試合結果と観戦記


R.E.A.D〜2000 SHOOTO〜
12月17日(日)東京ベイNKホール

年末の総決算大会NK。今年は今までやってきたVTJを止め、修斗のオールクラスAの試合で締めくくる初の試み。果たしてこの大会は修斗の新たな扉を開くのか?


ナント行きの電車で前日のUFC-Jに出場した御一行様と同じ車両に。パット・ミレティッチ、ヒューズ兄弟にUFCヘビー級チャンピオンのランディ・クートゥアー、マット・ヒューム等そうそうたるメンバーが勢揃い。「ああ英語が喋れればなぁ」と思いながら、3時20分ごろNKにつく。相変わらずの物販の混雑ぶりを目の当たりにしながら会場へ。


相変わらずイイ感じのオープニングムービーが流れてから全選手入場。選手による開会の挨拶はなし。では早速試合へ。

ミドル級 5分3R
レイ・クーパー(ジーザス・イズ・ロード)【1R 1'44" ネックロック】アレックス・クック(スパルタン・ジム)


バカ力のクック。次はカト鉄とやりたいとの事。

オープニングは1位クーパー、4位クックの外国人対決。イマイチこの試合をNKで組むという意図が分からなかったのだがまあ次期王座挑戦権をかけた試合なのでよしとしよう。クックも最近調子良いけど、まあ順当にクーパーが勝つでしょという予想。


クーパー、コーナー際でテイクダウンし、そのままサイドポジションへ。クックは首に腕を絡めて返そうとするもクーパーは何とかポジションを守る。クックがもう一度チャレンジすると何とクーパーがタップ!あら!?


ミドル級 5分3R
加藤鉄史(PUREBRED大宮) 【1R 1'44" ネックロック】 ダン・ギルバート(シカゴ・ファイト・チーム)

お手本のようなグラウンド やっぱ強い。
前回無名のトーマス・デニー(かなりイイ奴)を仕留めきれずやや評価を落としたカト鉄。対するは中尾選手に何もさせなかったダン・ギルバート。普通に考えればカト鉄が負ける訳がないのだけど、ギルバートが中尾戦みたいにテイクダウンを奪って逃げ切るという展開も考えられるからなぁ、どうなんだろう?といった感じの曖昧予想。


まずはやはりギルバートがタックル。カト鉄はこれを見事にがぶって切るとコーナー際でもつれて半マウント状態。しかしこの際にギルバートに腕を絡められたので慎重に次の一手を考えている様子。


こつこつパンチを放ってしばらくすると完璧にマウント状態へ。ギルバート一瞬の隙をついて裏返る!カト鉄も待ってましたとスリーパーに持っていくも一発目は逃げられる。しかし二回目のチャレンジできっちりと一本勝ち!やっぱりカト鉄は強いや。お見事でした。


70.0kg契約 5分3R
三島☆ド根性ノ助(コブラ会)【2R 4'51 膝十字固め】マーシオ・クロマド(ウゴ・デュアルチ&ペレイラ)

さて、どうなるか? ええ!洗濯バサミ!? 膝十字がガッチリと!
何だか妙に速いテンポで試合が進み、あっという間に心のセミファイナル三島vsクロマドへ。三島選手はこの試合に勝ったらランキング1位の可能性がある訳で、こりゃ大変といった感じなマッチメイクな訳なのです。


まずは両者お互いの間合いを測り、慎重な出だし。しばらくすると三島選手が変則的な動きで間合いを詰め、高めのミドルを一発お見舞いし、そのままコーナーに押し込んでテイクダウン。しかし、クロマドもただでは転ばない。いつの間にかノゲーラ譲りのフロントスリーパーを極めかけている。ああ、危ない。本当にこっちがドキドキしてしまう。


何とか首を引っこ抜くと、三島選手「コノヤロ!」と言った感じの怒りの左パンチを連発で繰り出す。そのままコーナー際まで持っていくがここで1R終了。「ああ、クロマドってやっぱり上手いんだな」とこのラウンドで再認識。ぶっちゃけて言うと宇野戦は完全なフロックかと思ってたりしました。


2Rも序盤も間合い合戦から。セコンドが飛び込もうとする三島選手を「まだ早い」と諌める場面も。三島選手、テイクダウンを奪うとアグレッシブにパスを狙う。ここからはとにかくスゴイ展開で見てるこっちももう大変。クロマドがウナギ師匠よろしくのヘッドシザースを見せるも何とか脱出。するとクロマド今度はアームバーをガッチリとキャッチ!うわっ、万事休すか!


