1、日 程
2003年 12月6日(土)〜8日(月)
2、訪問地
【第1回】2003/12/06
初めてのソウル(京福宮、民俗博物館、「南大門」界隈)
【第2回】2003/12/07
ソウルの中心「明洞」界隈、京廟、宗昌、聖徳宮、昌徳宮
【第3回】2003/12/08
雪のソウルと金浦空港の歓迎振り
3、プロローグ
今回は2003年11月30日に開設された国際線《東京・羽田空港⇔ソウル・金浦空港》のキャンペーンツアーがあり急遽参加することとなった。
韓国語(ハングル)を勉強する余裕もなく、100円ショップで「トラベル韓国語会話」を買って、挨拶だけでも覚えようと考えた。都内に出掛ける電車の中でその本を開いたりしたが、肝心の韓国行きの前日には行方不明になってしまった。100円なので又買えばよいのだが、金額ではなく何故か癪に障るので買うこともなく出発当日となってしまった。
出国までは、例によって「耳慣らし」のために「NHKのハングル講座」を聴いた。ここで覚えたのが「ありがとう⇒カムサハムニダ」だ。「カムサ」とは「感謝」と書き日本語の「カンシャ」なのだ。急に韓国が日本と文化的にも大変近いことを認識した。
4、旅行のハイライト
項 | 見 学 先 | 説 明 |
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1 | 京福宮 | 朝鮮時代の代表的な宮殿 |
2 | 民俗博物館 | 韓民俗伝統の生活を感じ体験できる文化と教育の場 |
3 | 新羅免税店 | ツアーの義務? 定番、ブランド品中心の土産店、買う物何もなし |
4 | 南大門(ナンデムン)界隈 | 1960年代の日本の露天商に似た街並み、上野のアメ横風の店々 |
5 | 場末の食堂 | 日本語も英語も通じず手振りの会話も楽しい経験 |
5、同行者
妻、長女、次女
6、旅程
日 程 [1日目]
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羽田空港
国際線 7:30〜10:00
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金浦空港 |
京福宮 &
民俗博物館 |
新羅免税店
買物 |
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12:15〜13:00
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14:20〜15:00
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15:25〜16:30
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Hotel Hilton
チェックイン |
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南大門(ナンデムン)
散策 |
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場末の食堂
夕食 |
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Hotel Hilton
帰着 |
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17:00〜20
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17:30〜
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18:00〜50
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19:00〜20:20
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[第1日目] 12/6
(1)羽田空港・国際線
(2)韓国の高層住宅群
羽田を発って2時間ほどで韓国金浦空港に近づいた。飛行機の窓から眺めると海岸から山側に向かって高層ビル群が見えてきた。日本にあるような中層住宅以外に超高層のビルが林立している。日本のどこでも見たことがない程の大規模さである。着陸後ツアーガイドに聞いてみたら「急速な住宅不足解消のため作られた住宅で、日本のニュータウンのようなところ」らしい。これだけでも、韓国の経済発展振りが伺える。
