ガンパレ妄想劇場3.3


3月3日は、世間一般的にはひな祭りとなっている。
今日は、ここ速水邸で、ひな祭りが行われようとしている。
なぜ野郎の家でひな祭り?
事は数日前に遡る。



「その『ひな祭り』とは何だ?」
昼休み、壬生屋と速水の会話に舞が入り込んだ。
「えっ?舞ってひな祭り知らないの?」
「お前が知ってて、私が知らぬとは不愉快だ!」
速水の当然の疑問に、不機嫌な表情の舞。
「ひな祭りはですね…」
壬生屋が、舞にひな祭りを説明する。
「何?女の子の祭りだと?!そのような行事があるとは、私は父上から一度も聞いた事が無いぞ」
今、明かされる新事実に、驚く舞。
まぁ、あの父親だ。舞がひな祭りを知らずに育ったとしても不思議ではない。

「まさか、芝村さんがひな祭りをご存知無いなんて…以外でしたね」
「それがどうした!そのような物知らずとも良い!芝村には無用だ!」
舞は、すっかり機嫌を損ね、ムキになって怒った。

これまで、女の子らしい事を、何一つ知らずに育ってきた舞。
舞としても、それが当たり前だと思っていたし、芝村として生きるには無用な事として割り切っていた。
しかし、5121小隊を介して世間を知るにつれて、心のどこかで『もしかしたら今までの私は、損な生き方をしたのではないのか?』という疑問が湧いて来るようになった。
しかし、それは育ててくれた父親の否定であり、舞は、父親が好きな故にその考えを認める訳にはいかなかった。
かくして、それがジレンマとして、仮面の奥底で燻り続ける事となった。

「そうだ。舞、今度ひな祭りしようよ?」
「私がひな祭りだと?わ、笑わせるな!今更、そのような事は…」
気まずい雰囲気を打破すべく、速水は舞に提案した。
急な提案に、うろたえる舞。

「それは良い考えですね。私の家には大きい雛人形があるんですけど、持って来ましょうか?」
壬生屋も呼応して、提案を重ねる。
「何、人形だと?」
壬生屋の『人形』のフレーズに、舞のポニーテールがピクンと反応した。
「ええ、お内裏様とか、お雛様とか、三人官女とかの沢山の人形を、雛壇に飾るんです」
「その人形は可愛いのか?!」
雛人形に興味を示した舞は、壬生屋を激しく問い詰める。
「ええ、可愛いですよ☆」
舞の問いに、ニッコリと笑って答える壬生屋。これで勝負は決まった。
「そ、そうか…可愛いのか…そ、それなら、その『雛人形』とやらを見てやっても良い。べ、別に私が見たいのではないのだぞ…そなた等がどうしても、と申すから仕方無しに行ってやるのだ…」
あくまでも、仕方なく行くのだ!というスタンスを懸命に強調しつつも、舞は、その誘いを快諾した。

「よし、決まりだね。じゃ、土曜日に僕の家でね☆」
「はい」
「うむ」
かくして、舞のひな祭り初体験が速水邸で始まる事となった。



「テレポートセルって、こんな使い方があったんですね。私もプログラムを覚えようかしら?」
壬生屋は雛人形を飾りながら、速水に言った。
「まぁね☆」
得意げに語る速水。
速水は、テレポートを使って、壬生屋邸と自宅を往復して、この大量の人形を運び出した。
実はこの方法で、ブラックマーケットでブレインハレルヤを万引きして、大儲けしていたのだが。
尤も、壬生屋にその行為を責める資格は無い。
儲けた金の殆どは、しょっちゅう壊れる壬生屋機の修理用に、改良人工筋肉等の補修パーツを買う為に費やされる。
それが無ければ、特攻袴壬生屋は、今ごろ数回は死んでいたと思われる。
って言うか、始めからパーツを獲った方が早いような気がするが…

「ここは大丈夫です。速水さんは、お料理をお願いしますね」
「うん、わかった☆」
速水は、愛用のふりふりエプロンを着て台所へ向かった。
程無くして、速水が料理を持って部屋に戻ってきた。

