【四方山話】  Talking about all sorts of things

「富士総合火力演習2004」

Ver.1.1 2004/08/30
Ver.4.1 2004/09/07
富士総合火力演習(戦車等待機)

1、日 程  平成16年(2004)8月21日(土)晴

2、目 的  陸上自衛隊「富士総合火力演習」の見学

3、場 所  陸上自衛隊「東富士演習場」

4、同行者  姉、兄2人

5、コース

自宅―――実家―――八王子IC―――大月JCT――――谷村PA――――河口湖IC――――
5:50  6:00〜05   6:15           6:45〜7:00
 
須走IC――――高塚駐車場――<バスで移動>―――陸上自衛隊「東富士演習場」―――
       7:40〜45             8:00〜13:25
 
――<バスで移動>―――高塚駐車場(自衛隊)――――(富士公園太郎坊線)――――
            13:10〜25
                                140km
水ヶ塚公園(昼食&散策)――――(富士山スカイライン)――――奇石博物館(見学)
14:00〜15:20                         15:50〜16:30
 
――――(白糸滝公園大渕線)――――もちやドライブイン――――朝霧高原――――
                    (Pass)       (Pass)
                 170km
(精進湖・本栖湖・河口湖)――――河口湖IC――――大月JCT――――談合坂SA――
    (Pass)         18:30             (Pass)
                                    272km
――――八王子IC―――とうふ屋うかい(夕食)――――実家(解散)――――自宅
           19:00〜21:00         21:50〜22:25    22:40

6、走行距離

走行距離・給油等データ 【 TOYOTA PROGRES NC250 】
走行距離燃  料燃  費
272Km 36.6Litters  7.4Km/L

7、状 況
 某友人が今回の招待券を入手してくださり、久々に兄弟で見学する機会を得た。私は2度ほど見学の経験があったが、今回は兄弟4人で見学することになった。
 普段は兄弟とのドライブは殆どないので、この機を利用して見学の後に、静岡県側の富士周遊道路・別名「富士山スカイライン」を通って帰宅するルートを企画した。その途中に、富士山稜線途中にある宝永山の火口が良く見える地点「水ヶ塚公園」と世界の奇石を集めた「奇石博物館」を訪問することにした。

(1)「演習場迄のシャトルバス」
 6時に実家に集合して私の車に同乗して出発、目的地の静岡県御殿場市「高塚駐車場」に7:30に到着した。もうかなりの車が来ていたが待ち時間が殆どなく演習場迄のシャトルバスに乗り込んだ。

(2)「雛壇の席」確保
 現地には8時頃到着してシャトルバスで沢山の人が送り込まれてくる。先ず場所取り合戦だ。偶然、自衛隊員が他の見学客に話している声が耳に入った。今までは雛壇は全て特別指定席で指定券の持参者以外は座れなかった。今回は雛壇を大幅に増設したらしく指定券なしでも座れるというのだ。この情報は大変重要でよい席を確保できた。

(3)好天に恵まれる
 今回の見学会は猛暑の中なので、熱射病などが懸念されたが、運良く開会までの時間は殆ど曇っており苦はなかった。10時頃晴れてきたので10:30開演には丁度良い天気となった。
 開演までの間暇なので、演習場全景と富士山頂を撮った。使用カメ ラ(CANON Kiss Digital)と交換レンズ(SIGMA ASPHERICAL IF 28〜200mm(35mm判換算45〜320mm))の威力をご覧下さい。三脚を使わずに手持ちで撮ったが殆どシャッターブレは感じられない。
 富士山頂の左下に大きな穴が確認できるが、これが「宝永山火口の一部」だ。

演習場全景
中央茶色:射撃目標1.8Km地点
富士山頂・320mmレンズの威力
左下の穴「宝永山火口の一部」
デジタル処理で火口上部を拡大
色彩も鮮明に再現

【演習前段】(10:20〜11:00)

(4)開演直後F-4EJ(改)ファントム要撃戦闘機飛来
 10:30開演直後沖縄県那覇基地・南西航空混成団第83航空隊所属のF-4EJ(改)ファントム要撃戦闘機が飛来、200mまで急降下して爆弾3発を投下。爆発。戦闘機は早くてあっという間に雲間に消えた。(目でははっきり見えなかったがデジタル処理後のF-4EJ(改)ファントムはご覧の通りバックファイアまで確認できる) 投下した3発の爆弾の炸裂音はすさまじく火炎と煙が立ち昇った。

