狛江市中和泉の万葉歌碑
狛江市にある「玉川碑」と呼ばれる歌碑(下の写真)を見てきました(2010/3)。歌碑の横にある説明板によると、この碑は、文化2年(1805)に老中松平定信の揮毫で作られましたが、多摩川の洪水により流され、大正11年(1922)に旧碑の拓本を模刻して再建したものだそうです。
歌には、織った布を多摩川に晒す風景が詠まれています。当時から狛江の辺りは布織物が盛んで、作った布は、租庸調の調として中央政府に納められていました。それも、この地は、高麗からの渡来人が多く住み、植物繊維から布を織る技術を伝え広めたが故のようで、狛江付近には、調布、染地、布田、砧などの地名が散見されます。この辺りの多摩川には、歌のとおり、布を晒す風景が日常的に見られたことでしょう。
歌
多摩川に 曝(さら)す手作(てづくり) さらさらに 何(なに)そこの児の ここだ愛(かな)しき (巻14-3373) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 多摩川に晒す手織りの布のように、さらにさらにどうしてこの子がこんなにもひどく可愛いのか。
所在地
狛江市中和泉4丁目14
行き方
小田急線狛江駅から西へ1kmほどの多摩川近くにあります。下の地図のマークの辺りに歌碑があります。