その模様を写真でご紹介しましょう。
1、出航
出航となると緊張が走る。自衛隊員の確認作業が終わり出航のアナウンスが入ると全員敬礼しいよいよ出発だ。艦が隣の艦から離れるその間、艦長や指揮官など大忙しで艦橋内にも緊張が走る。そしてゆっくり艦は岸壁を離れ方向を逆に向け走り出す。
(以下の写真を撮れる最高の場所に居合わせることが出来て幸運でした)
出航直前の敬礼 | 艦長による測距 | 艦橋内の緊張 |
2、東京湾を南下
小雨の中を出航しやや肌寒い。皆防寒しレインウエアを着ているものもいる。空は暗く小雨に煙る横浜ベイブリッジの下を通過。写真を撮るにも早くしないとあっという間に通過してしまう。それ程この艦は速い。
最先端の甲板が見学者に解放され皆のんびり景色を堪能する。甲板上では自衛官が見学者の質問を受けて懇切丁寧に説明してくれる。私と友人は62mm口径76mm速射砲脇で記念撮影した。
62mm口径76mm速射砲は1分間に80発13kgの弾丸を初速925m/sで発射し、電波を出しながら飛んで行き目標に直撃しなくても近くで爆発し損傷させることが出来るとのこと。
小雨に煙る横浜ベイブリッジ | 甲板最先端が見学者に開放された | 速射砲脇で友人と | 質問する友人 |
62口径76mm速射砲の説明板 | 76mm速射砲と私 | 76mm速射砲の設置場所 |
【62口径76mm速射砲】 対空、対水上、対地と多目的に使用できる万能速射砲。
最大射程:約16km、最大発射速度:80発/分(砲身を水で冷却)、弾丸初速:925m/s、弾丸重量:約13kg、尚、射撃時、砲塔内は完全無人。 《イタリアOTOメレレ社(現OTOブレタ社)で開発されたものを国内でライセンス生産されたもので、世界各国で使われている》 (説明板から抜粋)
護衛艦144「くらま 」(観閲艦) 長大艦だ! | 護衛艦130「まつゆき」 |
4、観艦式
昼近くになると幸運にも急に晴れてきた。
12:57 安倍首相が乗った護衛艦144「くらま」の近くの艦から祝砲が発射され観艦式の幕が開かれた。それからは連続してロケット砲が発射され遠方の海面で弾丸が炸裂して大きな水柱が上がる。実弾なのだが映画を見ているような感覚だ。
12:56 護衛艦169「あさかぜ」「祝砲発射 左遠方着弾による水柱 左は護衛艦176「ちょうかい」(随伴艦) |
着弾の水柱 |
12:58「ゆうばり」ロケット砲発射 白線を引く艦は「くらま」の尾部 |
護衛艦129「やまゆき」 IRフレアー発射 |
艦をカムフラージュする |
哨戒機CH-60K発艦、海面に水飛沫 |
潜水艦・急浮上の瞬間 |
補給艦423「とわだ」(左)が 護衛艦102「はるさめ」に給油 |
哨戒機CH-60K、護衛艦101「むらさめ」、護衛艦144「くらま」 | 護衛艦130「まつゆき」の後を追う |
護衛艦144「くらま」(観閲艦)全景 (甲板に黒く見えるのは水兵の列) |
護衛艦144「くらま」(観閲艦)周辺には空に哨戒機、海中に潜水艦 |
(高速)ミサイル艇3隻(おおたか、くまたか、しらたか)の接近 |
ミサイル艇826「おおたか」 | LCAC(ホバークラフト) | LCACが「くらま」を追い越す | 最高速の護衛艦「さわぎり」 |
5、護衛艦229「あぶくま」の概要
私が乗艦した護衛艦229「あぶくま」についてご紹介する。(パンフレットから抜粋)
1)部隊編成
「あぶくま」は舞鶴地方隊、海上部隊、第24護衛隊(「あぶくま」「みねゆき」「はまゆき」で構され、舞鶴を母港とする)に属している。
2)艦名
本艦の名称は福島県那須岳に源を発し、仙台平野で太平洋に注ぐ「阿武隈川」に由来している。尚、「あぶくま型」と呼ばれる同型艦に「じんつう」「おおよど」「せんだい」「ちくま」がある。
3)艦暦
昭和63年12月21日三井造船葛ハ野艦船工場にて進水、平成元年12月12日就役。(以降省略)
4)要目
基準排水量:2,000トン、全長109m、幅:13.4m、喫水:3.8m、主機:ガスタービン2機、ディーゼル2機、馬力:27000馬力/2軸、最大速力:27ノット(約50km/h)、定員:120名
5)兵装
76mm速射砲x1、CIWS(高性能20mm機関砲)x1、ハープーン対艦ミサイル4連装x2、アスロック8連装x1、短魚雷発射管3連装x2、シャフ装置6連装x2
6)初代「阿武隈」
初代「阿武隈」は大正時代の有名な「八八艦隊計画」(戦艦8隻・巡洋艦8隻)の一環として14隻建造された、いわゆる「5500t型」軽巡洋艦の一隻で、当時としては画期的な速力36ノット(時速67km/h)と重雷装の艦として大正14年5月26日完成。(以降省略)
【註】艦名