写真を撮りたかったのだが、持って来たカメラがデジタルなので「離着陸前の全ての電子機器の使用が国際的(IATA協定)に禁じられている」ため撮影を諦めた。
(3)韓国金浦空港・国際線
金浦空港の到着ロビーは大きくスッキリしていた。それにしても乗客や空港内の人影が少ない。後で分かったことだが、金浦空港も羽田と同じように今では国内線専用空港だったものが羽田と同時期に国際線ターミナルを開設したらしい。従って、ここの国際線は羽田の直行便だけなのでガラ空きなのだ。
旅行会社のガイドさんが私達を出迎えてくださり、「御一行様」は大型バスで観光名所に向かった。
飛行機のない韓国金浦空港 | 金浦のハングル | 整然とした到着ロビー |
「ソウル」とは、私を含めて殆どの日本人は「ウ」は長母音と同じで「ソール」または「ソウ」「ル」と思っている。しかし、本当は「ソ・ウル」即ち「ソ」「ウル」( SEO-UL)と呼ぶのだそうだ。私にとっては大発見(?)だ。
実は私は以前から日本の書物や地図では「ソウル」って何故漢字でなくカタカナで書かれているのかが疑問で、ツアーガイドさんに質問してその副産物として知った事なのだ。ところで、カタカナ表記なのは韓国でも「ソウル」という漢字がなくハングルだけだそうだ。
(4)京福宮
今日は、旅行社が観光地を案内してくれる。バスは空港から京福宮へ直行した。その後、民俗博物館も見る予定だ。京福宮でバスを降りると地面は自然の土のままで昔の日本のようだ。この観光地が当時のままを保存しているという意味ではこれでよいのだが、実際は整備が出来てないだけのようだ。
この宮廷を囲む塀や門がかなり立派に見える。早速、写真に収めた。
興禮門をくぐって暫くすると勤政門があり、それをくぐって暫く歩くと勤政殿がある。
広大な敷地の京福宮 | 宮廷を囲む塀と門 | 興禮門 | 勤政門 |
勤政殿の色彩は独特だ。この色は当時宮殿だけに許された色彩で一般の使用は固く禁じられていたそうだ。日本の雛人形の御殿にもこの色が使われているので印象に残った方もあるでしょう。
勤政殿全景 | 勤政殿の文字 | 宮殿だけに許された色彩 | 勤政殿内の天井周辺 |
宮殿とは一つかと思っていたら夫々の用途ごとの宮殿があるのには驚いた。先ほどの勤政殿は名前の通り政治をする御殿で次は寝室のある康寧殿、次は妃と情交する交泰殿とは少し贅が過ぎたのではと思った。男尊女卑の時代で妃は殿の寝室のある康寧殿に行くことは許されず、殿は交泰殿に行くことは出来たのだそうで、徳川時代の奥の院と同じしきたりだったのだ。
説明が終わり宮殿の出口近くに来ると緑色の屋根の大きな建物の右に五重の塔が見える、あれは何だろう。
康寧殿 | 交泰殿 | ガイドの説明を聴く | あの五重の塔は何だ |
(5)国立民俗博物館
この五重の塔まで7〜8分歩くと「国立民俗博物館」だった。全て今流に建築されたものなので建物そのものには歴史的な価値はない。入口に入ると6カ国ほどの言語で書かれたパンフレットがあったので英文と日本文のものを頂いた。 この博物館は当時の朝鮮の生活様式等を紹介していて、「王様の行列風景」や「王様と妃の人形」など奈良時代の日本のような雰囲気が感じられた。 野外展示場には1960年代の町の様子(開港期の商店、電車、居酒屋などの展示)とチャンスン、石塔、穀物袋、トルハルバン等が展示されていた。 |
当時の王様の行列風景 | 王妃と王様 | 再現・当時の民家 | 石塔とチャンスン |
項 | 展 示 館 | 概 要 | 説 明 |
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1 | 第一展示館 | 韓民俗生活史 | 各時代の生活様式と文化遺産の展示 |
2 | 第二展示館 | 生業・工芸・衣食住 | 農業を中心に穀食と農機具、螺鈿・花刻工芸、 韓国衣装の変遷、キムチの種類と材料等展示 |
3 | 第三展示館 | 韓国人の一生 | 韓国人の一生の儀式や生活様式、社会制度など展示 |
4 | 子供博物館 | 組立模型と映像 | 子供達の民族生活を直接体験できる博物館 |
5 | 野外展示場 | 1960年代の町の様子 | 開港期の商店、電車、居酒屋などの展示 チャンスン、石塔、穀物袋、トルハルバン |
(6)新羅免税店