これもホントに危ないところで脱出すると会場爆発!そして三島選手が強引なスイープをきめると会場大興奮!そしてちょっとポジションを取ってから立ち上がると膝十字へ!ぐいぐい絞り上げるが粘るクロマド。クロマドの執念も凄い。っていうか足が心配だ。


そして一度緩めてからもう一度極め、今度はタップアウト!もう会場全体ヤンヤヤンヤといった感じで大爆発。駆け寄ってくるセコンドの北山さんと抱き合ったかと思うとフロントスープレックス(笑)!そして二人目のセコンドもスープレックス(笑)!歓喜の食い倒れポーズからの自爆バク中も2発披露という大サービスにお祭り騒ぎの会場でした。この時点では今年のベストバウトはこの試合に決まり。


バク宙自爆2回の大サービス(笑)

65.0kg契約 5分3R
アレクサンドレ・F・ノゲーラ(TFC)【2R 1'19" フロントスリーパー】ステファン・パーリング(スパルタン・ジム)


この人、無敵かも。

巨強ノゲーラが4試合目っていうのはやっぱり豪華だなぁ。相手は前回阿部兄ィをのしたパーリング。ライト級の中では珍しい打撃主体の選手だ。とりあえずこの試合でノゲーラはある程度全てのタイプ(寝技系、バランス系、打撃系)の選手と試合をこなした事になるので結果が楽しみである。


いつもは強気に相手の間合いに一気に入ってテイクダウンに持っていくノゲーラも今回に限ってはやや慎重。パーリングはボディへのパンチで攻勢に出る。ノゲーラはローを返す。最後にテイクダウンを奪うもこのラウンドは終了。


2R、ノゲーラ今度はいきなり超低空片足タックルでコーナーに追い詰める。猪木アリ状態から飛び込むといきなりサイドポジション。そしてするっとマウントへ。やっぱりパーリングちょっとグラウンドのディフェンス甘いなぁ・・。


ノゲーラがマウントからもう一度サイドに戻ろうとした隙にパーリングが立ち上がる。すると、それを逃がさないようにノゲーラが飛びつく!ギロチンだ!!そのまま崩れ落ちたパーリングはすぐにタップ!!またもノゲーラ必殺ギロチン葬!あんた強すぎだ&パーリングもタップ早すぎだ。


ミドル級 5分3R
桜井"マッハ"速人(GUTSMAN・修斗道場) 【2R 1'23" KO(3ダウン)】 フランク・トリッグ(rAwチーム)

トリッグ登場! マッハ、ロー!
エリック・パーソンの引退式、休憩をはさんで、待ちに待ったミドル級最強の称号をかけて共にVT無敗のマッハとトリッグの対戦!坂本さん、良くこのカードを組んでくれました!ギャラもメチャクチャ高かっただろうなぁ。まあそんな事はどうでもいいけど、とにかくこのカードはイイ!問答無用にイイんです!こっちも緊張するほどのカードなんです!


1R、マッハのローがズバっと入るとトリッグの足が流れる!もう、それだけでも大興奮。すると無理やり組み付いてくるトリッグ。マッハは両手で相手の顔を押し、離そうとする。しかし、さすがはレスリングの猛者トリッグ。スタンドレスリングはかなり巧い。そして得意のパンチを繰り出し、顔面にヒット。頭が後ろに流れヤバイ雰囲気。


危ないと思ったか今度はマッハが組み付く。そして投げる!テイクダウンか!?と思ったら勢いが良すぎて一回転半し、マッハが下へ・・。これは非常にまずいぞ。するとやはりトリッグはガードの上からからパンチをドカンドカン入れてくる。


マッハも一瞬の隙を突いてアームバーや三角をチャレンジするも、圧力が半端じゃない。強烈なパンチが入り始めマッハは鼻から出血。これ以上貰ったらまずいというところでゴングに救われる。やっぱトリッグ強いよ〜、尋常じゃないよ。


2R、マッハ、投げをうつがまた下になってしまう。しかしトリッグが腰を浮かせて振りかぶった隙に立ち上がる。追いかけてくるトリッグ。下がりながらマッハが左のパンチを放つ!崩れ落ちるトリッグ!しかし何事もなかったように立ち上がる。凄い。でも意識は飛んでいるかも。


