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キルテッド・メイプルの 小型ヴィオラ 1. '14.4 |
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一昨年、アメリカのネット・オークション e-Bay で落札した北米産・キルテッド・メイプルを使って、自分用の小型ヴィオラを新作。
この遊び心たっぷりのカエデ材については、こちらに詳細を記載、ぜひ、ご参照下さい。
基本設計?・・・とはいっても | |
どんな形の、どんな大きさにするか? 今までつくったヴィオラは、何台も、数多くつくることはないことから、 テンプレートの型はすべて厚手のボール紙。 そしたものの中から、ウェストをほんの少し削ったり、 下半身もスマートに、 という具合に、自分の好みで僅かずつ修整。 そうやってできた1/2の型を、大きな紙に左右に展開して描き、 全体としてバランスよく見えればOK! 片側だけよく見えても、全体感はまた異なるから、そのためのチェック。 そして、カラーボックスに使ってあったいベニヤ(廃品の2.7mm)を使い、 テンプレートとしての型をつくった。 |
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使う素材は ・・ 個性的な裏板の斑模様 = キルテッド・メイプル | |
こちらは、以前、ヤフオクで落札した東欧製?の古いもの。 これはこれで、たいへん味わいのあるカエデであり、素材、音色、 古さとも、小生のお気に入りの一品!! |
こちらは、アメリカのネット・オークション e-Bay で買った 中国製の新作・キルテッド・メイプル。 いずれも、筆者のコレクションになっている。 素材の斑模様が、ちょうどキルティングのようなところから、 この名前がついている。 |
こちらは、富士山のカエデで、いわゆるスパルテッド・メイプル。 このスパルテッドとは、木が生きている間に体内に真菌という菌が入り込み、その菌糸や酵素の働きなどで、こんな斑模様がでるのだという。 指物師や高級家具にある「黒柿」なんかと同様、きわめて珍しいもの。 ましてや、普通のフィドラー・バック(平行模様の虎斑 = ヴァイオリン杢)ではなく、特徴的であり、個性的であることは言うまでもない。 これと同じような斑模様のカエデが北米にもあり、驚いた。あちらのネット・オークションでは、ギター向け用途の他、食器やライフルの台尻、 ハンド・メイド・ナイフの柄ほか、いろいろなサイズの物が売られている。 |
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北米産・キルテッド・メイプル ワシントン州の製材所からの出品 この業者さんは、ソリッドのエレキ・ギターにどうですか、というのが売り。 樹種としては、どうやらビッグ・リーフ・メイプルの一種らしい? |
右と同じ木だが、少し小さめでヴァイオリンか小型ヴィオラ向き。 |
今回、このページに使ったもの。 |
こちらは、カーリー・メイプル カーリー・ヘヤーの[ curly ]で、巻き毛のような斑模様という意味でしょう。 |
これはスパルテッド・メイプル。 菌糸がつくる模様だから、形や色合いも、 ひとつひとつがまったく異なっているのが特徴。 |
やはり、たいはんがギター用として出ている。 平均して赤っぽいのは、冷たい湖底に水没しているものを引き上げたもので、その土の色の影響を受けてチョコレート色になっているようだ。 |
Water Salvaged Flame Maple Luthier Instrument
Wood .. These pieces of lumber are part of a tree that was unearthed during a housing construction project and it was Salvaged and has been stacked and stickered for over 10 years in a barn. It is now available to the public in this auction. One of a Kind pieces a very limited quantity. Super reflective with excellent Chatoyance and with the time underground in saturated soil changed the color to beautiful chocolate color. Now dried to approx. 8% Moisture content. the Surface is planed and Ends waxed.. Satisfaction Guaranteed! Ready and Waiting for Your Artistic touch... Buzzsaw International Co.Lim Randle, Washington, United States |
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エレキ・ギターに使った使用例 | |
黒檀との組み合わせで、アーティフルな作品になっている。 |
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このように、実例を見せられてしまうと、ギターをヴァイオリンに置き換えて考えても、個性的なものになる。 |
ギターを弾けなくても、一台ぐらい持っていたいデザインだよね。 |
少なくとも、ネットで検索しても、まだ、他の日本のヴァイオリン製作者たちは つくっていないはずだから、その意味でも特徴的なものになるはず。 |
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指板の貝のインレイも見事! |
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オリジナルの小型ヴィオラ |
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今回、初めてのことだが、内型用に北海道産の間伐材のシラカバでつくったという ベニヤを手に入れ、使ってみた。 今まで北海道では、シラカバは伐採しても燃やすしかないという雑木扱い。 それをいろいろと研究して製品化した業者のことがテレビで紹介され、 それならと、ネットで検索してゲットしたもの。 シラカバは照葉樹のためか、ラワン・ベニヤのようなバリがでないし、 木肌が白いせいかきれいで良い。 ちなみに、コスト的にはラワン・ベニヤより少し高くつくが、エコ的だし、 使ってみて、決して使いにくいものではない。 |
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ここでつくる内型には、10mmと、18mmのものを組み合わせて使うことにした。 実際に使うときには、中間に12〜9mmほどのスペーサーをかませて使った。 |
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きれいにできたけど、やはり、真っ白なので、汚れ防止にニスを塗ったり
リブがあたる部位(ニカワで貼ってはいけない場所)にはロウを溶かして塗った。 |
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内型にブロックを圧着 | |
新しくつくったウッドのクランプも・・・ここで登場。 |
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リブ材もつくる | |
上のテンプレートは、不用でバラしたカラーボックスの薄いベニヤ(2.7mm)でつくった。 |
リブ材は1.5〜1.6mmほどの厚さに仕上げたいのだが、やはり固くて作業が大変だった。 |
裏板の外形抜きをして、表面のアーチングが済んだところ。 ネックも、ネック材から段取らなければならなかったが・・・、 不幸にして、十数年ぶりに右手人差し指をケガしてしまい、病院通いするはめに。 |
でも、それは好きなこと、包帯をしていてもやれる作業はやり、
できる作業は進めた。 |
冒頭、「アメリカのネット・オークション e-Bay で落札」と書きましたが、これらの大半は「Buy it Now(すぐに買う=即決)」扱いのものでした。 |
2014年4月18日
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