バスツアーは定番のショッピングツアー、ソウルの中心地近くの「新羅免税店」に連れて行かれた。私達は買い物ツアーが目的ではないので「ありがた迷惑」だがここに立寄ることで安パックが成立しているのだから我慢しなければならない。どこの国の免税店でも同じだがブランド品オンパレードだ。私達はブランド品には殆ど関心がなく時間を持て余した。国立民俗博物館の見学はたったの30分で時間不足だったが、ここでは1時間もありコーナーの椅子で全く無駄な時間つぶしをした。
現地の若者は高級な雰囲気を楽しむためのウインドゥショッピングに来ているようだ。高級品を買っているのは殆ど若い日本の女性だ。彼女等は多分買物ツアーなのだろう。
(7)ホテル・HILTON
買物ツアーのあと2つのホテルに分れて宿泊することになり、私たち家族(4人)と新旧2カップルと2人連れ女性2組の計12人がホテル・ヒルトンになった。このホテルは20年前に建てられたのでやや古いが内装は綺麗になっていた。
3階には温水プール設備があり、水泳好きの次女はちゃっかり水着を用意してきており毎朝30分ほど泳いできた。
部屋は豪華 | 調度品も程よい | 洗面所も清潔 | 3階にプールの設備 |
(8)南大門(ナンデムン)周辺散策
ホテルで一休みしてから、近くにある南大門(ナンデムン)周辺を散策することにした。ホテルから徒歩で10分くらいのところにある南大門市場を散策。ここには食材や日用品を売る露天商が並んでいた。40年程前の日本の光景だ。しかし、顧客も多く活気がある。その後、狭い道の両側が店になった上野のアメ横のようなところに行ったがここも客が多く活気があった。この商店街入口は沢山の電飾でクリスマスの雰囲気を作り出していた。
露天の賑わい | 露天商 | アメ横風 | 電飾でクリスマスの雰囲気 |
(9)暗い舗道
この周辺で食事をしようとしたが中々良い店がない。周辺散策を終えて南大門を眺めながらホテルに向かうことにした。照明された南大門は綺麗だったが、全体が暗くカメラが手持ちなので巧く撮れなかったが雰囲気だけご紹介する。薄暗い舗道(ベープメント)を歩いていると韓国の白バイが停まっていた。バイクに関心のある私はつい目が止まってしまう。なんと、私のバイクと同型のドイツ製の BMW R1150-RS で、もう1台はアメリカ製のハーレー・ダヴィットソンだった。日本の白バイよりは大型で高級なものを使っている。
照明された南大門 | 白バイ BMW R1150-RS | ハーレー & BMW |
(10)韓国の食堂
食堂探しを半分諦めてホテルに向かったが、陸橋から下を見ると食堂らしきものが見えたので行ってみた。韓国らしい店なので入ってみたが言葉が全く通じない。日本のラーメン屋に入って韓国語を話すのと同じことなので当然だが、英語も通じず途方にくれた。長女が持ってきた韓国語会話の本の必要な部分を指差して少しは分かったが、我々の選びたい料理を伝えるべく、入口に展示しているサンプル写真まで長女が店の女性の手を取って連れて行き指差してやっとのことで分かってもらえた。
食事が出てからは、ご主人が大変気を遣って我々の近くに立ってホテルのボーイのようにすぐに対応してくれた。途中、キムチをおまけしてくれて「カムサハムニダ」と韓国語でお礼を言うと嬉しそうに会釈した。その後も気をよくして2度も他のものをおまけしてくれ恐縮した。最後に「トイレがどこか」と聞くとご主人自らが1階上にあるトイレに私を案内してくれて、用が済むまで外で待っていてくれたのには恐れ入った。
昔の日本人のような素朴な親切心を感じた。
韓国の普通の食堂 | 韓国料理 |
そうそう、ガイドさんの説明によると韓国では国の指導で省資源を奨励しており食堂では瀬戸物の茶碗や割り箸を使わずに「カネの茶碗にカネの箸」を使うと聴いていたが、その通りだった。しかし、「カネの茶碗にカネの箸」とは戦時中の日本の軍歌にあった通りで余りにも味気ない。また、箸が細いので持つ手が痛くなってしまう。普通の箸くらいの太さが適当と思うが「細い箸」も「省資源」の一環なのだろうか。
(11)ホテルでほっとする
外は一段と気温が下がり寒くなった。又薄暗い道を歩きホテルに到着した。ホテル内は暖かく、クリスマス飾りで華やかな雰囲気だ。この雰囲気でほっとした。
ロビー中央吹き抜けに大規模な模型があり沢山の各種列車が走りホテルの訪問客を楽しませてくれる。その模型の一部に珍しいものを見つけた。それは、線路の延伸工事をしている人形達でかなりリアリティ溢れていた。
ホテルでくつろぐ | クリスマス飾り | 線路延伸工事の人形達 | サンタと一緒 |
「初めての韓国(ソウル)の旅」第一日目は無事終了した。
明日は「世界遺産」を見に行こう。