F-4EJ(改)は320mm望遠でも点 デジタル処理済F-4EJファントム 爆弾3発が炸裂

(5)遠距離火力は音も強烈
 なんと言っても遠距離火力(203mm自走榴弾砲、99式155mm自走榴弾砲)の発射音は強烈だ。100m以上離れたところで発射するが衝撃音が腹に響く。遠距離火力(多連装ロケットシステム自走発射機)は今回実射はせず大型画面でのVTR再現だけであった。(その後のTV放送によると28日の本番演習では実射された)
 現地の解説によると203mm自走榴弾砲は米国製で、99式155mm自走榴弾砲は純国産だそうだ。99式は一見小型だが威力は劣らない。
 多連装ロケットシステム自走発射機

203mm自走榴弾砲(米国製) 99式155mm自走榴弾砲(純国産) 203mm自走榴弾砲・実射

88式地対艦誘導弾発射機 89式装甲戦闘車

各種榴弾砲同時発射(左から155mm榴弾砲FH-70、203mm自走榴弾砲、99式155mm自走榴弾砲、同左)

155mm榴弾砲FH-70は英・独・伊の共同開発。補助動力装置により自ら移動可能。

(6)中距離近距離火力の実演
 次は中距離近距離火力の実演で、120mm迫撃砲、81mm迫撃砲、96式多目的誘導弾システム、各種対戦車誘導弾、84mm無反動砲、各種装甲戦闘車、軽装甲機動車など参加して幾つかを実射して見せた。

(7)打撃力機動の90式戦車の実演で迫力を満喫
 陸上自衛隊の誇る90式戦車の実射でクライマックスに達する。
 この戦車は砲を撃つときに前の部分を低く下げてお尻を上げるような姿勢を取れる。また、路面が傾いていても車体を水平に保って砲を発射することも出来るし、路面の凹凸に影響されずに砲の角度を一定に保ちながら走行し、目標物に命中させる事が出来るという世界最高性能の戦車なのだ。従って、米国始め世界各国から購入要請があるが、日本の「武器輸出三原則」(日本は「死の商人」にはならない)という法律によって輸出が禁じられている。
 9月5日(日)TVニュースを見ていたら、「日本の「武器輸出3原則」の法律を見直すことになった」との由。今回の火力演習の直後ゆえに考えは複雑だ。

【演習後段】(11:20〜12:00)[実際は11:40〜12:20]

(8)後段は模擬戦闘
 前段で紹介された火器を使って模擬戦闘場面を再現する。戦車隊の侵入と同時に偵察ヘリコプターや大型輸送ヘリがトラック等の車両を運搬したり、ホーバリングのヘリから兵士が降下したり実戦さながらの演出をする。
 敵が攻撃を仕掛けたと想定して、反撃に転じ、陸上自衛隊の誇る90式戦車が数台で同時に発射し敵を攻撃、全て目標に命中。
 戦車からの同時発射の音はすさまじい。丹田(下腹)に直接振動が伝わってくるので、如何なるデジタル音響機器でも再現不可能なエネルギーの伝達を感じる。音圧もすさまじく音を感じる神経が切れるのではないか懸念される程だった。
 3年前に航空宇宙技術研究所でレールガンの発射実験を3回見学後、私の左耳が異常となった。診断の結果「1KHz,8KHzは聞こえるが、2KHz,4KHzは聞こえない」、医師によると「衝撃音による聴神経切断」だった。投薬甲斐なく修復不可能となった。

90式装甲戦闘車の同時発射

 ヘリコプターは戦争ものアクション映画のように急旋回や宙返りをしてみせる。偵察ヘリはともかく、トラックを載せることの出来る大型輸送ヘリまでが大きく傾けるのには驚かざるをえない。パラシュートは3000m上空から多数降下してきた。今のパラシュートは円形ではなくパラグライダーのようだ。(写真が小さいので一寸迫力を欠く事はご容赦ください)

多用途ヘリUH-60JA 観測ヘリOH-1 輸送ヘリCH-47J パラシュート降下

 左の写真は、オートバイをヘリから下ろして地上と空から偵察をするという想定で、中の写真は兵士が地上に降下、右の写真はホーバリング(宙で停止する技術)した多用途ヘリから兵士がロープを伝わって降下するというもの。

