PUNISH GAMBLER
PUNISH GAMBLER

12月某日。 期末テストも終わり、もうすぐ冬休みといったころ、
いつもなら"うしろからバッサリ(意味不明)"といったくらいに
ノーテンキな葛飾達夫がめずらしくおとなしい。
机に足を乗せていすにもたれかかっているが、表情はぼーっとしている。
まるで魂の抜け殻のようである。
館林「ほらぁ、葛飾君しょげてないの。」
葛飾「あぁ・・。…。」
館林「やっぱ紐緒さんいないとダメかぁ。」
葛飾「あぁ…。」
館林「…。そこで、"あぁ"って言われても。」
館林のいうとおりである。 と、そこに数日ぶりに紐緒結奈が部室に姿を現す。
なおも、ぼや〜っとしている葛飾の肩をたたく。
紐緒「待たせたわね。」
達夫はふりむくのもめんどうくさいといった感じで
体を反らして後ろを見る。
葛飾「あ。」
とたんにその姿勢からダイレクトに立ちあがろうとした
葛飾達夫は見事に床に転落。
紐緒「相変わらずね。」
館林「ほんとに葛飾君ってマイペースだよ。」
2人の会話を横に葛飾は自分の呼吸を整える。
葛飾「ふぅ。さてと。」
葛飾はもう一息整えて、
葛飾「さ、ゲーセン行こう。」
見晴は不思議そうに達夫の顔をのぞきこむ。
館林「私はいいけど、紐緒さんが…。」
すると、紐緒結奈が
紐緒「約束だったのよ。達夫の好きな場所に行くっていう。」
館林「ふうん。」
紐緒「ただ、この顔を見ているとねぇ。ふぅ。」
ためいきまじりにいう。
館林「まぁまぁ。私がフォローするから。」
かくして3人はゲーセンに向かうこととなった。
葛飾「ふう。着いた。」
館林「あ〜ぁ。」
館林がしょげるのをみた紐緒が聞く。
紐緒「どうしたの?」
館林「いや、またアレをやるのかと思うと。」
紐緒「アレって?」
館林「う〜ん、うまくせつめいできないなぁ。」
アレとは実は自前ヒドゥンのことである。
まぁ、ふつうは説明しづらいわな。
葛飾「まぁ、実際やってみるから。」
そういって、ポップンの筐体にコインを投入してスタートボタンだけを押す。
ふつうにプレイするということか。
葛飾「まぁ、1回ふつうにやってみるから。」
そうこうしているうちに、1曲めが始まった。
”ジャジャーン、ジャジャーン、ジャジャーン、ジャジャーン、チャララララ〜♪”
(787878789)
紐緒「なにこれ?」
紐緒はわけがわからないといった感じで葛飾に聞くが、葛飾は平然とこたえる。
葛飾「TATAKAEGAMBLERZだよ。」
紐緒「ふうん。」
2分ほどして、1曲めがおわり、2曲めへ。
こんどの音もさっきのに負けず劣らずわけがわからない。
”ガガガガガ・ガガンガガン、ダダダダダ・ダダンダダン、ジャーンジャーン、タララララー♪”
(424242424、868686868、99、13579)
紐緒は開いた口がふさがらない様子。
館林にいたっては、うしろでコケている。
葛飾「そういう、曲なんだから、べつにいいでしょう。まったく。」
とは、いうものの初プレイの葛飾の方がリアクション大きかったりして・・・・。
だって、ゲーセンの外の飛び出して、大笑いしていたくらいだから。
葛飾「こんどのは、はばたけ・ザ・グレートギャンブラーっていうの。」
聞かれもしないのに葛飾がこたえる。
そこにようやくコケから起き上がった館林が葛飾におそるおそる聞く。
館林「アレ・・・、やるの?」
葛飾が平然と返す。
葛飾「うん。そのために来たんだもの。」
紐緒「アレって何?」
葛飾「見ればわかるよ。」
と、いってコインを入れて、28の同時押しをしながらスターとボタンを押した。
そして、キャラと曲を選択したのち、筐体に頭をつけた。
体勢が相当低く、さしずめ土佐の海関のたちあい、といったところか。(?)
そうして、ギャンブラーシリーズの曲を難なくこなしていた。
それがおわって・・。
紐緒「あんなやりかたでは見えないでしょう。」
口を開こうとした葛飾に代わって館林が答える。
館林「この人、見ないでやることが目的だったのよ。」
つまり、これは世に言う”自前ヒドゥン”である(ポップンページ参照)。
このあとも葛飾は数回自前ヒドゥンを実行していた。
それ以外にも、スコアねらい、歩行プレイなどなど。

そして、ゲーセンをあとにした。
紐緒「・・・・・あなたがいちばんわけがわからなかったわよ。」
まぁ、無理ないだろう。しかし、葛飾は平然と返す。
葛飾「そりゃそうでしょう。」
紐緒「まぁ、モノ好きってことでいいのかしら?」
葛飾「たぶんね。」
紐緒「ところであなたたちはこれからどうするの?」
葛飾は館林と顔を見合わせるが、2人は特に考えもせずに、
葛飾・館林「どこでもいいよ。」
と、いってしまった。
すぐに気がついたが時すでに遅し。
この日も結局、夜遅くまで実験につきあわされたのだそうだ。

そうね、かえりましょ。
それじゃ、そろそろかえるわよ。
さぁ、かえるわよ。