新潟県弥彦村弥彦神社の万葉歌碑
新潟県弥彦村(やひこむら)の弥彦神社(やひこじんじゃ)を訪ねてきました(2011/5)。万葉集には弥彦神社を詠んだ歌が二首あります。弥彦神社には、万葉歌碑が3基設けられており、そのうち2基は境内に、1基は弥彦山の頂上にあります。現在、弥彦は「やひこ」と読みますが、歌では「いやひこ」と呼ばれています。
弥彦神社の所在地弥彦村は新潟県のほぼ中央にあり、佐渡ヶ島の対岸辺りに位置します。弥彦村は日本海には接していませんが、村の西側にある弥彦山からは日本海、佐渡ヶ島が望めます。私が訪問した時はあいにく天気が悪く、佐渡ヶ島は見ることができませんでした。
弥彦神社は、古くから越後一ノ宮として広く信仰を集めていたそうで、弥彦山全体を神域としています。現在、弥彦村は観光スポットとしても大勢の人を集めているようです。下は、弥彦神社境内の案内板です。
以下に、万葉歌碑の紹介をします。
社務所前庭の万葉歌碑
先ず、下の写真は、社務所前庭にある万葉歌碑です。刻まれている歌は、弥彦山を詠っています。
伊夜彦(いやひこ) おのれ神(かむ)さび 青雲(あをくも)の たなびく日すら 小雨(こさめ)そほ降る (一(ある)は云はく、あなに神さび)(巻16-3883) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 越中(こしのみちのなか)の国の歌。
(大意) 伊夜彦の山はそれ自身が神々しく、青雲がたなびくような日でさえも山では小雨がそぼ降っている。
鹿苑近くの万葉歌碑
下の写真は、弥彦神社の鹿苑近くの万葉歌碑です。歌に詠まれているように、弥彦神社は鹿との縁があるようです。
伊夜彦(いやひこ) 神の麓(ふもと)に 今日(けふ)らもか 鹿(しか)の伏(ふ)すらむ 皮服(かはごろも)着て 角(つの)附(つ)きながら(巻16-3884) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 越中(こしのみちのなか)の国の歌。
(大意) 伊夜彦の神山の麓に、今日も鹿が伏しているだろうか。毛皮をつけ、角をつけたままで。
弥彦山頂上の万葉歌碑
下の写真は、弥彦山頂上の御神廟詰所前にある万葉歌碑です。私が訪ねたときも、歌のとおり、小雨模様でしたが、山頂にたどり着いたときは雨が上がっていました。
伊夜彦(いやひこ) おのれ神(かむ)さび 青雲(あをくも)の たなびく日すら 小雨(こさめ)そほ降る (一(ある)は云はく、あなに神さび)(巻16-3883) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 越中(こしのみちのなか)の国の歌。
(大意) 伊夜彦の山はそれ自身が神々しく、青雲がたなびくような日でさえも山では小雨がそぼ降っている。
所在地
新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦
弥彦神社社務所前庭 (→ 地図のマークのところです)
弥彦神社鹿苑近く (→ 地図のマークのところです)
弥彦山山頂弥彦神社御神廟詰所前 (→ 地図のマークのところです)
行き方
JR弥彦線の弥彦駅から北北西へ600mほどの所に参道の鳥居があります。また、弥彦山頂上へ行くには、弥彦山ロープウェイで山頂駅へ行き、そこから歩いて10分あまりです。車の場合は、弥彦スカイラインで山頂駅付近の駐車場まで行くとよいでしょう。