すぐに今度は首相撲からの膝が入り2度目のダウン。まだ立ち上がるトリッグ。奴はサイボーグか?もう会場はこの日数度目の大興奮状態!そして再開後、組み付いて後ろに下がりながらの膝でついにKO!!会場全体が「うおー!!!」といった感じ。もうマッハは訳わかんないくらいスゴイ!!熱い!!カッコイイ!!惚れた(笑)。

ガッツポーズにファンも大喜び。 マッハは素敵だ。

初代フェザー級チャンピオン決定戦 5分3R
マモル(シューティングジム横浜) 【判定3-0】 秋本じん(K'z FACTORY)


初代フェザー級王者はマモル!

さて次の試合は初代フェザー級の王者を決める重要な一戦。しかし前の試合であんな壮絶な試合をやられたらちょっとかわいそうだ。事実僕もマッハの試合の興奮覚めやらぬ状態だったりした。マモルはすんごいガウンを着て登場。


1R、2Rともにマモルが上でポジションをキープ。やっぱりマモルは上手いなぁ。秋本選手もマモルの膝を警戒してうまくガードしてた。テイクダウンで差が出たか。

3Rもマモルが上をキープし、最後アキレスをトライするが極まらずタイムアップ。マモルが初代フェザー級王者に。


ウェルター級チャンピオンシップ 5分3R
宇野 薫(和術慧舟會) 【1R 2'09" KO】 佐藤ルミナ(K'z FACTORY)

1年半ぶりの対決。 この後に衝撃のKO!
ついにメイン。因縁の対決といってもいいだろうこの一戦。因縁の始まりは1年半前のウェルター級チャンピオン決定戦。あの素晴らしい試合は今でも僕の脳裏に焼きついている。あの試合くらいスゴイ試合になれば最高だな。


1R、いきなり宇野選手は猛烈にダッシュし、ロープに飛ぶ。相手の心に一瞬隙を作る慧舟會らしい作戦だ。ルミナはローを放ち、宇野もローを返す。するとルミナはパンチを出しながらものすごい速さで組み付きに行く。そして一瞬の隙を突いてバックへ。やはりここらへんのスピードは驚異的だ。


しかし宇野、桜庭っぽくバックに回られても腕を取りちゃんと対処をしている。しかしルミナは強引に飛びつき、スリーパーを狙う。やはり“前回極められなかった技でもあり、負けた技でもあるスリーパーで勝ちたい”という意思がルミナの心の片隅にあったのだろうか?


それを宇野選手は無理矢理引っぺがすような形で振りほどく!そのまま体制を崩しているルミナに左ミドル!そして右フックがルミナの顎を捉える!吹っ飛ぶルミナ。大の字になったまま立てない!何と宇野選手のKO勝ち!


全く予想の出来なかった結末に本当に驚いていたのだが、衝撃はまだまだ続く。マイクを持った宇野選手が「僕の中では佐藤ルミナ選手が一番です。ですから、すみませんけど、このベルトを返上させて頂きたいと思います」と発言し、コミッショナーにベルトを返上。


ベルトを受け取った浦田さんも呆気に取られていたが、それ以上に会場全体がイマイチ事態を飲み込めないような感じ。周りからは「え、え?何?」「ふざけるなー!」など様々な声が。何とも複雑な幕切れだった。この件については様々な所で議論されているのであえて色々書かないが、今考えてみるとこの衝撃的な大会らしい幕切れだったのかもしれない。


ルミナは立ち上がれない


見事な初防衛も王者返上へ。

本当に素晴らしい大会だった。絶対に行かなくてはいけない用事をブッちぎって行くだけの価値はあった(笑)。三島選手の熱い戦い、ノゲーラのそれこそ恐るべき強さ、マッハvsトリッグの死闘、そして宇野vsルミナの衝撃。思い返すだけでも身震いしてしまう。


あまりにも衝撃的すぎて、今後の修斗はこの大会のインパクトを果たして超える事が出来るのだろうか?という余計な心配をしてしまうほどだ。しかし僕はこの衝撃をこえるモノを求めて今後も修斗観戦を続けていくだろう。いや多分あの会場にいた大多数の人達も。


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