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マッジーニ・モデルの製作 4 HOME

元の形

こうして、全体を見る分にはそれほど悪くは見えないのですが・・、
中心のアイ(目玉部分)が大きすぎるし、それぞれ一周ずつの高さ、
深さのバランスも気になるところです。
このままでも悪くはないのですが・・・

『立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿がユリの華』と、
昔からいいスタイルの、美人の例えに言われてきていますが・・・、
このスクロールだって、
「立てばダイコン、座ればカボチャ、歩く姿はヤマトイモ」ではいけません。

かなり・・・、大幅に修正しました。

それで、ボディからすっかり取り外し、ニスも剥がしての大改修です。


前後左右から、透かして見るように眺め、削り、またよく見て修整・・・。
鉄ノコの折れた刃を流用して その細かな部分にも手が届くように、いや道具が届くように、その細部の曲線に合うようなスクレーパーを何本かつくりました。

とりわけ、上から二番目から4本、いくらか長いもの、刃の部分が細いものが、今回、新規につくったものです。

なにしろ、折れた鉄ノコの廃品流用の、ただの材料ですから、いろいろな形、サイズ、曲線のものをつくることができます。


この写真で、似たような削りの曲線でも、刃のつけ方で、左方向へ削るものと、右方向に削るものの二種類、つくり分けてあります。
3周と違い、4周と狭い分、デリケートな、刃の角度が要求されます。
このマッジーニ・モデルでは、渦巻きが4周と、細かな分、
寧に削らなければなりません。
それぞれの部分にあてがって試し、その都度、細さやカーブを変えました。
そのどの部分にも、スクレーパーが届くよう、いろいろなサイズ、
形の刃のものが必用になるわけです。
そのため、こんな狭いところにも、しっかりとスクレーパーの手が届きました。 
上の写真で、いちばん細いものが、この部分に合うようにしてあります。
細かなところまで、刃が届くと、仕上がりもずっとシャープになります。
やはり道具、これをつくったために、外周線、それに中心部とも、いずれもたいへん具合よく削ることができ、シャープな仕上がりになりました。
今回、はじめてなのですが、エッジ部分にちょっとしたアクセントをつけました。
背面の溝は、今回、はじめてなのですが、エッジ部分にちょっとした筋状のアクセントをつけました。

こんな部分でも、じつに具合よく削ることができました。
作者は、いつも自問自答しています。

それで、いいのか、悪いのか、すべて自分が決定する必用があるのです。

チェコ製?の、このレプリカと比べて見て、
このスクロールだけを見ると、実に彫りの深いいい表情に見えるのですが、批判的な目で見ると、まず、外周の円がきれいではなく、ほんの少しゆがんでいること。そのことは、2周目と3周目にもいえます。

また、全体のバランスからしたら、中心のアイが小さすぎるように、ボクは感じています。

ただ、エッジの処理がよく、非常に彫りが深く見えています。
レプリカと比べてみて
二周のパフリングは、一周目と二周目の間の取り方が問題で、その意味では、今回は「大失敗」といわざるを得ません。

コーナー部のバランスが、とくに悪かったのです。

ネックは,削り直したので、まぁまぁでしょうか?

指板もつけ直しましたから、ニスのあとから削り直してあります。

とりあえず・・・、完成写真です。
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