練馬田んぼ 2004 ◆稲刈りとまとめ◆

10月に入り稲刈りをしました。
ことしは全国的に台風の当たり年で、
収穫直前になって、台風の被害に遭ったところも多かったようです。
練馬田んぼも、小雨降る中の稲刈りとなりました。

最後に、収穫した米の記録をまとめておきました。

9月14日

全体の様子

9月14日

もち米の穂アップ。

籾の先がほんのり紫に色づいています。

9月14日

うるち米、一本苗・水無の穂。

穂の垂れ具合が一番大きいです。

9月14日

うるち米、一本苗・水有

上の写真と比べると、まだまだ青い籾です。

10月8日

稲刈り直前の全体像。

台風が来る前に刈り取る必要があったため、小雨が降っていましたが、作業を決行しました。

 

稲刈り後、乾燥させた稲穂。

これはうるち米、一本苗、の水無バージョン。

やはり稲穂が一番垂れていただけのことはあって、他と比べて籾もふっくら大きめなようです。

 

 

同じく、稲刈り後、乾燥させた稲穂のアップ。

これはうるち米、一本苗の水有。

やはり上の写真と比べてしまうと、見劣りがします。中身のないスカスカの籾も目立ちます。

それと、穂の先端の籾だけに、ノゲがあるのが特徴的です。

 

うるち米の結果
苗数 育苗時の、水の条件 穂の数 籾の数 穂当たりの平均籾数
1本 水無し 13本 1802粒 138粒
1本 水あり 11本 1230粒 112粒
3本 水無し 13本 1370粒 105粒
3本 水あり 13本 1107粒  85粒

 

もち米の結果
苗数 育苗時の、水の条件 穂の数 籾の数 穂当たりの平均籾数
1本 水少なめ 11本 1246粒 113粒
2本 水少なめ 13本 1193粒 91粒
3本 水少なめ 16本 1481粒 92粒

 

練馬田んぼ2004のまとめ
●一番増えたものは、うるち1本苗の水なし条件。1粒が1802粒となった。
●一つの穂あたりの籾数は、平均するとおおよそ100粒程度となった。
●1本苗、3本苗ともに、育苗段階での水の条件の差から見ると、水なしで育てた苗のほうが、籾数は多い。
●苗が2倍3倍になっても、籾数が2倍3倍になるわけではない。うるち米で水条件が同じものを比べると、むしろ1本苗より3本苗のほうが籾数は少ない。
●以上の結果から、「水条件の厳しい環境下で育てた苗を、1本苗で田植えすれば、収穫量は増えるはず」であるが、果たしてそううまくいくだろうか?
★今回の実験は検体の絶対数がそもそも少なく、これで普遍的な結果を導くことはかなり乱暴かもしれない。1本苗が一番収穫量が多かったのも、たまたま偶然だった可能性も否定できない。
★練馬田んぼでは、プランターで育てたため、それぞれの稲の面倒を細かく見ることができた。でも、広い田んぼでは難しいかもしれない。
か細い幼苗の時に倒れる危険性もある。そうなったら、収穫量はゼロだ。確かに収量の多さは魅力だが、リスクもあるわけだ。
それならば、田植えのときに、苗の本数を多くして、倒れにくい状態にするという考え方もあるのだろう。
★田んぼ師匠の田悟作さんは、種まきの密度を一般平均の半分以下にして、さらに育苗条件も厳しくして、丈夫な苗を育てている。そんな苗なら、ちょっと位の強風でも倒れることはないだろう。いかに丈夫で健康な苗を育てるかが、後々の稲の生長や、収穫に影響を与えるということが、今回よくわかった。

 

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