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Woodcraft
2003年 1月

木工の楽しさ・おもしろさ
 No.1-2
BGMは、市の音楽祭で仲間達と演奏したリロイ・アンダースンの[The walzting Cat]です。
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     02年、暮れも押し迫ったあるレッスン日でのこと。

先生、『すみやさん、ごめんなさい、頂いた譜面立て、壊しちゃって・・』と。 (これは、譜面立て その1です。)

見ると、脚の付け根に不具合ができ、倒したときにできた傷が2、3カ所程度。

『ヴァイオリンなら、割れた表板を修復したことがあるくらいですから、この程度は壊れたうちに入りませんよ』と、修理のために持ち帰ってきた。

もともと差し上げた「譜面立て1号」は、前ページのようにベニヤの板にエフ字孔のモチーフを空けただけのもの。

また、脚も当初は4枚脚で、見た感じもバランスがいいとはいえません。

それだけに暇なときにでも、もう少し、納得のいくものをつくらなければ・・と思っていたことは事実です。

で、今回は一枚板にヴァイオリンのネック・スクロールとほどよく唐草文様を組み合わせた「一刀彫」にしようと考えたわけです。

まずは、写真のように前回同様の外形に、唐草とスクロールをバランスよく配し、左右、中央には額縁をあしらい、 その中に我が敬愛する美人先生のイニシャルT.Y.を入れました。

それを1/2のテンプレートとして、ボール紙に描き、くりぬいて型紙に。


 

今回は、一刀彫のレリーフに挑戦













彫るのは意外に簡単!

型ができれば、あとは板に写して実行のみ。

使った板は、ホームセンターで普通に売っている10×300×910mmの、ラワンのむく板。

外形や不要なところは、あらかじめ角角の要所要所に、6mmほどのドリルで穴を空けておき、それをジグソーでくりぬいていきます。

くりぬいたものに、イメージ通りに奥行きを付けながらレリーフとなるように、平ノミや三角ノミで線彫りしたり、丸ノミで形を整えていきます。

ラワン材は柔らかくて、スパッスバッと切れ、彫るのはたいへん楽でした。

(ヴァイオリンのスクロールは、堅木のカエデで、すごく大変ですが・・・)
   

楽譜を立てる受け木は、写真のようにあらかじめL字型にカットしておき、ボンドで接着。
 同様に、立てるバーの受け木も裏側にほぞ穴をあけ、接着。
















木工ができ上がったら、いままで通りニス仕上げになりますが、今回は、少しアンティークな仕上げにしたくて、 浮き上がっている所々に金粉をほどこしました。

イニシャルだけは濃くはっきりとさせ、その他のところはボロ布につけた金粉で、半乾きのニスの上にこすりつけるようにして、 陰影を強調するようにぼかしました。

その辺は、美容師にでもなったつもりで「鼻筋を高く」とか、「ほほにふくらみをつけて」のように、カリスマ美容師のテクです。

そのためか、写真のように、ややブロンズ風な重量感ある仕上げとなりました。

ただ、惜しむらくは、素材がラワン材だったため、表面の質感が荒く、どことなく東南アジアのお土産屋さんで売っているような、 彫刻品のようにも見えたことです。

次回は、素材も吟味しなければ・・・と反省!
   
そうそう、脚部はこの前の作から、写真のようにバランスよく、少し幅を広げて大きめにした3本脚に変えています。

ですから、この写真に譜面立て部分だけを差し替えたものが完成品なのです。

差し上げた先生の反応はどうだったかって?
 
それはそれは、もう・・・
 
『私のイニシャル入りで、世界にただひとつの譜面立て、嬉しくて、うれしくて・・・
 
彫刻に、とてもやさしさと暖かさを感じます』とたいへんに大喜びしていただきましたよ (^o^)
 
まぁおよそ、弟子からいただいた作品を、頭ごなしにけなす師匠はいませんから、読者の皆さんはかなり割り引いてご覧下さいませ。





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