体験記8 Shadowcross暁に死す
ええ、今回はそういう話です(泣)
今、私が「師」としてそのプレイングの模範としているRogueが一人います。
彼の名はShadowcross。西欧系ギルドDarkwindに所属する凄腕の盗賊です。
以前から顔くらいは会わせていましたが、直接彼と共に行動したのは、私が初めてHowling Stoneに行ったときでした。某サイトで入手してきたマップを頼りにHowling Stoneの攻略を始めようとしたのですが、そのマップは北が左側を向いていることに気づかず、北エリアに行こうとした私たちは落とし穴に落下(笑)、数名が死亡するという大惨事になってしまいました。
そこに現れたのがShadowcrossを含むDarkwindの面々でした。
「そうか、この罠にかかったのか。死亡したのは・・キミか。私にConsentしてくれたまえ」
「Levitateさえあれば、回収は容易だ」
「・・待たせたな、回収終了だ。キミたちのClericは55レベル以下か。我々の仲間に56レベルの者がいる、彼に蘇生の呪文をやらせよう」
「どうやって回収したのか? わかった、解説するのでよく聞いてくれ。そもそも/corpseコマンドとは・・」
・・か、かっちょええ(驚愕)。
レベルが高く、知識に長け、技術も備わった彼は、私が今まで会った中で最高のRogueでした。しかも落とし穴に落ちるというマヌケな(笑)ミスをしたひよっこ冒険者にも親切なナイスガイ。それがShadowcrossでした。
それ以来私は何かRogueのことでわからないことがあると彼に相談を持ちかけるようになりました。そんな彼がEpic Questに挑戦していると聞き、私も彼のようなRogueにこそRagerbringerは相応しいと思っていました。
私より一歩二歩先を行く彼は、Epic Questのラストステージ、Kithicor Forestを残すのみ。そして、その決戦の日がついにやってきたのです。
★
「Sutetekokun、ShadowcrossがKithicor Forestにいるよ」
「あ、ホントだ」
「General戦やってるのかな」
「やってるのかなあ・・あ、DarkwindがやたらいっぱいKiticor Forestにいる」
「やってるんだ、きっと」
日本時間の明け方ごろ、私とSutetekokunはDarkwindのプレイヤーが大量にKithicor Forestにいることに気づきました。あんなヘンピな場所にプレイヤーが大量に集まる理由は一つしか考えられません。
Rogue Epic Quest ファイナルステージ : Vs General V'ghera !
そう、これしか考えられません!
「行こうか」
「行こう」
「こっそり見学させてもらお〜」
当時Generalの首級を上げる有効な手段はまだ開発されていませんでした。そんなGeneralをどうやって倒すのか興味があったのです。
★
「うはっ」
「すごいいっぱいいるね」
Kithicor Forestについた私たちを待ち受けていたのはものすごい人数のプレイヤーたちでした。総勢40名以上! 彼らの所属ギルドはDarkwindだけでなく、Paladigmも混ざっていました。Solusek Roで遊んでいるプレイヤーなら一度は聞いたことがあるであろう、(当時)Solusek Ro最強のギルドです。既にPaladigm所属のRogueがRagerbringerを入手していたのは、Solusek RoのRogue社会では有名な話でした。
「しかしこれだけ人がいるのに、どこにいるんだかサッパリわからないな」
「わしら、どこにGeneralがspawnするかも知らないしね」
「きっと彼らの近くまで行ったら、すごいラグが起こるはずだよ。ラグが起こったそばに、彼らはいる!」
というわけで、手分けして探し始めました。私たちが森の中をポテポテ走っている間にも、OOCやshoutで様々な指示が飛んでいます。気のせいか、戦っている様子はありません。これから戦闘するのかなーなんて思っています。そして・・
凄まじいラグが発生する場所に行ってみると、いました! 小屋の中にDark Elfたちが、そしてその周りにはSkeletonなどのUndeadが!
・・Skeleton?
なんでSkeletonがいるのだろう、と私は思いました。Epic Questなんていう大舞台に。/consider・・やっぱり緑。ついでにDark Elfにも/consider・・緑です。
?
?
と、その時shoutとOOCが。
「Ranger、Druid、Bard各員は大至急Trackingを使用! ヤツを探せ!」
「おかしい、確かに例の物は渡したのだな?」
「くそ、なってこった! 俺たちは遅すぎたのかっ!?」
なんかえらい不安になるような内容です(汗)。
「これさあ・・」
「う、うん、やっぱり・・」
思わず言葉も濁したくなるってものです。そしてShadowcrossがOOCで話し始めました。
「諸君、我々の挑戦は終わった」
えぇっ、終わっちゃったんですかっ!?
「私は間違いなく、成すべきことをした、しかし・・諸君、これは我々DarkwindとPaladigmが協力して何かを成そうという最初の試みだった。今日ここに集まり、最善を尽くしたことは無駄ではなかったと確信する」
彼の話はこのあとも続くのですが、もう疑う余地はありません。
彼は失敗したのです(泣)。
★
気のせいか、少し疲れの色が・・
その後、私はすべてを終えたShadowcrossと話をしました。
「何があったのです、Shadowcross?」
(泣)
「私はアイテムを渡し、Generalをspawnさせた。しかし、我々がpullする前に、彼はdespawnしてしまった」
「えぇっ」
「彼らは夜にしかいられないようだ。見ろ、もう日が昇っている。私は遅すぎたのだ」
「そ、そんな」
「Okotaよ、気をつけろ。最後の試練では手際の良さも重要な要素の一つだ」
それだけ言うと、彼はWest Commonへと姿を消していきました。私は重要な情報を得たわけですが、それと同時に、ShadowcrossほどのRogueですら失敗するというこのRogue Epic Questに戦慄するのでした。
(余談)
今ではEpic Questに挑戦するRogueのほとんどの人が知っていることでしょうが、General V'gheraは朝になるとdespawnしてしまいます。正確なdespawn時刻は私も知りませんが、恐らくは夜のUndeadが消えると同時に彼も消えるはずです。実は彼はSteamfontのRenux戦で一回失敗していまして(SteamfontがZoneごとdownしたらしい)、実に2回目の失敗。精神的ショックは大きかったと思います。
何せ情報がまだ出回っていなかった時期。そんな時Epic Questに挑戦し、敗れても、それは仕方ないことと思います。Solusek Roの分割で私はAyonae Roに移住しましたが、DarkwindもまたAyonae Roに移住してきました。彼は今でもDarkwindの仲間たちと共に各地を転戦しています。最近はColdain狩りが趣味のようです(笑)。