体験記19
Renuxとの奇妙な再会




 それは当時、私がRogue Epic Questのことをあまり知らなかったころの話です。

 SteamfontでRenuxを見た時、私は奇妙な違和感を感じました。違和感というのは少し変ですね。何と言いますか、直感的に「この人、どっかで見たことあるぞ?」と思ったのです。デジャブと言いますか。そして、死ぬ直前彼女が口走った言葉……

「Hannsに言って・・私は実行した、そしていつでも貴方を愛していると・・そして父に言って・・地獄で先に待っていると!」

 これが気になってなりませんでした。Hanns? 父? 何を言っているのだろう、と。
 今回はQuestを行う上では特には重要でないエピソード、Renuxとその背景についてのお話です。

 ある日のこと。

 私はグループに入ることもなく、退屈にしていました。ブラブラとしている間に、私はいつの間にかKarana平原方面まで流れてきてしまいました(ホントにヒマだったんだな)。Karana平原まで出てしまえば、あと少し歩けばQeynosです。Renuxのことが気になっていた私は、その奇妙な違和感を解消するため、Qeynosに向かいました。

 Circle of Unseen HandsはQeynosのRogueギルドです。彼らは紛れもなく、Antonica最大規模の犯罪組織です。現在その頂点に君臨するのはHanns Krieghor。Rogue Epic Questの最重要人物の一人です。彼の父がStanos Herkanorに殺されたことが、悲劇の始まりだったわけです。

 巨大なカラスの看板を掲げた酒場、“Crow”の地下へ私は下りていきました。そこに、Circle of Unseen Handsはあります。秘密のドアをくぐり、そこで私が見たものは……
 こ、この人は!
 明らかに、先日Steamfontに倒したの同じ感じの人がいます! (笑)
 名前を見てみると・・

 間違いなく本人です。RenuxはQeynos Rogueギルドの幹部だったんですね(汗)。かなり大ボケ気味です。

 これも後から調べてわかったことなのですが、RenuxはCircle of Unseen Handsの毒の専門家です。自ら仕上げた物でこそありませんが、過去の記録を翻訳・編集し、一冊本も書いています。そう、Qeynosで入手できる毒のレシピ、"Renux Translation"です。彼女が毒の仕込まれたShort Sword、Trochilic Skeanを持って現れるのも理解できようものです。

 また彼女が言う「父」というのもすぐにわかりました。Last Nameを見れば一目瞭然。HerkanorとはStanosのLast Nameでもあります。つまり、彼女はStanosの娘だったわけです。

 ここから先は想像になりますが、HannsとRenuxは恋人同士だったのでしょう(Renuxの片思いという可能性もあるかも?)。HannsはStanosの息子として育てられた経緯を考えると、兄妹(姉弟?)として育てられていた可能性も考えられます。何かどっかのラブコメのようですね(考えすぎです、ゴメンナサイ)。

 RenuxはHannsの命令で過去の記録を奪いに来たのか、それとも自らの意思で記録を奪いに来たのか? もし後者だったら、その真意は? 父とHannsの間にある誤解を解決する為にしたのか、それとも父を何らかの理由から大変憎んでおり、むしろ誤解をそのままにする為に記録を奪いに来たのか?

 これらは、Ragerbringerを入手する上では全然必要のない知識なのですが(笑)、色々想像をかき立てられるエピソードです。私が知らないだけで、他にも色々なサイドストーリーがRogue Epic Questにはあるのでしょうね。そして他のEpic Questにもたくさんのサイドストーリーが。
 これらゲーム中のストーリーは、小説などと比べると完成度こそ下がるでしょう。しかし自分でキャラを作って体験できる分、感情移入でき、私はRPGのこういうところが好きです(最近Ever Quest以外やってないのだけど・・とほほ)。

 次回以降、物語はいよいよ佳境に入ります。
 過去の暗殺計画の証拠をつかんだ盗賊はStanosと再会し、Stanosから最後の依頼を受けます。10数年前の事件の黒幕も現れ、かつてない壮絶な戦いが展開されるのです。