【四方山話】  Talking about all sorts of things

【横田基地・友好祭】
The 2006 Japanese-American Friendship festival
<日米軍用機の一般公開と日米友好の祭>
Ver.1.1 2006/09/02
Ver.2.1 2006/12/02
 「横田基地・友好祭」のA-10と私
 2006年8月30日曇 東京「横田基地・友好祭」に行った。今回もたまたまTVで8/29〜30の開催を29日に知り急遽行動に移したものである。29日は晴天で猛暑だったため行くのを止め、30日はうす曇だったので幸いした。
 今の時代は車での入場は出来ないだろうと考え電車で行くことにした。インターネット地図で場所を調べたところJR八高線東福生が最も近いと判断した。下車したときは数十人なので混雑は大丈夫と思ったがゲートに近づくに従い人が湧いたように増えてきてゲート前は一杯となった。実は第二ゲートが東福生駅から約5分と最も近いのだが一般公開の入口は第五ゲートで駅から炎天下を20分歩くはめになった。
ゲートを通過後ほっとする人々
(1)金属探知機
 昔は広い入口を歩行者天国のように入れたが、最近の世情から入場が厳しい。入口には空港手荷物検査所のような6門の金属探知機ゲートがあり、それを無事超えるとカバン類の中身検査が待っている。そのようなことから捌ききれず待ち行列が出来ていた。それでも5分くらいで入場できた。


(2)お祭気分
手作りトロッコで運搬サービス
 入場するとキャアキャアと騒がしい。にわか手作りトロッコで入口から誘導路の広場まで運搬サービスをしているのだった。アメリカ人らしいお祭騒ぎはここは日本ではなくアメリカにいるという気分にさせてくれる。飛行機の格納庫ではにわか舞台で騒がしいライブをやっている。改造自動車やハーレーなどのバイクも展示されている。

(3)C130ハーキュリーズの離陸・観察
     C130ハーキュリーズ離陸
 誘導路のところに着くとアメリカ人女性による英語のアナウンスが入った。滑走路からC130ハーキュリーズが離陸するという。続いて日本語のアナウンスも入った。滑走が始まり直ぐに離陸した。それを320mmのズームレンズで追いシャッターを押す。それが左の写真と5枚の連続写真である。見る方向によってかなり形が違って見える。

前からはB29の様 デブの胴体が目立つ C130の個性が顕著 上付の翼が明確 後姿も精悍だ

(4)戦闘機オンパレード
      A-10 サンダーボルト
 誘導路まで行くと各種の戦闘機、輸送機、偵察機、ヘリコプターが展示されている。輸送機などは搭乗して内部を見学することが出来る。
 最初に見た展示の飛行機はこの様な形で普段見る事がない。エンジンが背後に2発、尾翼も2枚と変わった形をしている。A-10 サンダーボルトだ。それに続いてF16が数機、自衛隊のF15、米軍のF15数機、FA18数機と戦闘機のオンパレードだ。同じF15でも自衛隊と米軍とは違って見える。自衛隊員曰く「装備も中身も全く違う」との事。
F15 イーグル F16 ファンティングファルコン FA18 ホーネット
【解説】
 F15はご存知、双発の大型エンジンを持ち世界最強最高速の戦闘機だった。これと同形機が当時のソ連製MIG29で米国のF15より1年も早く開発された。従って、今度は「アメリカのスパイがソ連の設計図を盗んだのではないか」などと揶揄された話題の飛行機なのだ。MIG29のエンジンは馬鹿でかくて重いため馬力は上だが旋回能力が落ちるとか、電子機器が真空管で古い技術とか、いや逆に妨害電波に強いため敢えて真空管を使っているだのと、MIG29とF15は何かと比較される。
 F16は単発エンジンだが精悍で旋回能力が優れているといわれた。日本が独自に第二の零戦(New Zero Fighter)を開発しようとしたときに日本が世界最強の戦闘機を開発できることを懸念したアメリカは日本に強烈な政治圧力をかけ日本はそれに屈した。アメリカは共同開発を提案し日本はF15とF16のうちのF16を選定しこれをモデルに国産F2(当時FSX)を開発した。形状は全くF16だ。F2は国費2600億円を投じた失敗作だった。
 FA18は艦載機として開発された戦闘攻撃機で形状はF15に似ている。2枚の尾翼がV字状に広がっているのが特徴だ。湾岸戦争やイラク戦争のときに航空母艦から離陸する姿の記憶があるかもしれない。F15よりやや小型に見える。多分、航空母艦の船倉に格納しやすいようになっているのだろう。当然主翼は折り畳めるはずだ。
航空自衛隊のF15J 正面から見たF16 側面からのF16 F16の可変噴射口

 同じF15でも「J」が付くと日本仕様で、なんとなく弱腰に見える。確かに装備が貧弱なのだ。
 米軍のF16の装備は凄い。外側からミサイル、物入れケース、補助燃料タンクと装着物が豊富だ。可変噴射口(排気管)のチタン合金が渋く光る。

