体験記22
死体投棄




 そして、決戦の朝はやってきました。
 文字通り、朝でした。
 私は決戦に備え、昨晩からRivervale入りしており、戦いの準備をしていました。当時Solusek Roサーバーの日本人プレイヤーでEpic Questを完遂した人はいず(いたのかな、いたらごめんなさい)、しかし、だからこそ、私はこのQuestを完遂し、「私達にもこれだけ大きなことができる」という証が欲しいと思っていました。

 さて、
 眠い目をこすりながら私はOkotaをKithicorにZone Inさせました。するとそこに広がる光景は……

「うわ、ヤバッ。朝になっちゃったよー」
「ぐ、ダメだ。抑えきれねェッ」
「助けてー」
「H、Healをぉ。ぐふっ」

 なんだが最近ではよく見かける光景です(汗)。Zone際に"General V`ghera'pet"という名前の骨がいるように見えるのは、果たして私の錯覚でしょうか。あわわ。

な、なんかいるぅ(泣)

 海外の某ギルドが、ROG Epicをやっている最中でした。RivervaleのZone際にpullしようとしたようです。結果は、見事な完敗。Kithicorは朝を迎え、General V`Gheraは悠々と去っていきました。くぅ。Epic Questは一筋縄ではいかないということを再確認させられた気分です。

 しかし泣き言ばかり言ってはいられません。今晩の仕度をしっかりこなさなければいけません。

 夜までにやらなければいけないこと、それは死体を2つ作ることです(笑)。なぜそんなことをするかと言うと、決戦の時の集合場所やGeneralをPullする場所などにOkotaの死体を置き、目印にする為です。

 現在ログインしている知人をチェックし、早速声をかけます。幸いOkotaを殺してくれる人はすぐ見つかりました。
「いいですよ。あ、せっかくだからdebuffの実験とかしていいですか?」

 笑顔もさわやかに彼女はやってきました。インベントリーにいらないアイテムを置いて……と。
「じゃいきますねー。これなんかどうですか? ……ううん、効きが悪いですね。まずはResistを下げないと……お、STRが0になると、やっぱり歩けませんね」

 などと、次々と、色々な手段でOkotaの首をギリギリと絞めてくれます。私は某世紀末救世主伝説に登場する「んん〜、間違ったかな?」と発言したア○バを思い出しましたが彼女には黙ってました。あれから2年経った今、告白させていただきます。ごめんよ(笑)。

 何にしろ死体は2つ出来上がり、所定の位置に配置しました。
 仕度は終わりました。考えられる、あらゆる準備はしました。あとは夜になるのを待つばかりです。