地中海と港町と魚売り

マルセイユ

地中海とくれば赤い飛行機と豚?
エクス~マルセイユ間は電車の本数も多めで移動しやすい。しかし外務省などで事前に情報を確認したところ、現在マルセイユは仏国内トップクラスで治安が悪い。現に先日も夫婦で強盗に遭った人がいるので
アネヌ通りやカヌビエール通り付近には近づかないようにとの御達し。ちょっと待て、そこを通らなきゃ海に行けないじゃないか。駅の大階段を下りるとだだっ広い直線大通り。こんな見通しの良いメイン道路で強盗とは?いつもなら駅舎とか色々撮影するところだけど、そういう諸般の事情により中止。



       

なぜマルセイユに来たかったかというと、船に乗ってイフ島に行きたかったからだ。岩窟王、モンテ・クリスト伯、無実の罪で投獄、命を賭けた脱獄。旧港からの出航。イフ島行きの他にフリウルというもう少し大きな島行きもある。私はこっちだけでいいでーす。入り江を抜ける頃大きな船が目に入った。船腹にチュニジア・フェリーの文字。そうだ海の向こうはアフリカなんだ。




イフ島の船着場。海が青く、白い岩肌が映える。何もない小さな島なので確かに脱獄は辛そう。カフェは一つだけ。カフェというより海の家だ。軽くお昼をとホットドックをを注文したら長さが40センチはあろうかという巨大なのが出てきた。パンはもちろんフランスパンのバゲット。うまかったです。


こちら鉄仮面様のお部屋でございます。ホントか?
夏はともかく冬場は海風が吹き抜けて相当寒かったのではないかと思う。






      


旧港からはおなじみプチトランが発車。席は満席、脇でジプシー風ミュージシャンが陽気なギターを奏でる。バジリック・ノートルダム・ド・ラ・ガルドへ向かう。モザイク模様の外壁や内装が豪華。マルセイユで一番高い位置のようで風が爽やかに吹き抜ける。観光客も多い。メトロや路線バスも充実しているが、日帰りなのであまりゆっくりできなかった。



遠くに見える雲、これが帰りがけに嵐となって襲いかかってきた。

今回の雷雲はやはり地中海が元凶だね。
















    


余談ですが・・・船に乗っていて唐突に思い出したことがある。
その昔読んだ、竹宮さんの「風木」のワンシーン。ジルベールとセルジュがマルセイユの海辺で泳いでいる。遠くにはイフ島が見える。ジルベールが「あそこまで泳げる?」と尋ねたところにオーギュが登場。セルジュは心が揺れて一人イフ島まで泳ぎだす。

マルセイユ~イフ島までは、実際船でも20分くらいかかるんだよね。若さとはいえセルジュ君、無謀だぞー!チロル生まれにしてはずいぶん泳ぐじゃないか!