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風の谷のナウシカ(サントラ) |
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■「風の谷のナウシカ」〜オープニング〜 |
タイトル通り映画「風の谷のナウシカ」のオープニングを飾る曲である。独特の音色のオルガンによる不思議なフレーズはこの曲を強く印象づける。美しささえ感じる腐海を表している。その前半と後半のオルガンのフレーズに挟まれるかのようにフルオーケストラのメインテーマが壮大に演奏される。m79などの構成音を中心としたアルペジオは、この頃から久石さんのトレードマークだったのかもしれない。ピアノとハープから始まる旋律はなんとも物悲しげだが、次第に盛りあがってゆく・・・。それはまさに荘厳!の一言に尽きるであろう。バイオリンのオクターブユニゾンによって奏でられる旋律は、独創的なメロディーをしていてとても壮大だ。そして独特のコード感があり、ストリングスの動きが面白い。なんと言ってもナウシカの世界観が見事に現れていると言えるだろう。非常に広大で複雑な腐海、過去の人類のたどった道、風の谷の人々、そしてナウシカとメーヴェなど。 「Sight of Nausicaa」 Drawn by HeeFoo
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■王蟲の暴走 |
この曲は3曲で構成されている。 1曲目 乾いた感じのシンセ音による演奏だ。映画では冒頭、ナウシカが王蟲の抜け殻を発見するシーンで使われるが、その雰囲気が出ている音色だろう。 2曲目 王蟲の暴走シーンの音楽。テンポが速く、ドラムが入りすごい迫力。トタ!ドタ!ドタ!といった感じである。ギターが王蟲の鳴き声のよう。 3曲目 シタールの使い方がまさに王蟲を想像させる・・・。その後に続く音楽は、パンチが効いていてかっこいい感じだ。 |
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■風の谷 |
この曲は2曲で構成されている。
1曲目 アフリカ、中近東の民族音楽と言った感じの曲である。ユニークなパーカッションをベース、にダルシマーのでどことなくさびしげなメロディーが展開されていく。その動きは先が読めず奇妙である。 2曲目 重々しいシンセストリングスから始まり、ナウシカのメロディーを演奏。メインテーマの演奏だが、不気味なアレンジ。 |
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■虫愛ずる姫 |
この曲も2曲で構成されている
1曲目 「鳥の人」からの壮大なイントロのフーレズで、フルオーケストラが勢い良くスタート。その後は蟲たちの思いや、ナウシカの思いなどが現れた悲しげな旋律だ。 2曲目 王蟲の暴走の三曲目によく似ているが、こちらはもう少し長くアナログシンセ的な音色のフレーズが特徴。sawウェーブが、なんとも味のある演奏である。 |
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■クシャナの侵略 |
この曲も2曲で構成されいる。
1曲目 淡々としたリズムで曲が進んでいく。小節ごとに金属音的なシンセ音色かきらびやかに響きわたる。メロディーの音色も特徴的である。そしてナウシカの後悔の念を、その特徴的な音色がメロディーが物語る。 2曲目 侵略された風の谷のあわただしい雰囲気を表した音楽である。管楽器が中心となり曲を先導してゆく。 |
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■戦闘 |
イントロの部分はブラスによるコード演奏で、戦闘の雰囲気を演出している。全体的にとてもあわただしく、いろいろな楽器でメロディーを構成されている。途中、なにか日本の戦国時代の戦闘シーンが思い浮かぶようなフレーズも・・・。 |
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■王蟲との交流 |
ナウシカが王蟲と交流するシーンの音楽である。金色の野原に幼いナウシカが登場する・・・。この曲が耳に残っている人が多いだろう。ラン、ランララ、ラララ、と歌っているのは当時4歳の久石さんのお嬢さんの麻衣さん。この曲のストリングスとコーラスの部分は当時の価格で、なんと1200万円したというフェアライトという弦楽器などの生楽器をシュミュレートするサンプリングシンセの音である。 |
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■腐海にて |
冒頭の印象的な音色で飾られるこの曲。映画ではナウシカとアスベルが腐海の底にたどり着いたときにの幻覚のように美しい腐海の底を、まざまざと感じさせる。不思議な印象を与える音色である。その後は、ナウシカオープニングでもあったオルガンの音色が入ってくる。まさに腐海の時間の忘れるような美しさを表すとともに、オルガンの音色は腐海の神秘的な生命活動を表しているのかもしれない。 |
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■ペジテの全滅 |
この曲は2曲で構成されている。 1曲目 ナウシカとアスベルが全滅したペジテを訪れるときに流れる音楽である。心地良くない不協和音を構成音にした、何とも不気味な雰囲気のアルペジオ。そして途中キックドラムだけのシンプルな構成。映画の映像と相成ってショッキングな印象を与える。 2曲目 5曲目とよく似た構成の音楽である。2度違いのマイナーコードと、メジャーコードをシンプルに繰り返す音楽は、久石メロディーではよく登場する。 |
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■メーヴェとゴルベットの戦い |
映画のシーンに見事にマッチした音楽である。ペジテの船からメーヴェに乗ったナウシカが風の谷へ向かう途中ゴルベットに襲われるシーンに使われる。タタタタ、タタタタというブラスや木管楽器の演奏により、迫り来る危険がひしひしと伝わってくる。途中のティンパニが印象的である。794BDHやMKWAJUなどミニマルを感じさせる曲でもある。 |
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■蘇る巨神兵 |
この曲は2曲で構成されています。 1曲目 ナウシカのテーマをモチーフにした演奏である。ハープやグロッケンが効果的に使われ、とても寂しげなメロディーに編曲されている。 2曲目 不協和音の中でもとりわけ不快に感じる音構成である。ストリングスのピッチが微妙にずれてゆき、気持ち悪ささへ感じる音楽である。 |
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■ナウシカ・レクイエム |
この曲は2曲で構成されている。 1曲目 三拍子が曲の中で効果的に発揮され、文字通りレクイエム(鎮魂歌)と言う雰囲気が、見事に作り出されている曲である。ストリングスが主体となり、威厳の漂うメロディーが進む・・・。ナウシカのメロディーが随所におり込まれている。 2曲目 王蟲との交流でも登場したラン、ランララ、ラララのあの印象的なメロディー。その声自体が、かわいらしいせいであろうか、そのことが、よりいっそうに寂しく聴かせる。 |
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■「鳥の人」〜エンディング〜 |
映画の最後のシーンから、エンドテロップにかけて使われる曲である。エンドテロップまでの前半は「鳥の人」をイメージして作られた曲である。助走をつけ大空へスカー!っと飛び立つ様子が見事に現れている音楽だと言えよう。スコア編成は、お互いの楽器が、たがい違いに演奏し、効果的で、また、無駄が無い。そうした編曲もこの曲の聴き所ではないだろうか。鳥が飛び始めその後大空を自由に飛び回っている・・・。そんな様子が音楽からだけでも、鮮やかに映る。エンドテロップに入ると雰囲気は一転、ナウシカオープニングでも使われたメインテーマが始まる。寂しげな旋律。ナウシカの世界感が見事に凝縮されて表されている・・・、そんな思いが巡る。
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Written by HeeFoo at 2000.3.15 最終改訂2002.9.10 無断転載を禁じます。 Copyright(C) 2000-2002 by HeeFoo, NOSTALGIA WIND All Right Reserved |
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