ところで、舞はと言うと、
「うむ、右の一段目の十二単がお雛さまで、左がお内裏で、その下が三人官女、その下の段が…」
1時間ほど前から、ずっとこの調子である。
舞は、初めて見る雛人形の雅やかさに、すっかり魅入ってしまっていた。

「ちょっと困ったなぁ…」
台所の速水が、首を傾げつつ言った。甘酒が足りないのである。
本来なら前日に買っておくつもりだったが、運悪く出撃命令が出てしまい、ひな祭りの買出しが今日になってしまったのである。
食材は何とかなったが、甘酒が2人分しか確保できなかった。
速水は、自分と壬生屋の分を融通させてでも、舞の分を確保しようかと考えていたが、
「私の分なら大丈夫です。ここへくる前に、芳野先生から甘酒を頂いてきたんです」
「芳野先生から?」
壬生屋が、思いもがけない事を言った。
壬生屋は、ここへ来る途中に芳野先生に会ったと言う。速見の家でひな祭りをする旨を話したら、甘酒を差し入れしてくれたのだと、壬生屋は言った。

「私はこれを頂きますので、大丈夫ですよ」
「じゃあ、始めようか」
それぞれの杯に、甘酒が注がれる。
「ひな祭り、おめでとう☆」
速水の、ちょっと間の抜けた音頭で、各々杯を傾ける。

「速水さんって、お料理上手なんですね。この太巻も、ちらし寿司も美味しいですよ」
「うむ、それは認めるべき事実であるな」
今日は特に気合を入れて作った速水の手料理は、女性陣には好評であった。

「この蛤の塩焼きは、絶品であるな」
「蛤ってねぇ、自分の貝以外の貝は絶対に合わないんだって。だから、夫婦円満の縁起担ぎとかで、ひな祭りの料理には欠かせないんだってさ」
「夫婦円満ですか…フフフ、まるで貴方達の事みたいですね☆」
壬生屋の言葉に、赤くなる速水と舞。
かくして、ひな祭りは、明るい雰囲気で進んでいく。
特に壬生屋は、珍しくテンション高く振舞っていた。

「あ、そうだ」
突然、速水が立ちあがる。
「今日はケーキ焼いたんだ。そろそろ冷えたかな?あとはクリームとトッピングだけ。今日は、田辺さんからイチゴを貰ってきたから、イチゴケーキだね☆」

遠くで消防車のサイレンが聞こえたような気がするが、ま、空耳だろう(笑)

「じゃ、仕上げしてくるから、ちょっと待っててね」
そう言うと、速水は台所へと消えた。
この部屋では、以後しばらくは壬生屋と舞の2人だけとなる。



「うふふふふふふふふふふ」
「ん、どうした?」
突然、不気味に笑い出す壬生屋。
「私、とぉ〜〜〜〜〜〜っても楽しいんですのよォォォォォォォ」
「…そなた、大丈夫か?」
突然暴走した壬生屋に、あきれる舞。

「凄ォォォォォく!いィィィィィィ!!!ですわよォォォォォォォォ!!!」
クネクネと、イワタマンダンスを踊る袴が一人。
「そなた、何を飲んでお……!!」
壬生屋の暴走に、流石に疑問を抱いた舞が、壬生屋の甘酒を舐めてみた。そして、思わず驚く舞。
その自称甘酒は、明かに正真正銘の『酒』であった。



話は飛ぶが、その頃の芳野先生宅では、教師陣による酒盛りが繰り広げられていた。
「芳野先生ェ〜〜もう飲めないよォ〜〜〜〜」
「ダメですよ。もっと飲まないと、坂上先生にがぶがぶしてもらいますよ☆」
既にグロッキーの本田先生。
それに反して絶好調の芳野先生。
「そうだ。ウォッカとカルピスって、結構合うのですよ。作ったのがありますので、持ってきますね」
そう言うと、芳野先生は台所へと向かった。
この人、既にビール1ダース、焼酎1升瓶数本その他を開けているのだが、新たな酒を求めて足取り軽く台所へと飛んでいった。

