俳誌「白」239号より「私の好きな句」
雛あられつつむ小さな手は宇宙 宮森 碧
これは女性でなければ作れない句ではないかと思いました。幼児が雛あられを掴んでいる情景が浮びます。その中に幸せが一杯に広がっている様が「宇宙」という言葉で表現され無限の幸せを上手く表現していると感心しました。このような優しさのあふれる句は好きですね。
げんげ野は誰もが無重力歩行 飛鳥遊子
作者のボキャブラリー力には何時も感心しています。「げんげ」辞書を引いて「やはりそうか」と一人うなずきました。そして「無重力歩行」という五文字で「踏んではもったいない」という気持ちを上手く表現されていることに感銘を受け、花丸を付けたくなりました。
ニュートンや桜の花に葉っぱなし 有村飛雲
私は理科系なので先ずはニュートンに目が留まり、ニュートンといえば「万有引力」の発見者。ところでと次を読むと桜。「ふんふん、綺麗な花びらばかりで、葉っぱは引力で落としてしまったのかな」という発想は、将に「理科と文科のコラボレーション」であり拍手です。