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2012 日本バイオリン製作研究会・春の展示会参加 5月26〜27日 | HOME |
今年は、重いチェロを抱え、昨年同様、市内から乗ることができる東名バスでいってきました。
ヴァイオリンから比べて、ケースとその大きさ、重さを、身をもってチェリストのたいへんさを認識した次第。
*退会の記述は末尾
フィッティング | |
沼津駅北口からの始発の高速バスだが、 当市、裾野までは246号のバイパスで客を乗せながらきて、 ここ、裾野インターから東名に乗ります。 私は、昨年同様、裾野市民文化会館のバス停から乗車。 バス停の近くの空き地に富士急バスの指定駐車場があり、 無料ですから、二日がかりの泊まりでも、駐車料金の心配はいりません。 昨年の春は、雨にやられましたが、今年は快晴。 6時29分発で、まだ、太陽は大地までを照らしてはいません。 富士山の上部だけが明るく輝き、気持ちのいい夜明けです。 ちなみに、バス会社にチェロの荷物代について伺ったのですが、 とくに、料金はいらない・・・ということで、 ですから、肩身の狭い思いをして、いちばん後ろの席に座りました。 |
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去年、来ているので、道順や場所に迷いはありませんでしたが、 ただただ、肩に食い入るチェロ・ケースが重い。 バスが、渋谷で事故渋滞にあって1時間ほど遅れたため、 開始のオリエンテーションには間に合わなかったのですが、 開場は10時なので、その意味では全然問題はありませんでした。 ヴィオラの試奏は会員の石川 暁氏。 この写真のヴァイオリンの演奏は、 昨年同様、三澤祐美子さんとピアノ伴奏が大背戸亜紀子さん。 翌日の演奏はVn.星野美葉さん、P.金沢恵理子さん、 そして、Vclは、.三森未来子さん、P.船橋泉乃さん。 今年は、二階席から写真を撮りました。 |
この、池袋の自由学園・明日館での演奏は実に音響効果がいいのです。 自由学園は、1921年(大正10)、教育者の羽仁吉一、もと子夫妻が創立。 その自由学園の校舎として、 アメリカがの巨匠フランク・ロイド・ライトの設計により建設されたもの。 敷地の南側に建つ講堂は遠藤新の設計で、昭和2年(1927)に完成。 生徒数の増加により、中央棟のホールでは手狭になったため、 第5回本科卒業生の父母の提案により、 当時、テニスコートとして使用していた場所を敷地にあて、 この講堂が完成したものだそうです。 ともかく、天井の構造がおよそ140度くらいの鈍角に広がり、 壁ともどもシックイのスタッコ仕上げ、 床は板張りですから、木のぬくもりも感じられます。 そのためか、とくに二階の客席までの反響もいいのでしょう。 ヴァイオリンの音が、特別大きく聞こえます。 もちろん、演奏者の腕もいいのですよ。 ヴァイオリンの、試奏の共通曲がブルッフの「協奏曲・第一楽章より」ですが、 この曲は、ヴァイオリンの、音出しの試奏にはぴったりの曲ですね。 |
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これは、浜松の木村さんの作品。 私と同郷の、本会への紹介者・野田翁が、 私の次の年に紹介して入会した方。 会員になる前に、我が家にも一度お越しになっているし、 また、ご一緒に野田さんのお宅にもお邪魔している、 いわば、同門といっていいようなお仲間。 奥さん、妹さんたちと遠路、車で来ていました。 この写真の楽器、彼はリラ・ギターといっていましたが、 器用な彼の作ですから、本当にきれいに、良くできています。 前にもってきて見せて貰ったときには、この2/3ほどの大きさで、 これは、そのオリジナルの二号器だそうです。 でも、弾いてみた感じでは・・・、 やはり、ヴァイオリン族から比べると声量はありません。 ということで、こちらの作品はヴァイオリン族ではないので「参考出品」でした。 |
![]() こちらは、以前、行ったことがあった浜松の楽器博物館の、 図録Uの中に収録されていたリラ・ギター。 左は、ロンドンのハーレイ作、1810年頃のもの、7弦。 右は、パリのプレイエル作、1809年、6弦。 |
