体験記13 リターン・トゥー・ヘイト




「Incoming、Cleric of・・ちくしょう、3人来やがった!」
「仮死状態になってリンクを切れ!」
「ダメだ、この距離じゃあ間に合わない」
「迎えうつぞ! 最悪TankはタテになってHealerがcamp outする時間を稼ぐ」
「テメェの根性見せてみろっ! かかれ!!」
(・・わし死ぬのかなあ)

 と、Plane of Hateにはいろいろ思い出がありますが(よく死んだなあ)。
 Rogue Epic Questの難関の一つ、Plane of Hateの本の盗み出しを遂に実行する日がきました。その日は思っていたより早く訪れました。ぽこぽことCommonで遊んでいた私は、ギルド"Kaze"のEnchanter、Miyuと会いました。

「Okota、Plane of Hateって行ったことあるんだよね」
「うん」
「どうだった?」
「そりゃあもう大変な感じですよ」
「へー。JPNでも行けるといいね」
「ですねい」
「どんなところなのか見てみたいなあ・・そうだ、偵察しに行かない?」
「うげ、危ないですよ」
「まあそうだけど・・Okota、Hateに用事あるのだよね。Epic Questで」
「確かに、それはそうですが」
「Aritual呼ぶからさ。行こうよ」

 ハイレベルな冒険者なら誰もが知ることですが、Outer Planeでの死は大変リスクの高いモノと言えます。状況次第ですが死体の回収は大変難しく、一人や二人で行く場所ではありません。
 そう、普通は(汗)。
 しかし当時私が所属していたギルド、"Wanderers"はしばらくHateに行く予定はありませんし、JPNで行くにしてもカレンダーの予約はギッシリ。とてもHateでraidをする機会があるとは思えません。

 となると単身Plane of Hateに赴き、Maestro邸から本を盗み出すしかありません。

「・・そうですね、行きましょう」

 この短い会話により、ある意味無謀とも言えるHateへの旅が実行されることとなりました。

 ところで、実際問題一人でPlane of Hateへ行ってBook of Soulsを回収することは可能なのでしょうか?

 答えは"Yes"、可能です。
 Book of Soulsはモブが持っているアイテムではありません。机の上にpopするアイテムなのです(Burning RapierのGem Caseを思い出してもらえればいいでしょう)。その為、その入手の為に戦う必要はないのです。

 そのアイテムがpopする場所は安全かというと、安全とは言い難いです。固定タイプ・巡回タイプを含め、様々なモブがその周囲にはいます。見つかったら戦いは避けられず、一人ではとても彼らに叶わないでしょう。
 しかしRogueには優秀なHide能力があります。例えUndeadでも、Rogueを発見することはできません(See Invisibilityさえしていなければ!)。

 Plane of Hateにいるモブで、Loathling LichやScorn BansheeといったモブがSee Invisibilityを持っているので、彼らを上手くかわしつつ、Book of Soulsのpop spotまで行かないといけません。その際、Sneakの能力もフルに使わないといけないでしょう。相手がSee Invisiblityを持っていても、背面に回り込んだSneak中のRogueは見つけられないからです。

 隠密としての能力をその限界まで駆使すれば、Rogueは単身Book of Soulsを入手できるのです。
 そう、理屈では(汗)。
 少し考えればわかることですが、ミスは許されません・・リンクデッドも含めて。モブに一度でも見破られれば戦いになり、そして死ぬことは間違いないからです。そして死亡したら、恐らく死体は回収できません。リスクはあまりに大きく、とても人には勧められない方法でした。

 しかし、私はその方法を実行に移すことにしました。
 というのは、警備の万全な屋敷に潜入し、鮮やかに財宝を運び去るという「イカス」Rogue的シチュエーションに私の魂が燃え上がっていたからです! (とほほ)

 しかしロマンだけで人は生きていけず(汗)。万が一の策は考えました。

 まず死体を下界に作り、アイテムを残しておくことにしました。死亡し、アイテムがPlane of Hateに置き去りにされない為です。そしてアイテムはご飯と飲料水、そしてPlane of Hate脱出用にLeatherfoot Raiders Skullcapを用意しました。
 気をつけなくてはいけないのは、しばらく経つと死体が消えることです。Book of Soulsが手に入らないからと言って、長居することはできません。私に許されているのは、わずか24時間だけなのです。アイテムロストという最悪の事態を回避するために、私はPlane of Hateにいる間、しっかりタイプキープをすることにしました。

 打ち上げ場所はGreater Faydark。待っていると、Gateを詠唱してくれるAritualがやってきました。

「行くのはOkotaとMiyuだけでいいのだよね」
「うん」
「Invisibilityかけて・・と。準備は?」
「ぐー」
「よし、じゃあ出かけよう!」

 AritualがCastingの態勢に入りました。こうして私の、短い、しかし衝撃的なHateへの旅が始まりました。