多用途ヘリから降りたオートバイ 多用途ヘリから兵士降下  ロープを使って兵士降下

 輸送機ヘリが01式対戦車誘導弾車をロープで吊り下げ搬送(左)、01式対戦車誘導弾車をおろし(中)敵対攻撃に移る。別の輸送ヘリからは高機動車を搬出(右)して即行動開始、高機動性をアピールした。

 輸送ヘリが誘導弾車を輸送 01式対戦車誘導弾車を着地  輸送ヘリから高機動車搬出

 最後の極め付きは1.5km先の空間を目標に多数の戦車から撃った弾が上空で炸裂し、その点を結ぶと富士山の形になるというもので「超高度な技術」との説明があった。

【演習関係情報】
@ 動員数 人員 約1,700名、戦車・装甲車 約70両、ヘリコプター 約30機、戦闘機 1機。

A 総費用 約5億円?(8/21&28) 8/28(土)本番演習費用3億2千万円(NHK-TV)

 印:写真提供・姉

  富士山下(空間)に富士山形の炸裂で演出

【見学後のドライブ】(13:30〜19:00)[その後、夕食]

(9)水ヶ塚公園(昼食)
 東富士演習場は陸上自衛隊・滝ヶ原駐屯地に近く、滝ヶ原を通る快適な「富士公園太郎坊線」をドライブして「水ヶ塚公園」で昼食とした。ここのレストランの食事は牛丼、ラーメン、チャーシュー麺しかなく、競合店がないので値段は高い。
 ここは、宝永山(富士山の稜線がふくらんだ部分)の火口が見える地点なのだが、今回は雲が取れず一度も見ることが出来なかった。この公園周辺を散策して次の目標「奇石博物館」へ向かった。
 宝永山の火口が見える場所 2003/11/02撮影

(10)奇石博物館(見学)
 緑の長いトンネルの連続「富士山スカイライン」をドライブして、「奇石博物館」に到着。
 ここには世界の奇石が沢山展示されている。一番驚くのは「こんにゃく石」で硬い石でありながらある方向には「こんにゃく」のように曲がるのだ。金属のような音を出す石、光る石、各種の化石(例:小魚が小魚を喰った瞬間の化石)等見るものは多い。

秋風をひとしく恵む富士の山

 白糸滝公園大渕線を通って、もちやドライブイン、朝霧高原、精進湖・本栖湖・河口湖を経由して、中央道・河口湖ICに乗った。私の車はETCつきなので無停止で料金所を通過して快適な高速ドライブとなった。私の愛車TOYOTA PROGRE(プログレ)は高速安定性が抜群で運転が楽しい。また今装着しているMISHERIN(ミシュラン)Energy MXV8という最高レベルのタイヤはグリップ性能・高速安定性・静粛性など素晴らしく快適な走りをしてくれる。途中やや渋滞したが問題なく八王子ICを降りた。

(11)とうふ屋うかい(夕食)
 姉のおごりで、高級料亭「とうふ屋うかい」で夕食を取ることにしたのだが、土曜日の夕方なので事前予約なしでは入れない店なのだ。念のため立寄ったところ、運良く丁度退席した客があり一席のみ部屋が取れるとの事。野良着のような服装で来る店ではないので多少気が引けたが、洒落た造りの部屋で美味しい料理を楽しむことが出来た。
 最後までラッキーな旅となった。

8、費  用
 項   目    費     用   (円)支払
ガ ソ リ ン   4,670  
高速道路   4,300  (2400+1900)
入館料   2,800  (700x4人)
飲   食  23、600  (900+5000)x4人 
合   計  35,370    

(私の費用負担なし)

 今回もトラブルもなくほぼ計画通り「富士総合火力演習・見学」と「富士山一周・ドライブ」を終えた。

以上  
【使用カメ ラ】 CANON Kiss Digital
【交換レンズ】 SIGMA ASPHERICAL IF 28〜200mm(35mm判換算45〜320mm)

【註】
 PROGRE はフランス語で英語のProgress(進化・進歩)の意味で従来の車とは違うという点を強調した車だ。従って、この車はTOYOTA製ながらトヨタのエンブレム(楕円形のハンドルマーク)をつけていない。ドイツ・アウトバーンで高速性能を鍛えられたBMWやベンツ対抗の車なので高速安定性は抜群だ。

MT=25  VOR

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