![]() 木村さんのものには、ネックのヘッド・弦巻き部分が無いので、 古楽器の復刻(レプリカ)というよりも、 むしろ『創作楽器なんだ』、とご本人はいっていました。 こちらは、5弦です。 フレットは、間隔を細かく計算して、小数点以下の精度で刻み込むので、 気が遠くなりそうなほど、手がかかっています。 |
このヴィオラも木村さんの作品。 後ろの白木の作品は、390mmのヴィオラ。 手前は、430mmのヴィオラ。 両者とも、つくりはもう、ベテランのつくりです。 試奏では、やはり大きい方は低弦の響きが抜群でした。 |
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こちらがチェロの.演奏者の三森未来子さん。 昨年同様、早く来て、試奏する前のチェロを、全部、調弦したり、 試し弾きしたり・・・。 こちらの作品は、先輩・会員の谷口氏のマッティオ・ゴッフリッラー・モデル。 面長の瓜実顔という感じで、細面の表情は始めて見る形。 ニスは、少しオールドっぽく仕上げてありました。 |
谷口氏のマッティオ・ゴッフリッラー・モデルの特徴は、 C部の幅(インナー・バウツ)が、やや狭く、そして長く広がりっています。 エフ字孔の中央部も、左右がほぼ平行に下がっています。 普通の場合、エフ字孔は左右がややハの字になっているように見えます。 次につくるチェロは、絶体、このモデルにしようと考えたほど、 お気に入りのモデルになりました。 |
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![]() 中央が、生まれて初めて、多くの他人の目に触れた、小生の作品。 ヘンリー・A・ストローベル氏のストラド・モデルです。 |
![]() 良い作品を見るだけで、大変、勉強になりした。 |
会場のせいか、どの楽器も良く鳴っていてほとんど差が感じられません。 テレビでやっている、ストラドと、レッスン生向きの安物の、ブラインド・演奏だってボクには聞き分けできません。 テレピの場合は、その機種に使われているスピーカーシステムの、性能や特性の依存度が高いのですが、 こうした場で、プロが弾くと、なぜか、まったく違いが感じられません。 小生、やはり三流の製作者なのかしらねェ〜! 昨年、会場近くのビジネス・ホテルに立ち寄り、支配人から名刺をもらっておいたので、今年はそこを予約し、泊まった。 |
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『意を決して脱会』 2013.4 春の展示会にしても、秋の研究会にしても、高齢化している会員同志のせいか、非常に閉鎖的であり、 先輩たちにちょっとした質問をしても「それは、・・・」と口をにごした答えしか返ってこない。 やはり、アマだけではなくプロやノンプロも会員としていることだし、どうやらそれは、当会の前身であった日本弦楽器製作者協会のなごりらしい。 ともかく「それ以上は企業秘・・」というような、「只では教えたがらない」、「知られたくない」的な雰囲気。 たまたま、同期入会したT氏の発案で、ネットを利用したメーリング・リストを開設したが、ハウツー的な内容を写真入りで投稿したのは小生だけ。 本来なら、製作に関わるハウツーであれば、同好の志である限り、活発なメーリング・リストや掲示板ではにぎやかになるはず。 それが、投稿も本当に少なければ、それらに対しての反応もほとんどない始末。 まさに、打てど響かずであり、とくに小生のように地方から参加する会員にとっては旅費からホテル代まで出費して出ていっても、 はなはだ残念ながら、それに見合うほどの学習は得られないのである。 その上、秋に開催される研究会にしても、地元・弦楽アンサンブルの音楽祭出演や、リハーサル日とかち合うこともあり、参加できたのは1度だけ。 それも、突っ込んだ研究がなされるわけではなく、通り一遍のもの。 できれば、開催される自由学園には教室の数が結構あるようなので、 共鳴箱の製作はこちら、ニスはこちら、道具類やツールはこちらというように、各分科会に分かれた研究くらいは実施して欲しかった。 結果として、春の展示会だけの参加では、年会費が高いものについてしまう・・・のが、退会の主な理由。 2013. 4. 20 |
昨年の、2011 Sprin Fair | HOME |