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天空の城ラピュタ(サントラ) |
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■空から降ってきた少女 |
この曲のメロディーは久石譲の代表的な傑作の一つであると言えるだろう。久石譲を知らない人でも一度は聴いたことがある人が多いと思う。映画の中で何回も登場し、「君をのせて」のメロディーでもある。まず、はじめのピアノのポロンというところが曲を決定づけているといて良いだろう。その後に続く管楽器の素早いフレーズは19世紀後半のメカニックな機械のイメージがする。曲はオーケストラ構成だが、始めは弦楽四重奏といった感じで序々に盛り上がる。その旋律は逸作。その後管楽器でサビの部分が演奏され、もう一度はじめのメロディーが繰り返される。その繰り返しの部分は弦楽器が入れ替わり、ドラマチックな構成が魅力の一曲となっている。
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■スラッグ渓谷の朝 |
この曲は三曲に分かれている。 1曲目はとてもきらびやかである。映画では空から落ちてくるシータをパズーが発見するシーンで使われるが、その神秘的な様子に見事にマッチする音楽となっている。 2曲目はタイトルにあるスラッグ渓谷の朝のシーンで使われる曲である。まさに「朝」という言葉がぴったり当てはまる。まるでフルートの演奏が早朝の鳥のさえずりのように聞こえてくる。 3曲目はパズーが毎朝吹くと言うトランペットの演奏である。イメージアルバムの「はとと少年」のメロディーでもあり、元気が良い演奏である。 |
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■愉快なケンカ(〜追跡) |
この曲も2曲で構成される。 1曲目はパズーの親方とドーラ一家との面白おかしいケンカのシーンの音楽。映像の動きに合わせた音楽でまさにサントラと言った感じである。当時のフィルム1/24コマまで、正確に合わせたまさに久石さんの妙技といえる1曲である。 2曲目は鉱山軌道での追跡シーンの音楽。とても緊迫感があり、ホルンとスネアドラムの連打が蒸気機関車の音のよう。 |
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■ゴンドアの思い出 |
この曲は3曲で構成される。 1曲目主人公2人が鉱山口に落ちていき飛行石が光り出すシーンの音楽。3拍子で「君をのせて」のメロディーを演奏する。透明感に溢れ、神秘的な飛行石の光を印象付ける。 2曲目はフルートがメロディーでハープの伴奏がとてもきれい。シータの故郷であるゴンドアをイメージした曲である。 3曲目は(Cm79=暗さに深刻さが加わったような感じ)の緊迫感のあるコードのシンセ音で主人公2人が軍に捕らえられるシーンを演出する。 |
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■失意のパズー |
この曲はオーケストラで他には出てこない固有のメロディーを演奏する。バイオリンの音色がとても美しい。そして失望したパズーの気持ちをよく表現する音楽となっている。 |
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■ロボット兵(復活〜救出) |
この曲はタイトル通り、パズーたちがシータを救出しに行くところの音楽である。フラップターと呼ばれるのハエのような高速の空飛ぶ乗り物の雰囲気が良く現れている。所々恐ろしい要塞のメロディーに変化する。そして救出したあとは一変、演奏していたコードがそれまでのマイナースケールからメジャースケールへと変化し、心情を表現する音楽となっている。 |
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■合唱 君をのせて |
この曲は映画には登場しないが、杉並児童合唱団による「君をのせて」の合唱である。小学生が中心の合唱団であるが、非常にレベルの高い美しく清楚な歌声を聴かせてくれる。 |
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■シータの決意 |
この曲は今までとは志向が違い、ピアノソロとなっている。映画の中ではラピュタに上陸したあと何度か登場する。ラピュタの700年の沈黙を表したかのような、非常に奥の深い旋律。曲全体の構成にとても透明感があり、旋律とコード進行のバランスが絶妙。 |
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■タイガーモス号にて |
この曲は二曲に分かれている。 1曲目はフラップターのテーマである。ピチカート奏法のストリングスのメロディーが、とても軽快なイメージを与える。 2曲目は君をのせてのイントロの部分に似ている。カーン、カーンと金づちを叩く鉱夫のイメージからインスピレーションが得られていると思われる。 |
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■破滅への予兆 |
この曲も二曲で構成される。 1曲目はタイトル通りロボット兵でも使われた恐ろしい要塞のメロディーから始まる。単旋律のため、余計にメロディーの持つ不気味さが増している。 2曲目はタイガーモス号やゴリアテが竜の巣(低気圧の目)に突入するシーンで使われる音楽である。非常に激しく吸い込まれる印象が強い。 |
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■月光の雲海 |
この曲は「君をのせて」のあのメロディーで構成される。タイガーモース号が夜明けの雲海を航行している時の音楽。柔らかく暖かい音色が中心で、ほのぼのとしたものを感じさせる。 |
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■天空の城ラピュタ |
この曲は二曲で構成される。 1曲目オーケストラ構成のフェードインではじまり、ラピュタの壮大感を強調する。神秘的なピカピカという感じのシンセ音をバックに、印象的なホルンの旋律からスタート。いろいろな楽器が入れ替わりメロディーを構成を構成。ゆったりとしたメロディーはラピュタのスケール感を表現。バックのシンセ音とオーケストラのかみ合い方がまた素晴らしい。 2曲目はシータの決意でも出てきた、天空の城ラピュタのもう一つのテーマ。さびしげなメロディーですがオーケストラで壮大に構成され盛りあがる。 映画の中では前半のシーンでも使われ、パズーの心情の表現を表している曲とも言えよう。
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■ラピュタの崩壊 |
7曲目にも登場した杉並児童合唱団による合唱である。今回は対称的に「君をのせて」のメロディーをハミングで合唱。神聖な教会音楽のような雰囲気が漂う。映画では主人公二人がラピュタの破壊の言葉を唱えるとき使用されている。 |
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■君をのせて |
多くの人がご存知の楽曲である。タイガーモース号の元気の良いテーマで始まる。バックの伴奏はとても凝っていて独特のものがある。マリンバ系音色、ユニークなドラム、等よる久石譲独特の伴奏です。ちなみに作詞は宮崎駿氏。 |
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Written by HeeFoo at 2000.3.17 最終改訂2002.9.10 無断転載を禁じます。 Copyright(C) 2000-2002 by HeeFoo, NOSTALGIA WIND All Right Reserved |
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