今年も、もうすぐインフルエンザのシーズン(2000/2001シーズン)を迎えようとしています。昨年度(1999/2000シーズン)は、ワクチン不足のために、医療現場はパニック状態で、希望された方全員がワクチンを受けられないという異常事態でした。
当院でも、十分なワクチンを確保することができず、小児を優先して2回接種し、大人の方は1回でご了承いただきました。ウイルス変異が比較的少なかったため、これでいけるだろうという判断で行いました。幸い、大きな問題もなく、厚生省も今年から原則2回としながらも、成人の場合は状況により1回接種でもかまわないと発表があり、当院の判断は正しかったと確信しました。
厚生省によると、今年は十分な量のワクチンを確保できると言っていますが、実際のところはわかりませんので、希望される方は早めに申し込まれた方がいいでしょう。
2000/2001シーズンは、昨年度と比べて比較的変異の大きなウイルスが流行すると予想されています。したがって、ワクチン組成も昨年度とは全く異なり、したがって十分な免疫を期待するためには、1回よりも2回の方が確実といえるかもしれません。
2000/2001シーズン | 1999/2000シーズン | |
Aソ連型(H1N1)株 | A/ニューカレドニア/20/99 | A/北京/262/95 |
A香港型(H3N2)株 | A/パナマ/2007/99 | A/シドニー/5/97 |
B型株 | B/山梨/166/98 | B/山東/7/97 |
ここでは、厚生省の発表をベースにして、一般的な情報をQ&A方式で、提供しています。一般的な知識を得るには十分だと思いますが、残念ながら国の発表なので、慎重な意見が多いです。実際の現場では、もっと現実的なことで悩んでいるのにと思わざるを得ません。タイトルをクリックして、GO!
ここでは、私の個人的な意見やアメリカでの状況、あるいは小児感染症専門家の先生の意見など、もう一歩進んだ情報を提供したいと考えています。興味のある方、Q&Aでは納得できない方は一度ご覧下さい。
以上、現時点での最新データを示しました。これらをふまえて、当院の現時点での方針を簡潔に示します。インフルエンザの診断、治療、合併症などについてはここ数年で大きな変化が見られており、予防法としてのワクチンが今さらながら見直され、有効な診断方法や治療薬も普及しつつある一方で、合併症である脳炎・脳症については不明な点も多く、今シーズンも若干の混乱が予想されます。厚生省がはっきりした方針をいまだ示せない以上、各医療機関が独自の方針をしっかり持った上で対応すべきで、患者サイドはそれを見極めた上で、判断していかなければいけないと考えます。
私個人としては、ワクチン接種推進派の1人です。というか、医師としてワクチン接種の必要性を説く義務があると考えています。いろんな意見を参考の上、ワクチン接種を希望される方は申し込みください。当然ですが、来院できる方に限ります。申し込みは、メールでも結構です。必要事項(住所、氏名、年齢、電話番号、希望回数)を記入の上、こちらまで。ただし、3種混合やポリオなど他のワクチンの兼ね合いがありますので、10月〜12月にかけて他の予防接種を受けたか、受ける予定がある場合は、その旨をお知らせください。
当院では、10月30日〜11月11日の2週間で、1回目を行います。料金は一律1回2000円です。2回目のことは、1回目の終了時にお知らせします。