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Shoot The Violist |
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■794 BDH |
アルバム「CURVED MUSIC」(1986年)収録曲。マツダファミリア4WDのCM曲として使用された曲で、 96年秋のアンサンブルコンサート、99年秋のアンサンブルコンサートでオープニングナンバーとして演奏された。このアルバムでもオープニングを飾るにふさわしい、アグレッシブな勢いを感じさせる1曲である。 Written by 渋谷 智陰 Written by MARI |
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■KIDS RETURN |
北野武監督作品「KIDS RETURN」のメインテーマ曲。
アレンジは「PIANO STORIES U」(1996年)のバージョンに近い。
2人の少年の青春を描いた北野映画の代表作の中で、
映像に負けない強い存在感を持ったこの曲は、
まさに、見えない明日に向かって全力で走っていく、
蒼い若者を五線紙の上に乗せたかのよう。 時には壁にぶつかり、時には悩み苦しみ、そして涙を流す。 でも、走り続ける... 「まだ、始まってもいねえよ!」 映画の最後のセリフのように、まだ見ぬ未来へと向かって... Written by 渋谷 智陰 |
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■DA・MA・SHI・絵 |
音楽のロールシャッハテスト、とでも言おうか。エッシャーという画家のだまし絵を音で表現すると、まさにこうなってくるのであろう。人によってはストリングスを、またある人はパーカッションを、そしてピアノを...どの音を中心に聴くかによっても、いろいろな表情を見せてくれることだろう。ミニマル・ミュージックの面白さ、浮揚感を心ゆくまで味わってみては? Written by 渋谷 智陰 |
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■DEAD Suite [d.e.a.d.] |
「DEAD=死」。しかし、音楽的表記をした場合、「d.e.a.d.」は「レ.ミ.ラ.レ.」となる。文字通り、レミラレの音を中心に作られた、久石さん入魂の組曲第1楽章。幻想的なストリングスの音で始まるこの曲は、世紀末的な破滅の匂いを感じさせてくれる。今までの曲にはなかった、「恐怖」というキーワードを新しく加えても良いのかもしれない。まさにそれは、「dead=死」の恐怖なのかもしれない。 Written by 渋谷 智陰 |
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■DEAD Suite[愛の歌] |
「愛」とは?「dead=死」と隣り合わせのものなのかもしれない。 「サディストの究極は殺人、マゾヒストの究極は自殺。」だという。 だとしたら、「愛」の究極とは、「死」なのかもしれない。 「愛」は「死」によってその形を永遠のものに変えてゆく。 心の中の砂時計を止め、恒久の眠りについた「愛」... 「死」は全てを飲み込んでしまった...「愛」はもう動かない... ピアノとストリングスが奏でる究極の「愛の歌」。 啼くように歌うヴァイオリンが心に哀しく響く。 ほろ苦く、そして虚しい大人の愛のかたちがここにある。 昨年のコンサートツアーで初めて演奏されたこの曲。 ファイナルの東京芸術劇場(1999年11月11日)のアンコール3曲目で、 久石さんが涙を浮かべながら熱演し、大スタンディングオーベーションとなった あの感動を、 今味わうことができる喜びは、何事にも代え難いであろう。 久石さんの過去の曲の中でも、間違いなく五指に入ってくるであろう大傑作! 鳥肌を立てながら聴いて欲しい曲! Written by 渋谷 智陰 |
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■TWO OF US |
この曲は、一体いくつの表情を我々に見せてくれるのか?かなり多くのヴァリエーションで過去のアルバムに収録されてきた曲だが、今回もそのメロディーの持つ魅力は健在。やはり、原曲の素晴らしさゆえ、である。アルバム中唯一、久石さんのピアノと、バラネスク氏のヴァイオリン、ニック氏のチェロのみで演奏されている。心の奥底にしみ込んでいくような、哀しげな「ふたり」は、移ろいゆく時の流れに棹さし、毅然と、そして優しく微笑みを投げかけてくれることだろう。 Written by 渋谷 智陰 |
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■MKWAJU |
「MKWAJU」(1981年)以来、19年もの間眠り続けたこの曲がついに復活!今となっては入手困難な「MKWAJU」も、時を経て新しくアレンジされ、たくさんのファンの耳に届くかと思うと、嬉しくてたまらない。このアルバムの曲全部に言えることだが、昔の曲ほど大胆なアレンジがなされている。それぞれの原曲と聴き比べてみるのも良いだろう。この曲はミニマルの中のミニマルであるが、聞きづらいということはなく、新たに感情を持った「ニューミニマル」の匂いがする。 Written by 渋谷 智陰 |
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■LEMORE |
未開のアフリカ奥地、文明の入ってこない土地での宗教的儀式な雰囲気のこの曲。しかし今作のアレンジは、原曲にいささかの介入がある。それは、「ストリングス」である。「パーカッション=アフリカ」と定義すると、「ストリングス=ヨーロッパ」であろう。 14,5世紀、ヨーロッパ人の介入でアフリカの奴隷貿易がなされた哀しい過去を思い出させるかのようなアレンジになったこの曲は、聴く人の耳にはどう届いたのであろうか?アフリカの土があんなに赤いのは、黒人の血が染み込んでいるから...なぜだろう?喉の奥に何かがつかえて取れないような、そんな気持ちが離れないのは...実は、ストリングスとパーカッションは融合してはいけなかったのか? Written by 渋谷 智陰 |
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■TIRA-RIN |
音楽は「足し算」である。たくさんの音を足して、曲が出来上がる。だとしたら、そこから引いていったらどうなるのか?この曲は、音楽の「引き算」である。個人的には、1981年の原曲を超えていないと思う。「向き不向き」という言葉で表すのなら、ストリングスはミニマルには向かないのではないか?私はそう思ってしまった。アレンジも小気味いいし、ミニマル的な面白さも感じられる。が、フットワークが気になった。原曲に比べていささかテンポが遅いので、そのスピード感の中で繰り広げられるぶつかり合いに少々弱さを覚えた。少し、おとなしくなってしまったのかもしれない。でも、初めて耳にする人にとっては、満足いくと思われる出来であることは確かである。 Written by 渋谷 智陰 |
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■Summer |
北野武監督作品「菊次郎の夏」(1999年)のメインテーマ。
タイトルの「Summer」があらわす通り、まさにそれは夏の風景。 大きな太陽の下に大輪の花を咲かせる向日葵。蝉は騒々しく啼きつづけ、 真っ黒に日灼けした少年は、捕虫網を手に日暮れまで走り回る。 あなたにも私にもあった、もう戻れないあの夏... 「おじちゃん、おじちゃん名前なんていうの?」 「菊次郎だよ、バカヤロウ!」 真夏の空の下の萌える緑を感じながら... (この曲には、「あの夏、いちばん静かな海。」のメインテーマ、 「Silent Love」もちゃっかりお邪魔してたりして... 去年の秋のコンサートヴァージョン、ということ。) Written by 渋谷 智陰 |
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Written by 渋谷 智陰 at 2000.5.18 最終改訂2002.9.15 Copyright(C) 2000-2002 by 渋谷 智陰, NOSTALGIA WIND All Right Reserved |
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