「あら?」
冷蔵庫を開けた芳野先生は、首を傾げた。
「私ったら、壬生屋さんに甘酒と間違えてウォッカをあげちゃいました」
「何ィ?!」
芳野先生の恐ろしい発言に、本田先生も流石に飛び上がる。
「ええ、壬生屋さんが、速水くんの家でひな祭りをすると言ってましたので…甘酒をあげたつもりだったんですけど…てへ☆」
開き直って、笑顔の芳野先生。
「彼等は若いですから、酔った勢いで乱交に持ち込む戦術も有効ですね」
坂上先生も、既に出来あがっている。

「あ、あんたらなぁ!何考えてるんだァァァ!!」
教師にあるまじき問題発言に、怒り出す本田先生。ま、最も教師にあるまじきカッコではあるが。
「あらあら〜そんな事いっちゃダメですよぉ〜」
突然、焼酎をラッパ飲みする芳野先生。
1升瓶が半分ぐらうになった所で、本田先生の方を向いてニッコリと微笑む。

「そんな悪い子は…オイタしちゃいますぉ☆」
芳野先生は、いきなり本田先生に抱きついて、その唇を強奪する。
そして口移しで、芋焼酎アルコール度40パーセントを、本田先生の口の中へ注いだ。
「な、何しやがるッ!ゲホッゲホッ……」
「あらあら、カワイイ☆」
芳野先生の焼酎の洗礼に、むせかえりながらも怒る本田先生。
本田先生の苦しい顔を見つつも、芳野先生は屈託もなく笑った。
「そんなカワイイ娘は、むいちゃいましょ〜〜☆坂上先生、手伝って下さる?」
「わかりました」
「わっ!は、離せェ!!!」
芳野先生の依頼に応じ、本田先生を羽交い締めにする坂上先生。
本田先生が激しく抵抗するも、スカウトのエース相手では、所詮は無駄な抵抗である。

「ベッドはあちらですわよ☆」
「はい。貴方の戦術の限りを、拝見させて頂きますよ」
「やめろォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
本田先生の悲鳴がフェイドアウトしてゆく…



さて、話は戻って速水宅。
「うふふふふ、熱いですわねぇ〜〜〜脱いじゃいましょ☆」
突然、肌脱ぎになる壬生屋。
その豊かな起伏部が露になった。
「なっ……!!!」
その行為自体がなのか、舞とは比べ物にならない程の大きなサイズだからなのか、激しく驚く舞。

「そ、そなた……そ、その、ブラは……つけぬのか?」
「はい。私、ブラジャーはあまりつけませんのよ☆」
これ見よがしに揺らしながら、壬生屋は言った。
袴にはブラは合わないらしい。

「と・こ・ろ・で、芝村さんはブラジャーはつけますの?」
「た、たわけ!何を申すのだ?!」
壬生屋の発言に、顔を真っ赤にさせて、怒る舞。
「さっそく、見てみましょ〜☆」
舞を押し倒す壬生屋。
舞も抵抗はするものの、武術を嗜む彼女の腕力は案外強力で、抵抗空しく上着、ブラウスと順に脱がされてしまった。

「あらあら、可愛い下着ですわねぇ☆」
舞のブラウスの中から、ピンクのスポーツタイプのブラが現れた。
当然、カップなんて無いに等しい。
「見るな!見るなと言ったら見るでない!!!」
舞も、羞恥に顔を真っ赤にさせて、激しく怒る。

「ん〜〜、怒った顔も可愛いですわ☆」
泥酔壬生屋は、可愛いぬいぐるみをだっこするかのように、舞に抱きついた。
「や、やめぬか!柔らか…ではない!苦しいぞ!息ができぬではないか!!」
抱きつかれ、壬生屋の豊かな起伏部に、顔を埋める形となった舞。