護衛艦の名称は、天象、気象、山岳、河川、地方の名から付けられている。
CIWS(高性能20mm機関砲)の説明板 | 20mm機関砲 | 20mm機関砲の弾倉 |
7、帰港
観艦式が終わると艦は一列になりながら発艦した港に帰って行く。来た時同様、その姿は壮観だ。浦賀水道を通り東京湾に入ると客船、貨物船、タンカー、クルーザーなどが航行し、先程の戦闘場面(風)とは全く様相が変わり長閑な海の雰囲気になった。
客船 | 自動車輸送貨物船 | 客船とタンカー | クルーザー |
そして晴れた空に横浜ベイブリッジが美しい。ベイブリッジ通過後15分ほどで横浜港に到着。直ぐに待機していた2隻のタグボートが横から押して護衛艦229「あぶくま」を岸壁に近づける。30分程で先に到着していた護衛艦157「さわぎり」の隣に着艦した。丁度そのとき「横浜みなと未来」のランドマークタワーに夕日が沈んだ。
15:36横浜ベイブリッジ通過 | 15:52横浜港に到着 タグボートが | 16:23着艦した時、丁度日没 |
役 割 | 艦 種 | 艦 名 | 備 考 |
---|---|---|---|
先導艦 | 護衛艦107 | いかづち | |
観閲艦 | 護衛艦144 | くらま | |
隋伴艦 | 護衛艦126 | ちょうかい | |
護衛艦142 | ひえい | ||
護衛艦157 | さわぎり | ||
護衛艦158 | うみぎり< | ||
護衛艦108 | あけぼの< |
役 割 | 艦 種 | 艦 名 | 備 考 | 役 割 | 艦 種 | 艦 名 | 備 考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
観艦付属部隊 | 護衛艦106 | さみだれ | 旗艦 | 護衛艦168 | たちかぜ | |||
護衛艦130 | まつゆき | 第1群 | 護衛艦110 | たかなみ | ||||
護衛艦229 | あぶくま | 護衛艦111 | おおなみ | |||||
潜水艦救難艦403 | ちはや | 護衛艦101 | むらさめ | |||||
掃海母艦463 | うらが | 第2群 | 護衛艦170 | さわかぜ | ||||
試験艦6102 | あすか | 護衛艦169 | あさかぜ | |||||
訓練支援艦4203 | てんりゅう | 護衛艦122 | しまかぜ |
役 割 | 艦 種 | 艦 名 | 備 考 | 役 割 | 艦 種 | 艦 名 | 備 考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第3群 | 護衛艦227 | ゆうばり | 第6群 | 輸送艦4002 | しもきた | |||
護衛艦228 | ゆうべつ | エアクッション艇 | LCAC x 2 | 輸送用 | ||||
護衛艦226 | いしかり | 第7群 | ミサイル艇826 | おおたか | 200t | |||
第4群 | 潜水艦587 | やえしお | 2,750t | ミサイル艇827 | くまたか | 200t | ||
潜水艦587 | わかしお | 2,750t | ミサイル艇829 | しらたか | 200t | |||
潜水艦584 | なつしお | 2,750t | 第8群 | 巡視船PLH22 | やしま(海保) | 5,317t | ||
第5群 | 掃海母艦464 | ぶんご | 展示艦艇部隊 | 輸送艦423 | ときわ | 8,900t | ||
掃海艦302 | つしま | 護衛艦102 | はるさめ | |||||
掃海艇681 | すがしま | 510t | 護衛艦129 | やまゆき |
【受閲(展示)航空部隊】 (今回は天候不良のため朝中止と決定)
役 割 | 機 種 | 機 名 | 備 考 | 役 割 | 機 種 | 機 名 | 備 考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
指揮官機 | 多様機 | UP-3C | 第5群 | 救難機 | US-1Ax3機 | |||
第1群 | 哨戒機へり | SH-60Jx3機 | 11t | 第6群 | 哨戒機 | P3Cx3機 | 56t | |
第2群 | ヘリコプター | MH-53Ex3機 | 第7群 | 輸送機 | C-130x1機 | 22t(空自) | ||
第3群 | 大型輸送ヘリ | CH-47Jx3機 | (陸自) | 第8群 | 戦闘機 | F-2x3機 | 10t(空自) | |
第4群 | 偵察輸送機 | TC-90x5機 | 第9群 | 戦闘機 | F-15x3機 | (空自) |