(5)パラシュート降下デモンストレーション
C130 から降下のパラシュート
 先程離陸して行ったC130輸送機2機はこのデモンストレーションのためだった。最初は視認できる高度からのパラシュート降下で一機から7〜8人で合計15個のパラシュートが花咲いた。これらのパラシュートは昔からお馴染みの円形傘型のパラシュートでよく見ると方向をコントロールするための穴が確認できる。暫くすると今度は肉眼で見えない程の高度からの降下で、アナウンスがあってから青空を見ているとポツンポツンと点の様に見えてくる。今度の15のパラシュートはパラグライダー型で、その中に大きな星条旗をかざしたものと日の丸をかざしたものがあった。日米友好を表現しているのだろう。
点々と広がるパラシュート 夏空に浮いた花か茸のよう 昔からの円形パラシュート 近年のパラグライダ型

夏空に銀色鳥が花を撒く

 暫くすると英語のアナウンスがあり先程のC130が降りてきたのでこの瞬間を捉えた。タイアが滑走路に接して摩擦で白煙が出た。この時はまだ前輪は着地してないことが良く分かる。主滑走路から補助滑走路を通り駐機場に戻ったが、この飛行機は後退ができるので自力でバックしてこのように綺麗に整列した。お見事。
C130 着陸の瞬間 C130 整列 犬も
【解説】
 C130はプロペラ機であるがターボプロップ・JETエンジンであり、プロペラのピッチを逆にすると逆噴射と同じ効果でブレーキとなる。それ以上に働かせると飛行機をバックできる仕組みなのだ。戦場では自力で後退できることは重要な機能である。

(6)偵察機の見学
 戦闘機や偵察機の展示場の数箇所にある土産売り場で目差し帽やTシャツを売っている。私も目差し帽2000円、Tシャツ3000円を土産に買った。そのほか兵士が一緒に記念撮影に入ってくれるサービスもしてくれて私は女性兵士と写真を撮って頂いた。 Thank you, というと You are welcome. と言って握手をしてくれた。
EA-6B 前で女性兵士と Boaing707ベースの偵察機 真っ黒い U2スパイ偵察機

(7)輸送機の内部見学
 パラシュート効果を見たりしているうちに3時15分前になっていた。輸送機の内部見学は長蛇の列だ。とりあえず並んだが中々進まない列の半分くらい進んだところで米軍兵士が来てタイムオーバーだと言って15:00で見学は終了となった。外からもある程度覗けるので様子を知ることが出来た。
輸送機内部の一般公開 DC-10ベースの輸送機 C130 輸送機の内部公開 内部の様子

(8)航空自衛隊機の見学
 15:00から滑走路を使用すると言うので一般見学者は至急会場外へ出ることを要求された。その途中に航空自衛隊の飛行機を数機撮影した。プロベラ機もあったがここでは省略する。
C-1 純国産輸送機 T-4 JET練習機 U125-A 捜索救難機 UH-60JA 多用途ヘリ

(9)航空自衛隊機と米軍機の帰還
 時々、デモが続く。ホーバリングした米軍のUH-60 多用途ヘリからロープが下ろされ兵士がロープを伝わって地上に降りてきた。
 先程展示してあった航空自衛隊と米軍の飛行機は2日間の展示を終えて、順次各自の基地に向かって帰還していく。アナウンスはその都度機種名、パイロット名、帰還先基地名を紹介し順次飛び立つので見学者は一機ずつ見送る。T-4 は小松へ、C-1 は入間へ、EA-6B は厚木へ、U125-A は百里へ、P3C は岩国へ、ヘリは立川へ向けて帰っていった。 ご苦労様でした。(メモを取ってなく私の記憶のみ故、帰還基地の誤りはご容赦願いたい)
T-4 は小松へ C-1 は入間へ EA-6B は厚木へ U125-A は百里へ P3C は岩国へ

(10)アメリカ流
 基地内の小さな公園にはアメリカ流の鳥居がありそこには赤色の電光掲示で
Welcome to Yokota Home of Samurai !
 と書いてあった。下のパネルには下記の文字が記されてあった。
US FORCES, JAPAN, FIFTH AIR FORCE
LT GEN BRUCE A. WRIGHT, COMMANDER
374TH AIRLIFT WING
COL. SCOTT P. GOODWIN, COMMANDER

 帰り道にはアメリカ人家族による駄菓子類の出店が幾つかあった。試食もあったのでチョコレートクッキーを食べたが甘すぎて自分には向かない。Too sweet. と言うと、人のよさそうな米人のご婦人が「チョコレートのないクッキーをどうぞ」と奨められたがやめた。入口付近のには各種の特殊な車が展示されており、それら「アメリカ流・車の楽しみ方」を観察しながら帰路に着いた。

最高速度を競う車 凄いエンジンを載せて 彩色も強烈 スポーツカー 米国代表のハーレー

【使用 カメ ラ】 CANON Kiss Digital 6.3 MPixels
【交換 レンズ】 SIGMA ASPHERICAL IF 28〜200mm(35mm判換算45〜320mm)

MT=26 VOR

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