人類史に疑惑?(1)
今回から暫くは、人類史について妄想と期待も含めて述べていきたい。2001年10月9日の日記に書いたように、人類史のみならず複数の学問の通説を根底から覆しかねない発見があった、との書き込みを読も、その後暫くは随分とそのことが気になったものである。
もっとも、その書き込みがあったのは2chなので、デマである可能性も多分にあったのだが、まあ騙されても特に実害があるわけでもないので、一つ大いに期待してみようかと思ったわけである。
さてその内容であるが、元のスレッドは、当初は完全なデマであった。2001年11月11日に、米英露の首脳が地球外生命体について合同で声明を発表するというものである。ところがその後、思いがけず「面白い」書き込みが続くようになり、私も注目するようになったという次第である。まあ2chだけに「玉石混交」といった感じではあったが、実に楽しめたものである。スレッドが終わり近くになって「面白い」部分が纏められたので、それを以下に引用する。尚、今後は、以下の纏めをαと略す。
(1)アラスカで人類の遺体と居住跡とマンモスが発見された。
(2)そこには土器らしきものがあり、大規模な定住生活が営まれていた。
(3)出土状況から、250万年以上前の遺跡と推測される。
(4)半ば氷漬けだったので保存状態がよく、DNAが取り出せた。
(5)DNAの分析・比較の結果、彼らは現在のコーカソイドと
非常に近い塩基配列であることが分かった。
(6)同時に、ネグロイドとモンゴロイドについても遺伝的なある事実が分かり、それは少なからぬコーカソイドにとって衝撃的なものである。
(7)現代人の起源について、現在優勢なのは単一起源説だが、この一連の発見で、多地域進化説が優勢になるものと思われる。
(8)それに留まらず、人類史を大幅に書き換えざるをえなくなるかもしれない。
(9)遺跡の推定年代などでまだ確証がなく、他にも配慮せざるをえない点が多々あるので、発表が延期されている。
(10)来年1月に発表の予定。
この他、複数の学問における概念・通説を根本から揺るがすような発見で、例えば進化論も見直しの必要がある、といった指摘もなされていたが、ともかく、人類史に関心がある私にとっては、非常に「面白い」内容であった。アラスカで発見されたアイスマンは、ここ100年でも間違いなく最大の発見というわけである。
ところが、英語サイトなどを読んでみると、アラスカのアイスマンの発見は、どうも全く「面白くなさそう」なのである。以下に、続きのスレッドにおけるアラスカのアイスマンについての纏めを引用する。一部日本語の変な箇所は修正した。尚、今後は、以下の纏めをβと略す。
(1)アイスマンは1999年8月にアラスカ(というかカナダ北西部)にて発見された。
(2)発見者はカナダの三人の高校教師。
(3)アイスマンの遺体は溶けかけている氷河の表面にあった。
(4)頭部は発見されなかったが、体細胞組織は良好な状態で保存されていた。
(5)帽子・武器(小刀のようなもの)・布・毛皮の服・鮭の入った小袋、といった遺物と毛髪が遺体の側で見付かった。
(6)毛髪は、肩の長さまであり、黒くて直毛。
(7)帽子から花粉、胃から少量の食物が見付かった。
(8)死因は、クレヴァスへの落下か、氷河の上で意識を失ったこと。
(9)死亡時の推定年齢は18〜22歳。
(10)アイスマンは焼却され、2001年7月23日に灰が空中散布されたが、遺物は保管された。
(11)DNAサンプルも焼却前に採取され、現在先住民のそれと比較分析されている。
(12)帽子と武器の炭素年代測定の結果は、死亡年代が1415〜1445年の間とのことだった。
(13)こうした状況での15世紀以降のミイラは、北米では発見されていなかったため、科学者達にとっては大ニュースだった。
これでは、大して「面白い」話ではないし、到底複数の学問の通説を覆すような発見でもない。だが、このアイスマンが、当初言われていたアイスマンと同じとは限らないし、まあまだ期待をしても損はないだろうと思うので、次回以降、人類史の通説と比較しつつ、αについて考えてみたい。