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キルテッド・メイプルの 小型ヴィオラ 2. HOME
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側板のアッセンブリー (リブ材の曲げから)
手づくりアイロンで
久々に手づくりアイロンを出して撮影したのだが、以前、このHPに出した小さな写真を思い出し、ここで、あらためて新しく撮し直すことにした。

このホームページをアップした当初は、アナログ接続のピーヒャラヒャラ。
ファイルサイズを小さくしないと、「重たくて、全画面が表示されない」と、読まれなくなってしまうからだ。そのため、必要最小限のサイズでアップ。
光接続で、つなぎっぱなしの今から思えば不思議な感じさえする。
既製品のアイロンで
こちらは、近年、ゲットした既製品のアイロン。
固いカエデ材だけに、この既製品と手製のものと差をテストしたのだが、それほどの差は感じられなかった。

朝日がブラインド越しに木もれ陽になっている。
この木もれ陽は、ブラインドの吊ってワイヤーの穴からのもので、
この朝の空気感が感じられ、とりわけ好きだ。


リブ(板厚1.5〜1.6mm)に、裏板を貼るためのライニング(板厚2mmの接着補助材)を、濡らしてからアイロンで曲げ、しっかりと貼りつける。

竹製の洗濯ばさみが、このクランプにはとても具合がいいのです。

多くの製作者たちは、ライニングを貼ってからテーパーを削っていますが、ボクは、貼る前に板の上に載せ、そのエッジを利用して、
カンナで削ってから貼っています。
周囲には、パフリング(インレイともいうし、黒・白・黒の象嵌のこと)の
溝を彫り、パフリング材を熱して曲げたり、
ぴったりとカットしてニカワで貼り付ける。

その後で、エッジ周辺の板厚をもう一度チェック。

裏板の周囲にはバフリングを施すが・・・、

いつものことながら、一、二箇所気に入らないところが出てくる。

ネックのスクロールを彫刻

製作者の技量の見せ場なんだけど・・・、

ここでも、まだまだ小生は未熟。

スクロール(渦巻き)は、一周を何段階かに分け、ノコギリと半丸ノミを使い、少しずつカットしていく。

上下、左右から見ても・・・、

裏・表の両面から見ても、均等に、バランスがいいように削る。
裏板の内側を所定の厚さに削るのだが、
固い素材だけに、ドリルスタンドに7、8mmのビットをセットし、
さらにストッパーで、最低でも5、6mmの厚さは残るように設定して、
ご覧のように無数の穴を空ける。

そうすることで、彫る深さの目安になるし、彫りすぎる失敗もなくなる。

その後は、豆カンナとスクレーパーを使い、
キャリパーで量りながら、丁寧に板厚を決めていく。

周辺部2.5〜2.8mm、中央部4.0mm程度。

このキルテッド・メイプルは実に固い!
表板の外形抜き
削り台にセットして、おおむねのアーチをつけて削る。
正しいアーチングは、ご覧のようなカーブ・ゲージを使い、
逆光線で隙間を見ながら、できるだけ正確に削っていく。



このゲージには、当然、天地が有り、ただいまの左が上(ネック側)、
右が下(エンドピン側)になっている。
また、反対側の上が裏板用としても使えるコンバーチブルな仕組み。
これで、なんとか一台分のヴィオラ部品の、主だった部材のすべてがそろったことになる。なんとなく、先が見えてきた感じで嬉しい!
いつも、表板を削っていて思うことだが、美しいフォルムを目指して
彫刻のトルソーをつくっているようにさえ感じている。

早朝から工房に入り、外から入る朝日に透かして見たり、
ほぼ、真横からくる光が、一段とフォルムを強調して見せてくれる。

自画自賛するようだが、本当に美しいフォルムだと感じている。

そのためか、いつもより余分に撮影し、掲載しています。
ネッ!

表板も、パフリングを入れれば、ますますよく見える。

いつものことながら、表板を貼る前にボディにネックのホゾ穴をカット。
表板がない分、正しく正確にネックを転写し、彫ることができるからだ。

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