埼玉県日高市巾着田の万葉歌碑
埼玉県の日高市にある巾着田(きんちゃくだ)の万葉歌碑を訪ねてきました(2013/5)。歌碑には、万葉集巻14-3465が刻まれています。
歌
高麗錦(こまにしき) 紐(ひも)解き放(さ)けて 寝(ぬ)るが上(へ)に 何(あ)ど為(せ)ろとかも あやに愛(かな)しき(巻14-3465) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 高麗錦の紐を解いて共寝もしたのに、その上に、何をしろというのか。無性に愛しい。
下の写真は碑陰です。
ここ巾着田は、日高市内を流れる高麗川(こまがわ)が蛇行したことにより作られた地形で、きんちゃくの形に似ているために、巾着田(きんちゃくだ)と呼ばれるようになったそうです。ここには、四季折々の花が咲き、大勢の人が訪れるところです。
この辺りは、7世紀、高句麗滅亡の直前に日本に亡命した高句麗人の末裔が済んだところで、高度な農耕、機織り、製鉄その他の技術も同時に伝来しました。高麗錦はそのような高度な文化に基づき作られた大変貴重なものでした。この歌で、高麗錦は、女性の美しさそのものを表すと同時に、ひもを結び解くことの霊力を表していいるものと思われます。
所在地
埼玉県日高市高麗本郷 巾着田の万葉公園
行き方
西武池袋線高麗駅の東方向、直線距離で500m程のところに巾着田があります。歩くと少し遠回りすることになりますが、それでも10分ほどで巾着田に着きます。万葉歌碑は、下の地図のマークの辺りです。