「そっちも可愛いんでしょうねぇ〜」
もう誰にも止められない泥酔袴は、舞のブラの中に手を突っ込んだ。
「や、止めぬか!いい加減怒るぞ!!」
「あら?速水さんに触らせておいて、どうして私にはダメなんですの?」
「なっ!何を言うか!?」
いきなり核心を衝かれ、激しく狼狽する舞。
「この前、善行司令がおっしゃってましたわよ」
「あの半ズボン野郎めが!!!」
奥様戦隊の脅威を、今更にして思い知らされる舞。

「…本当の所、大きくても、得した事って無いですのよ」
「ば、馬鹿者!くすぐったいであろうが!!」
ブラの中で手を動かす壬生屋。

「肩はこりますし、ブラジャーも高いですし、殿方の視線も気になりますのよ」
「や、止めぬか!本当に…怒る…」
起伏部の稜線に沿って、指を這わせる壬生屋。
舞は、羞恥心と、込み上げてくる何かとの葛藤に、顔を歪めていた。

「私、芝村さんぐらいの大きさに憧れますのよ」
壬生屋は、その小振りのショートケーキのイチゴに口をつけ、舌を転がす。
「や、やめ…んっ……」
舞の華奢な肩が、ピクンと震えた。

「春うららにウグイスの声、風流ですわね〜☆」
暴走する壬生屋は止まらない。
イチゴショートのイチゴを、交互に味わい続けていた。
掃討戦で、逃げ遅れたゴブリンに対して大太刀を振るうよりも嬉々とした表情で、舞を楽しんでいる。
「だ、誰がウグイスで…んっ……ふぁっ……」
春先の熊本に、ウグイスの嬌声が響く。



「ケーキできたよ〜…って、あれ?!」
その『現場』に、速水が入ってきた。
「あ、厚志!見てないで、早く助けよ!」
これを幸いと、速水に必死に助けを求める舞。

「うなじを責めると、良い声で鳴くよ☆」
速水は、舞の最後の希望を、いとも簡単に叩き潰した。
「あら、お詳しいのですね。さすがは『カダヤ』ですわね」
「まぁね☆」
「き、貴様等っ!!」
恐ろしい事を事も無げに言う、壬生屋と速水。

「ところで、先ほどの蛤、美味しかったですわよ〜うふふふ〜じゃあ、こっちの『蛤』のお味はどうでしょうねぇ〜〜〜」
壬生屋は、舞のキュロットをずり下ろした。
瞬間的に顔が真っ赤になる舞。
「ああ、絶品だよ☆」
「貴様ァ〜〜〜〜!!!!」
速水は壬生屋の問いに、にっこりと微笑んで答えた。

「せんせ〜、私『せいきょ〜いく』を復習したいんですの」
既にろれつが回らなくなってきた壬生屋が、速水に挙手してみせた。
「はい『男女間の戦術』の復習ですね」
答える速水。坂上先生のマネらしい。
「では、『教材』をベッドに運びましょう」
「はい☆」
舞の腕を速水、脚を壬生屋が持って、寝室へと運び出す。
「コラ!貴様等、止めぬか!止めよと言っておるだろう!コラ!聞いておるのかァァァァァ!!!」
哀れ、舞の悲鳴は寝室へと消えて行った。



「これは以外でしたね…」
雛壇の中から、奥様戦隊善行がデジカメを手に出てきた。
「まさか、壬生屋さんに百合の趣味があったなんてねぇ…」
同じく、何故か雛壇に潜伏していた奥様戦隊原も出てきた。

「で、これからどうするの?」
「もちろん寝室へ行きます」
きっぱりと答える善行。
「危険じゃないの?」
「大丈夫です。ここ…そう、台所の一番端の天井板が外れるようになってるんです。そこから天井裏から侵入すれば、寝室へ行けますよ」
原の疑問に、あっさりと回答を示す善行。
「寝室には、撮影用の穴を作ってます。さ、早く行きましょう」
「あんたにはあきれるわねぇ…」

速水よりも、この部屋を熟知している善行であった。


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