの島だ。レンタカーを借りて島を周っても半日あれば楽に一周出来るくらいの規模の島である。島の中には何箇所か観光用途のリゾート村がある。そこそこツーリスティーだが、まだまだ田舎の面影が存在している。私と家内はチャウエン・ビーチと言うリゾート村のはずれにあるバンガローに宿を決めた。このバンガローは村の喧騒からは外れていて、とても静かでのんびり出来る場所にある。もし、村の騒ぎが恋しくなっても、歩いて20分くらいでバーにたどり着ける。
私達が滞在していたバンガローは閑散とした椰子の林の中に点在していた。その林の中にはレストランの小屋もあるし、スイミングプールもある。ビーチ側にはバーまであって、砂浜の中にバーカウンターが設えてある。夜になると椰子の林のあちこちがライトアップされて、レストランやバー、ビーチにバンガローから歩いて行き来できる。聞こえるのは椰子の木が風で揺れるざわめきと波の音、キョッ、キョッ、キョッ、というヤモリの鳴き声くらいである。あと、時々ゲッコーの鳴き声が聞こえる。ゲッコーは体長50cmくらいある大きなトカゲで、顔はいかついのだが鳴き方にとても愛嬌があるかわいいやつだ。大きな声で“ゲッコー”と鳴く。もちろん名前のゲッコーは鳴き声に由来するに違いない。ケットーと呼ぶところもある。5〜10秒の間隔で“ゲッコー”と鳴く。数回鳴くと疲れるらしく(実際、ゲッコーのゲッの発声には相当腹筋を使うような鳴き方をしている。)、だんだん鳴き方が弱々しくなって来て、最後は“ゲッ”が発音できなくて“コー”だけ言って鳴き止む。力なく“コー”と鳴き止むのを聞くとなぜかいつもクスっと笑いが誘われる。あいつもがんばってんだなぁと思わせられる。
ゲッコーの鳴き声を聞きながら、夜風に吹かれて食べるここのレストランでのディナーは申し分無かった。どれを注文しても頷くばかりである。特に良かったのは、ホー・モク・タレというシーフードの茶碗蒸しのようなものである。バナナの葉に包まれて器に入れて蒸してある。味はグェン・キョォー・ワン(グリーン・カリー)に近いのだが、それよりもっとマイルドである。今でも時々この料理を作って食べるのだが、そのたびに潮風の香りとゲッコーの鳴き声がどこからかしてくるような気にさせられる。
ホー・モク・タレ(タイ風シーフードの茶碗蒸カリー)
| 白身魚・貝・イカ・エビ・カニなど好みのもの【トータルで300g】 卵・【2個】 ハクサイ・【3枚】 スウィート・ベイジルの葉・【5〜6枚】 ココナツミルク・【2カップ】 ナンプラー・【大さじ1】 クン・ケン・キョワン(*注)(グリーンカリーペースト・市販のものでよい)・【大さじ2】 バイ・マックルー(こぶみかんの葉・無ければレモンの皮1/2個分)・【2枚】 生コリアンダー・【1本】 |
| @.魚、イカを一口大に切る。カニは殻を割って身を出しておく。エビは皮をむいて背ワタを取っておく。 A.ハクサイ2枚分をざく切りにしておく。 B.バイ・マックルーをみじん切りに刻んでおく。 C.ボールに@〜Bとココナツミルク、といた卵、スウィート・ベイジル、ナンプラー、クン・ケン・キョワン(*注)を入れてかき混ぜる。 D.ボール状の陶器に上部がカバー出来るくらいのアルミ箔を敷き、その上にハクサイ1枚を敷く。 E.DにCを入れ、上部をアルミ箔でカバーして20〜25分間蒸し器で蒸す。 F.出来あがったら上部のアルミ箔を広げ、コリアンダーを飾って出す。 *注 市販のクン・ケン・キョワンには添加物が多く含まれているので、出来れば自家製の物が望ましいですが、材料入手など少々困難なので、レシピはいずれご紹介します。GANESHのクン・ケン・キョワンは化学調味量ナシの手作り、全て石臼で材料をつぶして作ります。 |
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