はじめての体育祭
はじめての体育祭

6月3日。天気予報では”晴れ”だったが、実際には予報よりも天気が良く”快晴”となった。
やはり・・といってはなんだが、紐緒 結奈の機嫌はあまりよろしくない。
紐緒「くだらないわね。研究が進まなくなるわ。」
葛飾「でも、体育祭なきゃないでくだらない授業があることになるんだからいいじゃない。」
紐緒「ずいぶん楽観的ね。」
葛飾「まあね。まぁ、睡眠時間は減るけど(笑)。」
こういった会話をしているところに、3人組みがやって来た。
1人は、ショートカットでボーイッシュな女の子、
もう1人は形容しがたい特徴的な髪型の女の子、
そして、1番後ろにいる男性は、かなりの長身である。ざっと、2ヤードくらいといったところ。
また、ショートカットの女の子は葛飾も名前を耳にしたことがある。
きらめき高校が誇る超高校級スイマーなのだ。
きらめき高校では目下のところ知名度が最も高いといわれている。
清川「よっ、結奈。」
紐緒「あら、望じゃない。」
葛飾「どうも、葛飾といいます。清川さん。」
清川「へぇ、私の名前知ってるんだ。」
葛飾「そりゃぁ、知名度ナンバー1といわれている清川さんなら名前くらいは。」
清川「へぇ。でも、君のことも結奈から聞いているよ。」
”え?”という感じで葛飾がぼそぼそと紐緒に話し掛ける。
葛飾「紐緒さんいったいなにをしゃべったの?ってより、なんで2人知り合いなの?」
紐緒「べつにいいじゃない。秘密よ。」
葛飾がもうひとこと言おうとしたとき、もう一人の女の子が紐緒にあいさつする。
片桐「はぁ〜い!結奈。」
紐緒「彩子も一緒だったのね。ところで、後ろの方は?」
片桐「彼は”陽炎 一間”君よ。強力な助っ人なの。」
紐緒「葛飾君。いま聞いたとおりよ。」
葛飾「すみからすみまでずずずいぃ〜〜っと、よろしくお願いいたします。」
片桐・陽炎「よろしくおねがいします。」
紐緒「前振りは余計よ。しかも3人しかいないんだし。」
清川「じゃぁ、みんなで気合入れるか。」
手を重ねてワーッとやるパターンでの気合いを入れる。
清川「せーの。」
4人「オォーッ。」
こうして体育祭が始まった。

[100mDASH]
清川「あいつ、なかなかやるなぁ。」
各クラス4人ずつが選ばれた合計40名のうち5位になったのだ。
陸上部こそこの種目の選手になることはできないが、その他の運動部は参加できるので
そういったなかでの入賞を清川は”やるなあ”といったのだ。
紐緒「ふふふっ。」
清川「なぁ、結奈。」
紐緒「なによ?」
清川「葛飾君に精神安定剤でも飲ませたのか?」
紐緒「は?いいえ。私の特製ドリンクだけよ。なぜ?」
清川「彼はドーピングやっても実力では及ばないような相手にも勝ったのよ。」
紐緒「だから?」
清川「スポーツは精神面が重要なのよ。彼は精神的に優位に立っていたようなのよ。」
清川がまだはなしを続けようとしたときに、葛飾が戻って来た。
葛飾「いやぁ、勝負は時の運・・・ですなぁ、全く。」
清川「よく、心理戦に負けなかったね。」
葛飾が小首をかしげる
葛飾「は?心理戦?」
清川「となりのコースの運動部のやつに何か言われていたじゃないか。」
葛飾「うん。なにかいわれたねぇ。忘れちゃったけど。」
清川「よく、そのプレッシャーに負けなかったな。」
すると、葛飾は妙なポーズを取り、
葛飾「へへへ。ポーズくっつけて、”○ンチン定食いっちょう、な〜みいっちょう”
   とか言い返したら、相手やる気なくしてたよ。」
清川はポーズを見てややあきれながら,
清川「そうか。相手のやる気をなくしたか、すごいね。ただ、そのポーズは意味不明だけど。」
陽炎も葛飾の動作を疑問視する。
陽炎「ところで、”○ンチン定食いっちょう、な〜みいっちょう”って・・何?」
葛飾「すんません。それはいまのところは企業秘密で〜す。」
こうして、100mDASHが終了した。
ちなみに、D組みのサッカー部が優勝をし、 D・E・C組みのサッカー部トリオが1・2・3フィニッシュを飾ったのだそうだ。

ちなみに清川は紐緒に対して「葛飾君に精神安定剤でも飲ませたのか?」と聞きたかったのである。
だが、実は葛飾達夫という男、”体育祭は(文字どおり)お祭り”という考えでいたことから、
精神安定剤など飲まずともはなっから緊張などしていなかったのである。

[HERCULES]
これをみて清川が早々に険しい表情になる。
清川「すごい種目だな。」
片桐「なにあれ?」
葛飾「単純力くらべ。」
このHERCULESという種目は、中心に1本の柱があり、それと直角に1本の鉄の棒がある。
そして、中心を挟むように2人の人間が立ち、行司の合図とともに、棒を押し合う。
押し負けるとずるずると後退してしまう。競技台(正式名称わからない) から落ちてしまった方が負けである。
まさに、葛飾がいうとおりの単純力くらべなのである。
そして、陽炎がなんと準優勝という番狂わせ(失礼!)を起こす。
陽炎「ただいま。」
片桐「グレイト!素晴らしいわ。」
陽炎「*^^*。うへぇ〜、ありがとう。片桐しゃーん。」
崩れきった陽炎の表情を見て見ぬふりをして葛飾が言う。
葛飾「ネックエクステンション(neck extension)が決まってたよ。」
陽炎「ん?俺がとっていた姿勢ってそんな名称でもあるの?」
葛飾「ああ。難しいけど、使いこなすとあの種目では非常に強い力を発揮できるんだ。」
陽炎「ほぉ。」
清川「つくづく文化部なのがもったいないな。」
葛飾「へぇ、陽炎君文化部なんだ。」
清川「彩子と一緒なのよ。」
葛飾「ふーん。」
こうしていろんな種目がおわって体育祭も結果発表のときをむかえた。

(放送)「優勝は・・(5秒あく)、紅組です。」
紐緒「よし。」
陽炎・片桐・清川「わーい!。」
葛飾「ぬぅどぅるわんくらぁ。よっしゃー。(意味不明)」
紐緒「??なによそれ?」
葛飾「いや、なんとなく。でも、優勝できてよかったぜ。」
そこに、突如謎の女(大笑)が出現した。
謎の女「ほんとだね。おめでとう。」
そう言い放ち、紐緒に体当たりをぶちかまして去っていった。
紐緒「なんだったの?あのこは?」
葛飾「さぁ?」
優勝を喜んでいたみんなに割って入り、紐緒に体当たりをかました 謎の女(大笑)とは一体何者なのか?
そして、紐緒に体当たりをかました真相は一体何なのか?

そうね、かえりましょ。
それじゃ、そろそろかえるわよ。
さぁ、かえるわよ。