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もののけ姫(イメージアルバム) |
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1 | アシタカせっ記 |
こちらが、後に様々なバージョンで久石さんのCDに収録されることとなるアシタカ せっ記の元祖。もともと「アシタカせっ記」とは久石さんがつけた名前ではなく、も ののけ姫の監督である宮崎駿さんによるネーミング。「せっ記」は監督による造語 で、正史には残らずに耳から耳へ伝えられた物語のこと。もともと、監督がジブリの プロデューサーと映画のタイトルを「もののけ姫」にするか「アシタカせっ記」にす るかもめたという経歴がある。そのため監督の思い入れも深かったらしいが、それに 見事に答えてくれた1曲。よくぞイメージアルバムでここまでやってくれました!拍 手モノの壮大な曲である。なお、これ以後発表される「アシタカせっ記」よりはわり と古風で、日本の民族音楽的要素がヴァイオリンとよく融合している。 Written by Excenter |
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1 | タタリ神 |
こちらは、実際にサンプリングしたものかどうかは不明だが、雷鳴のような効果音と 犬吠えが使われている。恐ろしげというよりは、激しい音楽という表現がぴったり来 る。打楽器・三味線などタタリ神の怒りを表現する為に様々な工夫がなされている が、映画では三味線など多くの日本音楽的要素は監督の意向により排除された。た だ、映画では冒頭の部分以外でも使用されることとなり、それぞれの場面の恐ろしさ ・荒々しさには順応する。 Written by Excenter |
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1 | 失われた民 |
「失われた民」とは主人公・アシタカの故郷の村の人々のことで、当然アシタカと同 族の彼らを表現した曲であるが、奇しくも映画ではエボシ率いるタタラ者の作業現場 で歌われている歌のメロディーとなり、もともとのタイトルとは全く逆の対象に使わ れることとなった。内容的には明るくリズミカルな部分と弦楽器中心のわりと誠実な 部分とに分類できる。東南アジアの小さな村のお祭りの音楽のような、親しみやすい 独特のメロディーである。 Written by Excenter |
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1 | もののけ姫 |
映画の主題歌の原曲となった、ポピュラーなメロディーと歌詞である。作詞は宮崎監 督自身が担当されているが、映画の主題歌と比較すると歌詞中の「おまえ」と「そな た」の位置が逆転している。歌詞はもともと、曲を作る際そのイメージを宮崎監督が 詩にして持ち込んだものだが、その素晴らしさに驚いた久石さんが勝手に曲をつけて しまったというおもしろいエピソードがある。この曲に関しては、イメージアルバム の製作段階で「日本風」と「西洋風」の両方が提案されたが、このアルバムには日本 風もののけ姫が収録されている。こちらも、監督の意向により主題歌では西洋風に作 りかえられた。なお、ヴォーカルは藤沢麻衣さん。ナウシカ以来のジブリ作品への抜 擢だ。 Written by Excenter |
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1 | ヤックル |
リズミカルなメロディーが特徴のバイオリンを多用した曲である。ヤックルは実はも ののけ姫が初デビューのキャラではなく、1983年に宮崎監督が出版した「シュナ の旅」からの転用だが、いずれでも気高く忠実なヤックルの性格がリズミカルな中に 見事に表現されている。映画では一切使われていないのがもったいないが、映画と対 にして聴かなくとも、十分魅力のある曲だ。 Written by Excenter |
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1 | シシ神の森 |
映画で何よりも奥深く、シシ神を主に持つ神聖な、そして人間達にとっては邪魔者の 森。しかし、そこは、現在では考えられないほど木々が鬱蒼と生い茂り、人が迷い込 んだら二度と出ては来れないような不気味さも兼ね備えている。そんな「もののけ姫 の森」を表現したのがこの曲。「森」という1つのものなのに、その中は何層にも分 かれ多面性を持った、音楽で表すにはあまりにも漠然とした物を的確に音楽化すると いう作業ができる作曲家はそうそういないだろう。音楽家・久石譲の力量が試された 1曲であると強く感じた。 Written by Excenter |
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1 | エボシ御前 |
歴史の授業で習う(笑)、「琵琶」という独特の響きを出す楽器が使われている。エ ボシ御前は当時の人ながらも現代人的要素を含んだ女性。そんなエボシを表すかのよ うに、曲中には古風な部分と少々現代的な部分の双方が同時に見られる。「倭寇の妻 として鍛えられ、夫を殺し、海賊業で儲けた金を手に故郷の村へ帰ってきた。」とい う設定のエボシ。その難多き人生がズバリこの曲の中に収められているといえる。 Written by Excenter |
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1 | コダマ達 |
映画中でもコダマ達が発する印象的な音を連想させる、優しい感じのメロディー。映 画でも、同様のメロディーが採用され、こちらもピッタリの表現と言っていいだろ う。コロコロっとした感じのかわいらしさ、そして「森の聖霊」としてのコダマ達の 姿が今にも浮かんできそうな音楽だ。賢く神聖だけれども遊び心を持ったコダマ達を 音楽で表現しようとするのは大変な作業ではあったかと思うが、そこは流石久石さ ん。見事にこなされている。個人的には久石さんの「DA・MA・SHI・絵」に曲 風が通ずるところがあるように感じた。 Written by Excenter |
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1 | 犬神モロの公 |
「あの子を解き放て。あの子は人間だぞ。」・・・アシタカの名台詞でおなじみの映 画の予告編で使われた、聞き覚えのあるメロディーだ。今までのジブリにはない一面 を持った新生ジブリ作品となった「もののけ姫」。そんな映画全体を表すと言っても いいと僕は思う。(残念ながら本編で同様の音楽の使用はない。)しかしながら、C M曲としてしっかりとその役割を果たしたこの音楽。もっと評価されてもいいと思う のだが、この後発売されるCDには今のところ一切収録されておらず、「5.ヤック ル」と共に、このアルバムだけで楽しめるエキサイティングな曲となっている。 Written by Excenter |
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1 | アシタカとサン |
このアルバムの中で、唯一のピアノ曲。しかも、非常に質の高いものに仕上がってい て、美しい音色と和みのあるやさしい曲にとなっている。事前に宮崎さんは久石さん に曲のイメージを伝える為、いくつかの詩を贈っているが、この曲だけはイメージア ルバムの中でただ一つ、曲のもとになる詩が無かった。しかし、映画では最後の場面 で使われ、映画の中でも音楽が最も重要視される箇所に抜擢されたことになる。イ メージもなにも無い中で、ピアノを中心にこれだけの音楽を作曲された久石さんの実 力を感じさせる1曲。 Written by Excenter |
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Written by Excenter at 2002.2.10 最終改訂2002.2.12 無断転載を禁じます。 Copyright(C) 2002 by Excenter |